創造と環境

コピーライター西尾忠久の1960年代を中心としたアメリカ広告のアーカイブ

DDBの広告

『西尾忠久 アド コレクション展』Vol.1 無事終了しました。

現物は、新聞1ページより縁(まち)の分だけ大きい清刷り なのですごい迫力です。 日本で所有している人はいないとおもうので、ぼくの寿命 のあるうちにどこかで展示できるといいんですが。 西尾のこのコメントから始まった『西尾忠久 アド コレクション展…

『西尾忠久 アド コレクション展』Vol.1 前夜

3月の終わり頃、イギリスのリドリー・スコット監督の事務所から一通のメールが届きました。 内容は「こんど、イギリスの広告とデザイン産業についてのドキュメンタリーを制作することになりました。その中で使用する、オーバックスの1954年の作品『驚いた目は…

『西尾忠久 アド コレクション展』Vol.1

このブログだけではなく、twitterやfacebook上でも、 西尾へのあたたかいメッセージを拝見しました。 本当にありがとうございます。 西尾が生前から企画をしていた展示会が来週、8月6日(月)から始まります。 本人も本当に楽しみにしていた企画でした。 西…

(238)[VWビートルの広告](138)

誌面と画面のコラボレイション 一貧一富 どちらに票を投じますか? 子供にキスし、愛敬をふりまく選挙候補者---そう、選挙パレードほど見ていておもしろいものはありませんね。 上の候補者をごらんください。 彼は国民の税金を有効に使うと公約しています。 しか…

(237)[VWビートルの広告](137)

誌面と画面のコラボレイション 春華秋実(見てくれをとるか、効用をとるか) 途方もない値段の車の購入費でこれだけ買えます。 最近の新車の平均購入価格は3,260ドル(自動車工業会の調査)。 3,260ドルあれば、新しいレンジ、冷蔵庫、乾燥機、洗たく機、テ…

(236)[VWビートルの広告](136)

誌面と画面のコラボレイション 「雪中松柏(せっちゅうしょうはく)」ご覧のとおり、明明白白。 1960年、カタログ類の担当だったコピーライターのレブンソン氏が、マス・メディア担当に引き上げられて、クローン氏と初めて組んでつくった雑誌広告。 明ら…

(235)[VWビートルの広告](135)

誌面と画面のコラボレイション 「落花流水(らっかりゅうすい)」花は水まかせ、水は花まかせ---心は、よいよい。 フォルクスワーゲン独自の構造が湿気を閉め出します。 ここ数年来、水に浮くフォルクスワーゲンのことが評判になっています(この写真を撮影…

(234)[VWビートルの広告](134)

誌面と画面のコラボレイション 「神工鬼斧(しんこうきふ)」 20世紀に創られた広告の中で、「最高」との栄誉を与えられている”Think small." のボディ・コピーのバリエイションを5種類、収集しています。別に意図して集めたわけではなく、調べているうち…

(233)[VWビートルの広告](133)

誌面と画面のコラボレイション 「流芳(名声)後世」 1949年に、米国で2台のフォルクスワーゲンを売りました。 その2台のフォルクスワーゲンのオーナ-は、ずいぶん笑われたようです。 でも2人には、フォルクスワーゲンを持ちつづけるだけのちゃんとした理…

(232)[VWビートルの広告](132)

誌面と画面のコラボレイション 「縦横無尽」 フォルクスワーゲンは、前にも、 後ろにも、走れます。 速くも 遅くも、走れます。 上り坂でも、 下り坂でも、走れます。 さらに方向転換もできます。 すばらしいでしょう? A Volkswagen can go forward and bac…

(231)[VWビートルの広告](131)

誌面と画面のコラボレイション 「金甌(きんおう)無欠」 こんなにたくさんの人がフォルクスワーゲンを検査しているんですよ。 あなたの車と新しいフォルクスワーゲンの間にある障害物はたったの二つ。 1,799ドル そして、1,104人の検査員 値段のほうは、あ…

(230)[VWビートルの広告](130)

誌面と画面のコラボレイション 「同軌同文」 40年前の1969年の秋、この広告を見たときは、鉄拳が、ガッツンと頭の芯まで届いた気分だった。 イケメンじゃないけど、性能は非凡。 (または) 不恰好ですが、運んでってくれますよね。 copywriter:Larry Leve…

(229)[VWビートルの広告](129)

誌面と画面のコラボレイション「不易流行」 栄光の彼らは、いま、いずこ? さあ、私たちと彼らの過ぎ去りし栄光の日々をふり返ってみましょう。 時は1949年。自動車はどんどん長く、低く、そして野生的になっていきました。 重々しいバンパーが大ヒット。…

(228)[DDBの自社広告](1)

米国VW社とDDBが広告取引きに関する契約を取り交わしたのは1959年4月でした。 それから2年もたたないで、DDBは次のような自社広告を『ライフ』誌に掲載しました。多大の経済的功績による報償として媒体側が紙面を提供したのでしょう。 DDBはその紙面を自社広…

(227)[ビートルの広告](128)

「きれいごと」という日本語---いささか揶揄的に使います。 立候補者が声高に「きれいごと」を吐いた裏には買収、汚職、脱税、恐喝、公費のばらまき、党利党略、私利私欲---などなどを隠すための意図がないとはいえません。 「きれいごと」を並べた企画書も…

(226)[ビートルの広告](127)

ユーモアごころというか、いたずら精神にあふれた人って、どこにでもいるんですね(ご苦労さま!) で、ディーラーのもとへ、オーナーが自慢たらしく乗りつけたんでしょうね。すかさず、パチリ。自店のPR誌に載せたのを米国VW社へ送りつけた。米国VW社は、DDBの…

(225)[ビートルの広告](126)

右ページのいっぱいを空白にし、空気がふんだんにあることを感じさせて、「空気を使いきることはない」、ビートルにかぎっての直訳風に「空気の外に走り出ることはない」とダブル・ミーニングめいたテキストにしています。 見開きのスペース取りをしておきな…

(224)[ビートルの広告](125)

このテ---外観が変わらないことを逆手にとって、読み手に軽く挑戦するVWビートルお得意の説得法。有名すぎるのに "Lemon." があります。 "Can you name this car?" もみごとでしたね? 覚えていらっしゃいませんか? ま、いいでしょう。 挑戦された読み手…

(223)[ビートルの広告](124)

よいクリエイターをつくるには? つい思ってしまいました。 でも、答えの一つはでています。このブログの左窓の[カテゴリー]の上のほうの数行--->>まえがき >>第1部 DDBの誕生 >>第2部 DDBの組織 >>第3部 DDBの環境 を、クリックなさって虚心にお読みにな…

(222)[ビートルの広告](123)

"testmonial ad" (証言広告または推薦広告)の一種です。この場合は専門誌の試乗記の引用。第三者の証言でその製品の利点を納得・信用してもらいます。証言者は、有名で信頼できる人物、機関がいいことはもちろんです。有名であっても、タレントの信頼度はそ…

(221)[ビートルの広告](122)

今日の検証は、いささか意地が悪い。TV-CMのためにクリエイトしたアイデアを印刷媒体にも応用しようとして悪戦苦闘の情景だからです。 まず、TV-CM[ジョーンズ氏とクランブラー氏]もしくは[二軒の家]と呼ばれているのをご覧ください。 そして、あな…

(220)[ビートルの広告](121)

今日は、つねには絶対にしないこと---コピーライターの(すでに隠棲している)先達として、提案を一つ。そう身をひかないで。お遊戯、おゆうぎ。 幼かったころからすでにして文章センスのあった君も、おばあさんやお母さんから「むかしむかし---」とか、"Onc…

(219)[ビートルの広告](120)

「入れ物」と訳した元の英文は、”our old package”。ふつうなら、「ボディ」とか「車体」というところでしょう。それなのに、”our old package”---「容器」。この場合、エンジンが主役---といいたかったのでしょう。使用した言葉の上でもコピーライターの言…

(218)[ビートルの広告](119)

「車はエンジンで動くのです」「クルマはアクセルで動くのです」---どちらが正しいか? どちらも正しいのです。 90%の人は「エンジンで」と答えます。そのうちの90%の人は、運転しているときも普段も、そのことを忘れているのに。 VWビートルの広告…

(217)[ビートルの広告](118)

印刷メディアでは、音、動き、匂い、味、肌ざわり、痛み---などは正確には伝えられません。TV-CMだと、音、動きが表現できるようになりました。そのようなメディアの持っている制限を工夫によって錯覚させることもできそうと挑戦し、この場合は、静止誌面か…

(216)[ビートルの広告](117)

積み残しシリーズの第2弾です。何に積み残しかしいうと、クリエイティブ志向の人には、もう周知しているはず---拙編著『クルマの広告』(ロング新書 2008.12.10)です。 しかも、すでにこのブログには収録ずみのVWビートルの広告です。つまり、『クルマの…

(215)[ビートルの広告](116)

広告界におけるDDBの功績は、もちろん、「正直なメッセージ」づくりであることに異論はありません。が、ぼくは、製品や企業に人格のようなものを与えた広告づくりも加えたいのです。完璧な人間などいやしません。長所もあれば短所も持っています。そこを…

(214)[ビートルの広告](115)

『クルマの広告』(ロング新書 2008.12.10)に積みのこしたVWビートルのシリーズを、新書本をお求めになって当ブログの存在に初めてお気づきになった方もあろうかとおもい、再録しています。きょうの掲載分は、"Think small." と"Lemon."の次くらいに有名…

(213)[ビートルの広告](114)

映画」『ファニー・フェイス』とともに、この言葉が流行したことがありました。主役はオードリー・ヘップバーン嬢でしたかね? ぼくたちには指摘できないけど、彼女のどこかにユダヤ系---というか、アラブ的なものがのこっているんでしょね。「ファニー・フェ…

(212)[ビートルの広告](113)

DDBによるVWビートルほかのシリーズにぼくが血道をあげていた1960年代---バーンバックさんやクリエイターたちのほかに、もう一人、生き方に強い影響を与えてくれた人がいました。特別マーチャンダイジング部長だったE・B・ワイズ氏(写真)がその人…