創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

(513)[頭痛と戦う三つの方法] by Mr. Della Femina(了)

ジェリー・デラ・フェミナ氏『広告界の殺し屋』(西尾忠久/栗原純子訳 誠文堂新光社 1971.4.30)。今回は[第8章 頭痛と戦う三つの方法] ★ ★ ★ つい最近ジーン・ケイスと組んで自分たちの代理店を始めたばかりのヘルムート・クローンは、何年もの間DDBの代表…

(511)[頭痛と戦う三つの方法] by Mr. Della Femina(2)

1949年6月1日に、オーバックス(廉価主義の衣料品デパート)1社をクライアントとして創業したDDBが行った「クリエイティブ」革命は、コピー=アート・セッション(会談)でした。真意は、デラ・フェミナ氏が言っているように、〔絵付け師〕からアート…

(511)[頭痛と戦う三つの方法] by Mr. Della Femina(1)

[:W100]約4ヶ月ぶりの再顔見せです---マジソン街の戯画かわら板売り、ジェリー・デラ・フェミナ氏『広告界の殺し屋』(西尾忠久/栗原純子訳 誠文堂新光社 1971.4.30)。今回は[第8章 頭痛と戦う三つの方法] これまでにアップした章↓クリック 第7章 [「陽気…

(510)Best 10 ads of VW beetle that chuukyuu chose (2)

【蛇足的なお問い合わせ】1963年6月15日---chuukyuu 33歳になったばかりのとき---に『フォルクスワーゲンの広告キャンペーン』(美術出版社)を処女上梓しました。 この本のユニークさをいち早く認めてくださった吉行淳之介さんが、当時、発行部数…

(509)Best 10 ads of VW beetle that chuukyuu chose (1)

米国の広告業界週刊誌"Advertising Age"(略称『アド・エイジ』)が広告ベテラン97名に「この200年間でベストのキャンペーン」を推薦してもらった。 第1位はVWビートルの18年間におよぶ広告であった。 1点1点の出来ばえも大切だが、広告はキャ…

(508)Best 5 ads of Levy’s Bread that chuukyuu chose

1949年にオペレイターも入れて10人ほどで創業したDDBの2番目にやってきたクライアント。 媒体は、ニューヨーク市の地下鉄 駅貼りと店頭ポスターのみ。 バーンバックさんの述懐。 この会社はリヴィ・ライブレッドというパン屋さんだったが、私ども…

(507)Best 5 ads of Sony TV-set that chuukyuu chose

ちょっと意地悪く、広告のタブー、表現のタブー、シチュエイシュンのタブーばかりを選んでみました、 日光愛好家たちのソニー 真っ青に晴れた日に、テレビを見ながら屋内にじっとしているのがお嫌いなら、私たちはあなたぴったりのセットをお届けしました。…

(506)Best 10 ads of Mobil that chuukyuu chose (2)

ハイウェイ 睡魔 それを覚ます方法 ハイウェイの最悪事態はなにも事件がおきないということ。クルマで走って走って、走り続けているうちに、放心状態に陥いっていく。なにも注意する必要がなさそうなのでつい気を許してしまう。 こんな----事故のない時こそ…

(505)Best 10 ads of Mobil that chuukyuu chose (1)

こんどの連休、どこでお過ごしに? 23,000人の方はここでお過ごしになるかも。この連休、くれぐれも安全運転を。 モービル あなたに生きていていただきたい。 Where are you spending the Holiday? 23,000 drivers and passengers will spend it here. Drive…

(504)Best 10 ads of Avis Rent Car that chuukyuu chose (2)

1966年5月に来日したバーンバックさんは、10日の日経ホールでのスピーチで、エイビス・レンタカーのキャンペーンの1コマをスライド映写し、次の解説を付した。 「自分自身に不利なこと、表面的にはマイナスになるように感じられることでも、それによって信憑…

(503)Best 10 ads of Avis Rent A Carl that chuukyuu chose (1)

エイビス・キャンペーンを記録的成功にみちびいたチームの一人---アートディレクターのヘルムート・クローン氏は、6年後の『DDB NEWS』1968年9月号の表紙で、もう一つの大成功キャンぺーン事例---VWビートルのそれと視覚面での差違をたった1枚の写…

(502)Best 10 ads of Chivas Reagal that chuukyuu chose (2)

11月20日(予定)の、東京コピーライタークラブでのスピーチの草稿データのつづきです。シーヴァスはこれでおしまい。明日はエイビス・レンタカー、つづいてモービルの安全運転キャンペーン。VWビートルはとうぜんとして、ベター・ヴィジョンを入れるか…

(501)Best 10 ads of Chivas Reagal that chuukyuu chose (1)

11月20日(金曜日)夕刻6時だか7時からだか、東京コピーライターズクラブで、[1960s〜70sのクリエイティブ革命はなんだったのか]とでも題したスピーチをする予定です。そのとき、ディスプレイに映す5つばかりのキャンペーンの画像を、試作していま…

(501)ライターは安易に妥協しては駄目 ジョージ・グリビン(了)

東京コピーライターズクラブ訳/編『5人の広告作家』(誠文堂新光社 1966.3.25)からヤング&ルビカムの社長だったジョージ・グリビン氏のインタヴューの翻訳は、毎回記載したように、秦 順士さんをわずらわせました。そして、Y&R社の広告哲学の解説は、近…

(500)ライターは安易に妥協しては駄目 ジョージ・グリビン(7)

"as" "like" 論争は、1950年代から、マジソン街をにぎわせていた、いつの世にもいる、制止的な原則論者と、浮動的な現実主義者の水かけ論でした。ニューヨークに滞在していて、コピーライターに会うと、さも天下の一大事のように、「どう思う?」と問い…

(499)ライターは安易に妥協しては駄目 ジョージ・グリビン(6)

お読みになった方も多いとおもいますが、atsushi さんが米国(ニューヨーク)のコピーライターの「名誉の殿堂入り」調べて、10月11日のコメント欄にあげてくださったので、転載します。 バーネット氏の1961年が第1回となります。 The One Clubの "Creati…

(498)ライターは安易に妥協しては駄目 ジョージ・グリビン(5)

このジョージ・グリビン氏のインタヴュー記事の解説ページを書いてくださったのは、当時(1966)に電通のコピー局長だった近藤 朔さんでした。その後、「コンちゃん」または「サクさん」はTCCの会長を引きうけられました。それから40年ちかくの歳月がたち…

(497)ライターは安易に妥協しては駄目 ジョージ・グリビン(4)

梅田望夫さん『ウェブ進化論』(ちくま新書) 2006年2月10日に第1刷が発売されています。ぼくが持っているのはその初刷です。新聞広告を見た日に、水道橋ぎわにあった旭屋書店で求めました。翌日が静岡の[鬼平クラス]の講義日だったので、新幹線の往復で…

(496)ライターは安易に妥協しては駄目 ジョージ・グリビン(3)

人には、だれだって、クセがあります。人に迷惑をおよぼさないクセ、嫌われるクセ。このブログに関してのぼくのクセの一つは、[・]でなく、でなければ、見た目に間が抜けて見えると信じていること。つまり、半角の中グロでなければ日本語として美しくない…

(495)ライターは安易に妥協しては駄目 ジョージ・グリビン(2)

20代の中ごろでした。ジェームス・W・ヤング氏『アイデアの作り方』という濃いブルーの表紙のB6サイズの小冊子をリーダーズ・ダイジェスト社からいただきました。主題について思いついたことを5×3カードに書きとめ、それがアイデアに孵化するまでの経過…

(494)ライターは安易に妥協しては駄目 ジョージ・グリビン(1)

5人のコピーライターは、ニューヨーク・ライターズ・アソシエイション(NYコピーライターズ協会)から「名誉の殿堂入り」の指名をうけた大物たちです。それぞれが何年に指名されたのか、また年に何人指名されるのかは調べていません。44年前、突然、5人…

(493)リーブスとUSP(下) 上野壮夫

きのう、上野壮夫・TCC初代会長が解説に引いていらっしゃったマーチン・メイヤー『これが広告だ』を捜しに資料庫へ入ったら、お目当ての本はなくて、クロード・ホプキンス『科学的広告法』(初版1923 再販1952 訳:坂本 登 誠文堂新光社 1966.10.5 580円) が見つ…

(492)リーブスとUSP(上) 上野壮夫

きのうまで、10回にわたってロッサー・リーブス氏のインタヴュー(訳・岡田 耕氏)をアップしました。あれが東京コピーライターズクラブの中の小グループの一つ---AWAの会の卓越した仕事であったことは、こうしてウェッブにあげてみるとよくわかります。…

(491)ロッサー・リーブス、広告の不変の原則(了)

atsushi さんに教えられた英文の Wikipedia によると、ロッサー・リーブス氏は55歳でテッド・ベイツ社を退(ひ)いたらしい。 http://en.wikipedia.org/wiki/Rosser_Reeveこんな記述が目にとまりました。「1960年代に、リーブスのテクニックは、失敗し始めた…

(490)ロッサー・リーブス、広告の不変の原則(9)

東京コピーライターズクラブ訳/編『5人の広告作家』(誠文堂新光社 1966.3.25)のうち、ジョージ・グリビン氏が残っています。訳者は秦 順士さん(電通・コピーライター)ということは覚えていました。ただ、AWAの会のメンバーではなかった。それで、あること…

(491)ロッサー・リーブス、広告の不変の原則(8)

資料庫に入りました。「ありました!」 ロッサー・リーブス著『宣伝術』(箕浦弘二訳 新潮社 1963.11.20 390円)原題 "Reality in Advertising 1961" 箕浦氏訳「宣伝広告の真相」。電通が社内資料として試訳したときは「広告における真実」。元原稿は1960年にテ…

(490)ロッサー・リーブス、広告の不変の原則(7)

ロッサー・リーブス氏『宣伝術』(新潮社)---書庫のどこかにしまいこんだか、多摩美大の図書館に寄贈したか、記憶がさだかでありません。静岡・SBS学苑での定例[鬼平クラス]での講義も昨日済ませたので、今日は書庫探しをしてみよう。どなたかが、「これでし…

(489)ロッサー・リーブス、広告の不変の原則(6)

旧知の小玉 武(元サントリー広報部長)さんから大著[『洋酒天国』とその時代](筑摩書房 2007.5.30 2400+税)をいただいた。第4刷(2008.4.20)だから、多くの人が読んでいることを想像、とりあえず---といっては小玉さんに失礼だけど、電話で「記述に遺…

(488)ロッサー・リーブス、広告の不変の原則(5)

リーブス氏のインタヴューは、7日か8日までつづく見込みです。 そのあと2日間ほど、東京コピーライターズクラブの初代会長・上野壮夫さんが筆をとられた、リーブス氏の広告論の解説を予定しています。上野元会長のお嬢さんの転載許可をいただきました。 …

(487)ロッサー・リーブス、広告の不変の原則(4)

ロッサー・リーブス氏=右端 『5人の広告作家』表紙カヴァー 装丁=坂野 豊 ★ ★ ★ 問 これらは、ほとんど無意識のテクニックであり、直感的なものとおっしゃるのですか? リーブス とんでもない。 さっき私はミスディレクショソの広告の例をいいました。 私は…