創造と環境

コピーライター西尾忠久の1960年代を中心としたアメリカ広告のアーカイブ

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ジャマイカ観光局・広告シリーズ(46)


今日6月9日は西尾忠久の誕生日です。
去年は自宅療養しながらこのブログも更新していました。
もう1年なんですね。


去年の2月の初めに、用事があって西尾に電話したとき、
「病院で余命半年と言われました。あなたには先に伝えておこうと思います。」と突然言われ、
なにもいう言葉が見つからず、ただ「・・・そうですか。」としか答えることができずに黙っていると
「お釈迦さんも80歳で亡くなっているんだし、2年余計に生きられたから喜ばないと。」と笑いながら答えてくれたあとに「でも思っていたより早かったね。」とつぶやくように話してくれました。


それからはみなさんご存知の通り「あと半年でなにができるか」を常に考え、
亡くなる直前まで、パソコンに向かい、このアーカイブの更新を続け、
最後の半年は、本当に余命半年の人なのかというほど、精力的に執筆していました。


作品の翻訳については、本当にいろいろな方に手伝っていただきました。
今回の作品から新たに東京大学の須藤 啓志さんが手伝ってくれることになりました。
前任者の佐藤さんが紹介してくださったのですが、このようなつながりにも本当に感謝です。


転法輪 篤


ジャマイカを代表するアーティスト、
マリカ・レイノルズにぜひ一度出会いにきてください。
彼は木彫職人であり、絵かきであり、一家の主であり、
聖書学者でもあり、そしてポコマニアの牧師さんでもあります。
※ポコマニアとは、キリスト教とアフリカの宗教要素が組み合さったジャマイカに根付く信仰のこと。


マリカ・レイノルズは聖書から真理を悟るべくミルラ(没薬)を焚き、彼独特の人々の感覚に訴える、なぞめいた作品について、アラム語で神秘的な説明を加えています。
さらに紳士的なお父さんでもあります。
そしてちょっと変わっています。
日曜日には、ポコマニア(スペイン語で、少し狂っていることを意味する)と呼ばれる、手拍子を特徴とした信仰復興により生まれた宗教の儀式を指導しています。
ジャマイカでは、陽気な讃美歌が歌われているのをたくさん聞くことができます。
日曜日は朝から晩まで北海岸のあちこちを車でまわって、サトウキビ畑から溢れてくるすばらしい歌声に耳を傾けてみましょう。(もちろんジャマイカの人々は一緒に大きな声で歌います)
ちょっと車を停めて我が国の教会、大聖堂、閲覧室、そして神殿の中へと入ってみてください。そう、神殿の中へと。ジャマイカには、ヨーロッパよりも西の世界において最古のユダヤ人共同体があります。
それに加えて、英国国教徒、仏教徒救世軍、その他様々な信仰の人々が住んでいます。
ジャマイカの宗教は世界のあちこちからもたらされているのです。そこに住む人々もあらゆる国家に起源をもち、混ざり合っています。食べ物も揚げワンタンやフェットチーネビーフ・フォンデュ・スコーン(牛肉の角切りが入った熱い油とソースをスコーンにつけて食べる料理?) 、タイフー紅茶など様々な国の料理が混ざり合っています。言語も、英語やアフリカ系のスペイン語スコットランド語、ウェールズ語がごちゃまぜになっているので既婚女性を"mistress"と呼んだり、複数の男性や女性を"mon"と言ったり、"only"の意味を表すのに"bare"や"pure"という単語を使ったりする結果となっています。(モラヴィア人の教会を訪れた人がこう言いました。「男子修道院。こっちには裸の女性、あっちにはピュアな男性がいます。」(英語だと、「みなさん、こちらには女性だけ、あちらには男性しかいません。」))
さまざまな人やものが混ざり合ってできたジャマイカという国についてもっと知りたい方は、あなたのお住まいの地域の旅行代理店かニューヨークやサンフランシスコ、シカゴ、ロサンゼルス、マイアミ、トロントにあるジャマイカ観光委員会をお訪ねください。






C/W:
A/D:
Foto:
"LIFE" 1967.11.03
"The New Yorker" 1967.11.04
"LIFE" 1970.03.20


翻訳:須藤 啓志さん 東京大学 農学部 農業・資源経済学専修




Meet Mallica Reynolds:
wood sculptor,
painter, family man,
Bible scholar.
And Pocomaniac.


Mallica Reynolds burns myrrh for inspiration and writes mystical explanations in Biblical Aramaic for his dark, sensuou works.
He's also a gentle father.
He's also a little mad.
On Sundays, he leads the services of a hand-clapping revivalist religion called Pocomania (literally, "little madness").
In Jamaica, we have a lot of swinging hymn-singing.
Sunday morning to Sunday night drive up and down the North Coast and hear heavenly voices floating over cane fields.
(We sing loud, too.)
Stop. Come into our country churches, our cathedrals, our reading rooms, our temples.
Yes, temples.
We have the oldest Jewish community in the Western world.
Plus Anglican, Buddhist, Salvation Army, you name it.
Our religions come from the whole world.
Same as our people-descended and blended from every national ancestry.
Same as our food - a mixture of fried wonton, fettucine, boeuf fondue scones, and Typhoo tea.
Same as our language - a garble of English African Spanish, Scottish and Welsh that winds up calling a married woman "mistress," calling men and women "mon," and using the words "bare" and "pure" to mean "only. "
(As in what a man said after visiting a Moravian church: "Mon, on one side they have bare women; and on the other, pure men.")
For more about our mixed-up country, see your local travel agent or Jamaica Tourist Board in New York San Francisco, Chicago, Los Angeles, Miami, Toronto.

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