創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

An interview with Mr.Edward McCabe (2)

Mr.Edward McCabeScali, McCabe, Sloves Inc. Vice-President, Copy Director interviewed in 1968 chuukyuu Is it a recent fashion that a talented copywriter gets together with a talented art director and they open up their own agency like you d…

(314) ボルボの広告(8)

ボルボの広告キャンペーンを読んでいてつい歎声を発するのは、「へえ。日本車に採用されている、あれもあれも、最初にボルボが考えて実現したものなか」ということ。こうして広告でアナウンスしておいてくれると、追随者が、さも自慢げに広告で言えば言うほ…

An interview with Mr.Edward McCabe (1)

Mr.Edward McCabe Scali, McCabe, Sloves Inc. Vice-President, Copy Director interviewed in 1968 chuukyuu When was it that you established this agency? Mr.McCabe We started it on May 1st of 1967. chuukyuu How and when did you, Mr. Scali and M…

(314) ボルボの広告(7)

1967年10月、「ボルボ」という車を取材するためにスウェーデンのイェーテボイ市にあるボルボ本社を訪ねました。その時、広告部長のラグナール・スベンソン氏から、米国ボルボ杜の広告代理店がカール・アリー社からスカリ・マケイブ・スローブス社へ変わったこと…

(312) ボルボの広告(6)

きょうも、拙旧著『ボルボ ---スウェーデンの雪と悪路が生んだ名車』(ブレーンブックス 1968.7.20)の引用が中心です。広告のクリエイティブというものは、参加した人の動機の高低により、結果はどのようにも変わっていく---ということの一つの例証だとおもっ…

(311) ボルボの広告(5)

40年前に出した拙著『ボルボ--スウェーデンの雪と悪路が生んだ名車』(ブレーンブックス)を引きながら、車の本質についてあれこれ、考えています。 第1回目(2008.10.24)に「程度のいい中古のフォルクスワーゲンをお捜しなら、ボルボのディーラーへお越し…

(310) ボルボの広告(4)

2つの媒体---『日米コピーサービス』[ボルボ特集号]でのおしゃべりと、取材ものの拙著『ボルボ---スウェデンの雪と悪路が生んだ名車』(ブレーンブックス 1968.7.20)---。 2つの時間---ボルボ社の誕生時(1924年)のエビソードと、米国ボルボ社による19…

(309) ボルボの広告(3)

コマギレのブログ日記で、2つの媒体、2つの時間、2つの広告代理店がつくった広告を、要領よく解説するのは、きわめて困難な作業だということがわかりました。ブログの使いこなしに挑戦する羽目になろうとは---トホホ。 第1章 ガブリエルソンの30年間 2人の男…

(308) ボルボの広告(2)

40年前(1968)に上梓した『ボルボ---スウェーデンの雪と悪路が生んだ名車---』(ブレーンブックス)のホコリを払ってアップしています。そんな時代ものが、いまさら、なんの---とお思いになるかもしれません。しかし、歴史は歴史です。信念は信念。ボルボ…

『ボルボ』目次

『ボルボ〜スウェーデンの雪と悪路が生んだ名車』 誠文堂新光社 ブレーンブックス 昭和43年7月20日発行 序に代えて 蛮人と弓 第1章 ガブリエルソンの30年間 2人の男が出合ってから--- 1924年6月 自動車気ちがい 可能性を読む 工業国スウェーデン 寒さが品質…

(307) ボルボの広告(1)

先日、書庫を整理していたら、『日米コピーサービス』299号('76年6月10日)[特集VOLVO]がでてきた。ぼくは6月9日生まれだから、35年前---43歳になった翌日の号で、ずいぶん、生意気な口をたたいていた。いまなら、もっと謙虚なはずだが---…

(306) [クリエイティブの核心](まとめ) by Bill Bernbach

当ブログに、10回にわたって分載した、4A(A.A.A.A.の略称 米国広告代理店協会の頭文字)1971年の年次総会でのビル・バ−ンパック(DDB社長)の「クリエイティビティの四つの鍛錬の定義」との副題のついたスピーチを『アド・エイジ』誌の編集…

(305) [クリエイティブの核心](10) by Bill Bernbach

パーンバックさんの4Aでのスピーチは、これでおしまいです。10回に分載したのは、1日に1項ずつ、6分間ほど、考察できたらいいと思ったからです。それと、スピーチの裏づけを広告作品で検証していただくためでした。 あす、鍛錬のまとめを掲載します。…

(304) [クリエイティブの核心](9) by Bill Bernbach

「おや、シーヴァスの広告スタイルが変わったね。アートディレクターが替わったのかね?」疑問は正しいです。1977年に、Charles Abrams に替わったようです。しかし、シーグラム酒造社がDDBのアカウントになった当初の数年間は、瓶が主役のスタイルで…

(303) [クリエイティブの核心](8) by Bill Bernbach

バーンバックさんのすばらしい、含蓄に富んだスピーチも、あと2日で終わります。ぼくの記憶では、あと1件、来日して、日本経済新聞社のホールでおこなわれたのがあります。『日経広告手帳』に収録されていましたから、いつか、許諾がとれたら、転載させて…

(302) [クリエイティブの核心](7) by Bill Bernbach

きょうのバーンバックさんの提案こそが、このブログのコア(核心)を衝いている。ノーベル賞さわぎは一段落したが、マスコミは、受賞者の個人的努力とか外面的な人柄は伝えたが、あの人たちが置かれたクリエイティブな環境(組織の雰囲気、クリエイティブを…

(301) [クリエイティブの核心](6) by Bill Bernbach

なん度目のニューヨーク訪問のときだったろう? (40年前の前後、春・秋、毎年2度ずつ、DDBへ取材に行っていた。誰から頼まれたわけではなく、全部自費で。それで、パーカー夫妻と親しくなった。夫人のローリさんは、DDBのコピー部の副社長。さて、その年…

(300) [クリエイティブの核心](5) by Bill Bernbach

引用は、レン・シローイッツ氏によるアート・ディレクティングの、西部の地方ビールの広告。米国ではご存じのように酒類のCMは、飲むシーンは禁じられている。日本では、女性がゴクゴクと喉を通過させてニッコリ---笑顔の違いで味のわずかな差を訴えているか…

(299) [クリエイティブの核心](4) by Bill Bernbach

今日の引例図版も、アートディレクターはヘルムート・クローン氏。DDBのクリエイティブ・チームは、コピーライターとアートディレクターのペアが責任を持つ。2人は、コピー=アート・セッションと呼ばれている自由対話によって、高みに達し、アイデアを結晶…

(298) [クリエイティブの核心](3) by Bill Bernbach

引用の広告図版は、1973年---つまり、35年前の石油ショックの時のものである。『トゥルー True』誌11月号に掲載されていた。端正なビートルの写真に語られせるVW独特のスタイルから、マンガ調のイラストレイションにしている。「もう、端正になんか気取って…

(297) [クリエイティブの核心](2) by Bill Bernbach

いま、午前2時37分。下記の図版・訳文・原文など、1時45分に起床し、昨夜のうちに入力し終えていたものをアップした。Scotts社のこのシリーズのアートディレクターは、これまで、このブログで紹介したVWビートル、エイビス・レンタカー、アウディFO…

(296) [クリエイティブの核心](1) by Bill Bernbach

ホワイト・サルファー・スプリングスで開かれたAAAA(全米広告代理業協会)の 1971年年次総会で、DDBのウィリアム・バーンバック社長がおこなったスピーチの要旨です。(かつての『ブレーン』誌・坂本登 編集長:訳) (chuukyuu補)スピーチに入る前に、この…

[効果的なコピー作法 ( 3-5)

まず、最初にお断りしておきます。きょうの引例広告は、46年前のものです。〔スコッティ〕などというティッシュ・ペーパーが、米国で出回りはじめた時期だったということを頭に置いてからお読みください。50歳以下のお若い方には、想像もつかないでしょ…

[効果的なコピー作法 ( 3-4)

なんどもお断りしていますが、『効果的なコピー作法』はぼくが32歳のとき、しかも日本デザインセンターに、コピー・チーフとして在職していた時期に書いたものです。そのころの日本デザインセンターには、田中一光さんをはじめととする錚々たるアートディレク…

[効果的なコピー作法 ( 3-3)

このブログは、昨年1月下旬に立ち上げて、ある週を除いて1日も休まずにつづけてきています。積み重ねると、その情報量は、単行本20冊を越えるでしょう。自分でもよく続いたと、あきれています。78歳の老眼・老骨なので、アップに要する時間は1日4〜…

[効果的なコピー作法](3-2)

もう、50年も前のことです。学校をでたてで、関西の家電メーカーでコピーライターということになりました。文章を書くことは好きで、谷沢永一さんの主導で、故・開高健くんや故・向井敏くんなどと同人雑誌『えんぴつ』をやっていました。しかし、文学青年…

[効果的なコピー作法](3-1)

覚えていらっしゃる方もあろうかと---定年を期に、広告関係の書籍やVTRを、38年間、時間講師として勝手気ままにお世話になっていた多摩美術大学の図書館へ寄贈して、広告とは縁を切るつもりでいました。ところが、先日はDDBの傑作CMのVTRが書庫の片隅か…

[効果的なコピー作法](番外)

もう、半世紀近くも前になるかなあ、昭和37年(1962)のある日、誠文堂新光社が刊行をはじめたばかりの月刊誌『ブレーン』編集部の東谷(あずまや)昇氏がたまたま日本デザインセンターの山城ルームにふらりとやってきたのです。山城隆一さんに依頼ごとがあ…

(295) [シーヴァス・リーガルの広告](6)

ほんの数日前、アクセスしてくださった方の延べ人数が5万をこえました。このブログを立ち上げたのが去年の1月下旬でしたから、1年と9ヶ月半ほど---650日たらずです。この数字が多いのか少ないのかはしりません。タレントもののブログではないから、ブ…

(294)[シーヴァス・リーガルの広告](5)

感心した制作物を自分流に翻案したい---という意欲は、志が高ければ高い人ほど、絶えることなく湧きます。クリエイティブの手法の一つでもありますしね。DDBのような、仲間同士で競い合い高めあう雰囲気の場所だとなおさら。とりわけ目標になるのが、VW…