創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

(118)ソニーテレビの広告(21)

国情の違い、というのがあります。時代の差、もあり、野球対バスケかも。でもまあ、ヨーロッパ系モデルで少数派の設定---。 サッカー・ファンのソニー The Sony for Soccer Fans When your taste runs to the unusual you shouldn't share a TV set. You sho…

(117)ソニーテレビの広告(20)

思わずヒザを打つ、その前に先ず、あたりを見回し、見ている者がいないことを確かめてから、打ちましょう---書かれていることがホンネで、真に共感・納得したとしても。ただ、読んだことに共感したと、口外してはいけません。口外すると口害を呼びこみかねま…

(116)ソニーテレビの広告(19)

広告のクリエイターは自分の体験を大切にしよう---とすすめたのはDDBで数々の名作を創ったコピー・チーフのフィリス・ロビンソン夫人(インタヴュー参照)。かの傑作TVCM[動物園](YouTube参照)もひとり娘と夫の共演で生まれた。いたずらがすぎて晩御飯を…

(115)ソニーテレビの広告(18)

あなたも、だんだんに理解してきましたね。世の中には、天邪鬼(あまのじゃく)と称される種族がいて、右といえば左を向き、楽しい場では泣いてみせる---。悪意があるわけじゃなく、人生に厚みと彩りをもたらしている種族だということが。ま、いってみれば、…

(114)ソニーテレビの広告(17)

現代人は疲れているか?---35年前もそうだったか?---この写真は真実を伝えていたか? 美人ニッコリは人生の真実か? 人は、自己弁解をする動物ではないのか? 「忙しすぎるんだよね」 「夜はつきあいの呑み会があるし」 「テレビも見ないと流行に遅れるし」…

(113)ソニーテレビの広告(16)

〔釘づけ〕とか〔金(かな)しばり〕なんて表現がある。その状態を日常のものを使って視覚化するとしたら? その一つが床屋の椅子、それとテレビの前---落語のオチみたいなクリエイティビティ。38年前のことです。そうそう、サン・セット・シリーズの8インチ…

(114)ソニーテレビの広告(15)

ヌーディストをあしらったこの広告の受難と功績を拙著『売る』(日本経済新聞社 1971.3.10 絶版)に書いている。サン・セットという愛称の移動型テレビのものであることは、当ブログの常連の方はすでにご存じ。事件は1967年に起きた。この広告の掲載を『ニュ…

(113)ソニーテレビの広告(14)

割り込みです。 昨日、ご紹介した拙著『売る』(日本経済新聞社 1971.3.10刊 絶版) の「新しい生活習慣を売る」の項に、「ソニーテレビは寝室テレビ?」という文章ブロックがあったので、広告企画の実例として引用します。 とにかく、ソニーはラッキーにも…

(112)ソニーテレビの広告(13)

この回も8インチのサン・セット。 ところで、拙著『売る』(日本経済新聞社 1971.3.10刊 絶版)の「新しい生活習慣を売る」の項に、こんなことを書いていた。 米国ソニーの最高責任者であった盛田昭夫副社長が直々に広告代理店としてDDBを選んだ。1963年のこ…

(111)ソニーテレビの広告(12)

40年前、米国でも一家に2台のテレビとか、個人ごとにテレビ---なんて考えもしなかった時代の、目を見はるように新しい提案だった。クロンカイト氏(Walter Cronkite)は当代一流の解説者、ダフィーは大人気のマンガ・キャラ---それと並んだソニーも、テレビ・…

(110)ソニーテレビの広告(11)

ソニー・サン・セットの掲載順を推定した昨日のコンテンツのコメント欄に、「日向、夕暮れ、陽光あび、密室、夜---ときたつぎに、あなたがつくるとしたら---?」と書いておいた。書き込みゼロ! 考えるベースは、サン・セットのプロスペクト(見込み客)であ…

(109)ソニーテレビの広告(10)

いまは、液晶とかプラズマで、画面の大きさを競っています。デジタル大画面で観るにたるだけの番組とCMをつくってほしいものです。40年前は、テレビを小さくすることが課題でした。そう、腕時計ほどの大きさに。ケイタイのいまからみると、ウソみたいな話で…

(108)ソニーテレビの広告(9)

もしかしたら、サン・セットTVの広告の掲出順序を間違えていたのかもしれない。つい、興味を惹く絵柄を、とおもったもので---。これが最初のほうかも。もっとも、ほんとうのトップ・バッターは明日掲出しますが。その時、これまでのサン・セットTVの広告を出…

(107)ソニーテレビの広告(8)

DDBのソニーであれ、VWビートルであれ、広告のタブー破りに、あえて挑戦することを楽しんでいるように感じる。もちろん、クライアントも同じように話題になることを楽しんくれないと、成功はおぼつかない。この広告は”サン・セット”という陽光の下でも画像が…

(106)ソニーテレビの広告(7)

DDBによるソニーのマイクロ・テレビの広告は、すでに5,6点掲出している。ところが、広くもない倉庫の隅から、すっかり忘れていた12,3点がでてきた。いまは液晶の大型画面がウリだが、40年ほど前、DDBのスゴ腕たちは、テレビの楽しい見方を独創していた。〔塀…

(260)バーンバックさんの最初のエッセイ

DDBの創業者ビル・バーンバックさんを日本に最初に紹介したのは、大阪の松本善之助さんだったとおもう。松本さんは、道修町の某薬品大メーカーの広告部出身で、定年後の仕事として、米国の広告専門誌『プリンターズ・インク』の翻訳紹介誌『広告と販売』を発行…

(105)フォルクスワーゲン・トラックの広告(4)

一見、「なんだろう」という写真だが、載っけているのが、ヘッドライン(見出し)の「1,600ポンド」---ほかの半トン・トラックが必ず装備している「フレーム(台枠)」「ドライブシャフト(駆動軸)」「ラジエータ」「フード(前部ボンネット)」とわかると…

(104)フォルクスワーゲン・トラックの広告(3)

「なんだろう?」と思わせるのを、広告では、attention getter という。しかし、訴えようとしている製品、サーヴィスから離れたところから導くのは、トリックと呼ぶ。このVWトラックは、正攻法の「なんだろう?」とおもわせる写真なので、へッドライン(見出…

(103)フォルクスワーゲン・トラックの広告(2)

今日から3回、トラックの広告を紹介します。ステーション・ワゴンの基礎に、トラック仕様をの載せたもののようです。そうそう、すでに2008年4月23日に、ついでの形で紹介しています。 商売がうまくない時にこそ、威力を発揮します。 このトラックは、あなた…

(102)フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンの広告(28)

5月10日のDMにつづいてステーション・ワゴンの性格づけ。こちらはDDBロサンジェルス支社のクリエイティブ・チームがつくったロード・サイン(街路大型ポースター)。多分、写真はNY本社がDM用にでも撮影したものの転用と推察。

(101)フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンの広告(27)

この広告もカラーです(カラーの分の見方は下記の【おすすめ】に)---。2つばかりの内輪ばなしを。”Mrs.Wells”は、あの、メリー・ウェルズさんが、まだDDB在職中だったことを思い出してください。2つは、ボディ・コピーの組み---達人ヘルムート・クローン氏…

(100)フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンの広告(26)

[息抜きタイム]がついに100回! 「ほう、その手があったか!」「やるもんだね!」と軽く受け取っておくのだが、いつしか躰のすみずみの血行に効いている---ヴィタミンEみたいなコーナーのつもりでやってきました。今回はVWステーション・ワゴンのDM(ダイレ…

(99)フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンの広告(25)

天才的アートディレクター・ジョージ・ロイス氏の若いころ---DDB在職時の作品を紹介しています。きょうのこれも、カラー写真なんですが、オリジナルが行方不明なので、モノクロです。同じ写真がダイレクト・メールにも転用されています。DMのほうにはさらに…

(98)フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンの広告(24)

米国VW社のアカウントがDDBに入ってきた時、セダンのクリエイティブ・チームはアートディレクターがヘルムート・クローン氏、コピーライターがジュリアン・ケーニグ氏ほか、ステーション・ワゴンのチームのアートディレクターには若手のジョージ・ロイス氏が…

(97)フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンの広告(23)

初期も初期に創られたステーション・ワゴンのもの。ロバート・ゲイジ氏の秘書A・ラーマンさんが送ってくれたクレジットには、クリエイティブ・チームにはM・ヤコブス氏(多分、アートディレクター)だけが書かれている。写真家はW・ペイン氏。推察だが、セー…

(96)フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンの広告(22)

「一日一善」という。"One day, one ad." ---「1日1広告」の作業を1日も欠かさずにつづけ、500日が間近い。「一日一善」になっていればいいのだが---。 フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴン--- ご覧になったこともないような車長と車高です。 私たちは…

(95)フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンの広告(21)

これも、オリジナルのフル・カラー原稿が行方不明。処女出版『フォルクスワーゲンの広告キャンペーン』(美術出版社 1963.6.15)のモノクロ・ブロックに収録していたのを転載。右のカラー写真は訴求のポイントを変えて何回も使われているものです。置き替え…

(94)フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンの広告(20)

これも、オリジナルのフル・カラー原稿が行方不明。『繁栄を確約する広告代理店DDB』(ブレーン別冊 1966.10.1)のモノクロ・ブロックに収録していたのを転載。【おすすめ】この広告をカラーでご覧になりたい時は[ここをクリック]、現われたサイトの左端の…

(93)フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンの広告(19)

車内はより広く。 フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンの室内は、在来のワゴンより大きく見えます。 そのとおりです。 外観は, より小さく見えます。 そのとおりです。 このことを、再確認してみて下さいませんか? あるご婦人が、これを非常にひと言…

(92)フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンの広告(18)

これのオリジナルが見当たりません。『繁栄を確約する広告代理店DDB』(ブレーン別冊 1966.10.1)では、モノクロ・ブロックに収録していますが、このムックは、カラー・ページのブロックが極端に少なかったですからね。コストの関係でした。 「アイデアが汲…