創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(502)Best 10 ads of Chivas Reagal that chuukyuu chose (2)

11月20日(予定)の、東京コピーライタークラブでのスピーチの草稿データのつづきです。シーヴァスはこれでおしまい。明日はエイビス・レンタカー、つづいてモービルの安全運転キャンペーン。VWビートルはとうぜんとして、ベター・ヴィジョンを入れるか、それともオリンにするか、あるいはコロンビア・コーヒーか、ソニーか。
ところで、TCCの有志の方々に当日ご覧に入れるだけでいいのか、CDに焼いておいて、持ち帰っていただき、社内とかクライアントにも観てもらって参考資料として使ってもらえるなら、CDを有料で準備するか。1000円ほどの実費なら、払ってもらえるか。希望者は何人くらいだろう?


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ボトルのせいで、人びとはシーヴァス・リーガルを買う。そう思われるのでしたら、これを売ってみてください。


art director : Jim Scalfone
copywreiter: Larry Sillan


"New Yorker" March 15, 1969

お金持ちのスコッチ
(でも、シーヴァス・リーガルは普通のスコッチよりそれほど高いわけではありません)

"Harper's Bazaar Octover 1977


シーヴァスが減ってくるにつれて、
気前のよさも減っていきませんか?



1972.11.11 『ニューヨーカー』


他のスコッチより栓を開けにくいように
思えるのは、
他のスコッチよりきつく栓をしめている
からなんでしょうな。


1970.2.14 『ニューヨーカー』


シーヴァス・リーガルでもてなす時には、急に
氷の大盤振るまいなりませんか?


1969.4.19 『ニューヨーカー』


ここんところ毎年、贈られたネクタイをお義理で締めてはいる。
だけど、本音(ほんね)は---ね。


1970.6.6 『ニューヨーカー』



シーヴァス・リーガルの会長は、6年目についにこの広告を出してもらえることになりました。 


「シーヴァスには柱脚つき台座がふさわしい」彼(会長)は私たち(DDB)に憶えきれないほど何回も説いてきました。
「そんな広告は古くさいもいいとこだ」 私たちは彼に数えきれないほどそう説明してきました。
「どこが古くさい?」 会長はいつもこう訊き返したものです。「シーヴァス・リーガルは世界最高級のスコッチだ。台座に合うスコッチは、シーヴァスをおいて、ほかにないはずだ」
「それはそうです」と私たちの返事はお定まり。しかし、台座に載せただけでは、世界最高級のスコッチだと人びとを説得させられない。そんなのはどんなスコッチにだってできる」
「わかった」会長の返事はいつもこう。「広告は君らが専門家なんだから」


何年もこんなことのくり返しでした。でも、数か月前、仕方がない、一度会長のやりたいように写真を撮らせて、私たちが言ってる意味をわかってもらうよりないということになりました。
そう、やってみると、この写真は、私たちにもあることを教えてくれました。
台座に置かれたシーヴァス・リーガルは幾分古めかしく見えます。
しかし、ほかのスコッチがこれをやっていたら、きっと平凡で陳腐なもののように写ったに違いないのです。


Oct.21, 1977 "New Yorker"

art directoe: Bert Steinhauser
copy Mike Mangarno


DDBによるシーヴァス・リーガルの広告を(左から右へ、上から下へ)年代順に並べました。
(画像を「クリック」すると拡大します)


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