創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

What it's like to work at Doyle Dane Bernbach (7)

Speaker: by Mrs.Lore Parker Vice President & Copy-Supervisor, DDB(1966) While we are on the subject of what kind of people we are, you might be interested to know a little bit of my own history. I am one of those strange types I mentioned …

(493)パーカー夫人のスピーチ(了)

パーカー夫人のポートレイトを変えました。ぼくはパーカー夫人の年齢を気にしたことはなかった。 ポートレイトは、彼女がDDBで Senior Vice President に昇進したことを報じた『DDB News』1974年8月号に載っていたものです。 Senior Vice President…

What it's like to work at Doyle Dane Bernbach (6)

Speaker: by Mrs.Lore Parker Vice President & Copy-Supervisor, DDB(1966) Now I must tell you what I think is one of Bill Bernbach's most significant ちchievement. The agency is now 17 years old --- has grown from 1/2 million to 180 million …

(492)パーカー夫人のスピーチ(6)

パーカー家は、マンハッタンのハドソン川側---コロンビア大学のキャンパスに近いマンションに住んでいる。 子どもはいない。部屋をととのえることと料理と外国旅行が夫人の趣味なので、いつ訪問してもきれいに片付いている。いわゆる、賢い主婦のいる家のよ…

What it's like to work at Doyle Dane Bernbach (5)

Speaker: by Mrs.Lore Parker Vice President & Copy-Supervisor, DDB(1966) Now I am sure you are most interested to know how Bill Bernbaoh enters into this creative process. Two things never cease to amaze me. One is that, with over 60 accoun…

(491)パーカー夫人のスピーチ(5)

パーカー夫人がバーンバックさんのことを語るときの口調は、まるで娘が自分の父親自慢をしているようです。いえ、この感触は、パーカー夫人にかぎったことではありません。 男性クリエイターたちも、そうなのです。兄とか、叔父とかの扱いで語ります。その信…

What it's like to work at Doyle Dane Bernbach (4)

Speaker: by Mrs.Lore Parker Vice President & Copy-Supervisor, DDB(1966) How you may ask how much does the Account Man have to say? Can he turn down a campaign Yes, he can, if the campaign does not hit the marketing objective for the produc…

(490)パーカー夫人のスピーチ(4)

手持ちの『DDB News』10年分ほどの中で、編集部は2度同じ企画をしている。「戻って来てほんとによかった」---つまり、給料の不満とかポストの向上とかの理由でDDBを辞め、別の代理店へ転出したものの、やっぱり、DDBのクリエイティブの自由(?)と…

What it's like to work at Doyle Dane Bernbach (3)

Speaker: by Mrs.Lore Parker Vice President & Copy-Supervisor, DDB(1966) Now, having soaked up information like two sponges, the an art director and copywriter sit down together to create campaign. They usually do their thinking in the art …

(489)パーカー夫人のスピーチ(3)

1960年から80年にかけての20年間におよぶぼくのDDB取材は、この人がいらっしゃったからつづけられたのだと、いま、つくづく、幸運をかみしめています。 先日のブログにも書きましたが、DDBのクリエイターたちをごっそりと招いての大ホーム・パ…

What it's like to work at Doyle Dane Bernbach (2)

Speaker: by Mrs Lore Parker Vice President & Copy-Supervisor, DDB(1966) The account assignments are quite democratic. An Art Supervisor V.P. may work with a plain copywriter. Or an Associate Copy Chief with a simple Art Director. All that …

(488)パーカー夫人のスピーチ(2)

DDBのクリエイティビティの秘密(2) 講演者:ローリー・パーカー夫人 DDB 副社長兼 コピー・スーパバイザー(1966年当時) クリエティブ・チームとアカウント アカウントの割当は、非常に民主的な方法で行なわれます。 副社長の肩書きをもっているアート…

What it's like to work at Doyle Dane Bernbach (1)

Speaker: by Mrs. Lore Parker Vice President & Copy-Supervisor, DDB (Oct.15,1966) Thank you all for honoring me with your presence. I am sure many of you heard a Bill Bernbach, when he was here a few months ago, tell you about the philosoph…

(487)パーカー夫人のスピーチ(1)

1966年晩秋、パーカー夫妻が恒例の休暇旅行先を日本に決めたとの私信を受け取りました。日本は2度目です。前回は九州だけだったが、今度は東京も旅程に入っていました。 早速、コピー十日会(東京コピーライターズクラブの前身)で親しくしていただいていた…

(486)シーヴァス・リーガルの広告(33)

シーヴァス・リーガル・シリーズを、これにて、とりあえず、終了します。じつは、まだ、10点ばかり、残しており、さらに『ニューヨーカー・アーカイブ』からいくつか発掘されるとはおもいます。貯まったら、第3次シーヴァス篇ということでアップしましょう。…

(485)シーヴァス・リーガルの広告(32)

リーガル(王侯)と名づけられたスコッチ---〔シーヴァス・リーガル〕の米国の高級クラス・マガジンで展開されたキャンペーンを、ほぼ1ヶ月にわたって、ほとんどをカラーで掲載してきました。1963年に米国でキャンペーンが始まってからの約70点---16,…

(484)シーヴァス・リーガルの広告(31)

新聞の記事によると、ウィスキーをたしなむ若い世代が少しずつ増えつつあるのだそうですね。日本では焼酎に席を奪われていたんだと、友人が教えてくれました。米国ではホーム・パーティでの酒はワインが主流になっているのかなあ。 ともあれ、シーヴァスの口…

(483)シーヴァス・リーガルの広告(30)

khalki さんに[ニョーヨーカー・アーカイブ]を教わったので、ほとんどの広告に『ニューヨーカー』誌に掲載された号(時期)が特定できるようにようになり、このシリーズの資料性が高まりました。いつかご紹介した『DDB NEWS』のバックナンバー で、…

(482)シーヴァス・リーガルの広告(29)

3,4日前に、40年前の1969年5月に来日したDDBのバーンバックさんが、日経ホールで行ったスピーチが載った『日経広告手帳』5月15日号を探していると書いたところ、転載はともかくとして、現物のコピーは、オフィスの柴野雅一くんと佐藤真衣さんの…

(481)シーヴァス・リーガルの広告(28)

ギフト(gift)とプレゼント(present)は、どう使いわけるのか、いまだに知りません。前者は多くの人たちの定例的な行為、後者は個人的な心情のこもった贈りもの---と分けているのは、ぼくだけなんかなあ。「愛と恐怖の贈り物」---「愛」にはプレゼント、「…

(480)シーヴァス・リーガルの広告(27)

キャンペーンの立ち上がりの2〜3年は、シーヴァスの”ライト”な由縁(わけ)を、たくさんの言葉を使って、繰り返し、繰り返し、述べていました。いわゆる、DDB風の説得広告でした。 数年で、ヘッドラインだけで言い尽くす広告に変わりました。一つの広告…

(479)シーヴァス・リーガルの広告(26)

【連載予告】いま、ワクワクしながら、日に2時間をある仕事にわりふっています。 その仕事とは、40数年前、ぼくをマンハッタンで、DDBのバーンバックさんに引きあわせ、ぼくのために盛大なホーム・パーティを2回もひらき、DDBの主要クリエイターた…

(478)シーヴァス・リーガルの広告(25)

「なになにの日」が増えつつあるようにおもいます。素の日が見えなくなるほどに増やされているのではないでしょうか。一方的に命名されただけの、業界にとっては記念日であっても、われわれには祝意がまったく湧かない「なんとかの日」も少なくはありません…

(477)シーヴァス・リーガルの広告(24)

このところ、海外へ行くチャンスが薄くなっています。まあ、その分、2つのブログを毎日書きつづけていられるのですが。もう一つのブログは、2年半ほど前に立ち上げた当ブログより、2年ほど先にスタートしましたかね。鬼平こと---長谷川平蔵に関する史実と…

(476)シーヴァス・リーガルの広告(23)

[リッチ・パースン気分]---そうさせてくれるものを[ステイタス・シンボル]と呼んだ時期がありました。 7日に掲示した33年前の広告では、ロールス、ヨット、金張りの腕時計、宝飾店銘柄のペンがあげられていました。いまなら、そんなモノにこだわらない人…

(475)シーヴァス・リーガルの広告(22)

キャンペーンが始まって、上は10年目、下は13年目に掲載されたものです。すでに、一定数の断固としたシーヴァス・ファンを広告が作っていたようにおもいます。もちろん販売実績も年々、上がってきていたようです。というのは、広告費が年々増えています。『ニ…

(474)シーヴァス・リーガルの広告(21)

このブログを立ちあげて、1日も休まず、2年と6ヶ月になろうとしています。 いろんな業種の広告を紹介してきました。 ただ、いまやっているシーヴァス・リーガルの広告キャンペーンは、これまでのものとは異なります。もちろん、伝達の達者さ、笑いの良質さ…

トミ・アンゲラーの視覚化

この5月18日(←クリック)にアップしたトミ・アンゲラーの視覚化のみごとさを、さらにサンプルを増やして解説。 (掲載誌は『ニューヨーカー』) もちろん、拙編の『トミの作品集』も回覧ずみ。 なぜ、ニューヨーク・タイムズ紙の記者は頂上をめざすのでしょ…

(473)シーヴァス・リーガルの広告(20)

シーヴァス・リーガル(シーグラム社)が広告の扱いをDDBに移したのは、1961年末。キャンペーンが始まったのは、翌年からのようです(米国のアカウントの移動だと、新規に請けたところは、ふつう、キャンペーン開始準備に3ヶ月をあてます)。 DDBへV…

(472)シーヴァス・リーガルの広告(19)

シーヴァス・リーガルのシリーズを眺めていて、不思議に思うことがあります。 今日の、2ヶ目の広告「ラベルにこんな文字が記されているからという理由だけだったら----」の「$」の上方に、ライオンとユニコーン(一角獣)の白馬が英国女王(または王)の楯…