創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

DDBの広告

(211)[ビートルの広告](112)

ブログ仲間の、志の高い常連のお一人---einen さんから、昨日、 >私は"Think small"の登場の経緯をプロセスから(他にも一杯ありますが)、chukyuuさんの慧眼と時代の面白みを感じました。 とコメントをいただき、急遽、これの衝撃的な「登場のエピソード」を…

(210)[ビートルの広告](111)

「レッカー車に吊られているVWの広告、見たような気がする---」 あなたの記憶力はすごい! この1月6日のこのブログに掲示しました。もっとも、これとは異なり、背景に流れたビルが写っていました。見出しも短く「滅多な写真 A rare photo 」でした。[シ…

(209)[ビートルの広告](110)

浜松でクリエイターをしていらっしゃるyuya さんからのコメントに、「たまたま弊社の社長に[すごく勉強になるブログがある]と教えたところ、[大学の時の先生だ!]という反応。素敵な繋がりにびっくりしました」---と。 T美大では講師として38年間、講…

(208)[ビートルの広告](109)

さまざまな方法で図版をつくっています。やってないのはPC上での修正。できないのです(いつかどこかで習おうとおもってはいますが、準備とアップとに追われて時間がとれない。なんとかせねば---)。楽屋裏をあかしてはツヤ消しだが、これは製図用のカラーコピ…

(207)[ビートルの広告](109)

きのう、この欄に掲げた拙編著『企画のお手本』(1986.5.10)の表紙カヴァーに対して、感覚の鋭い畏友・fuku33さんが「粋すぎる」とコメントくださった。さすが、的を射ていらっしゃる。狙いは、大切な企画書入りの大封筒を書店の平台に置き忘れた人がいる--…

(206)[ビートルの広告](108)

"ありえません。Impossible." も[シンプル・ヘッドライン]のくくりに入れるべく準備したが、結局はずした1点です。はずした理由(わけ)は、こういう光景を高速道路上でもほとんど見かけなくなっており、いまの若い読み手には共感されないと推測したからです。…

(205)[ビートルの広告](107)

真実味をだすつもりで、ヘッドラインに端数まで表示したほうがいい場合もあれば、うるさくがられて記憶にのこらないケースもあります。これは後者とかんがえられた例であることが、キロ(km)/ リットルに換算してみてわかりました。左端が記憶してほしい整数…

(204)[ビートルの広告](106)

『クルマの広告』(ロング新書 2008.12.10刊)に新味を加えたのが[シンプル・フレイズ simple phrase]なるくくり。近代的な様相をおびている。澄ました表情で[1962 1/2型]などという前代未聞の年式を登場させてシャラッとしている。いわれてみれば、次ぎ…

(203)[ビートルの広告](105)

『クルマの広告』(ロング新書 2008.12.10刊)に新味を加えたとすると、[シンプル・フレイズ simple phrase]なるセクションを置き、20世紀広告の名作中の名作との声価の高い〔Think small.〕〔Lemon. 〕を配しました。「新味」はちょっと控えめすぎる---新…

(202)[ビートルの広告](104)

VWビートルの米国での広告を集めた『クルマの広告』(ロング新書 2008.12.10刊)のことは、当ブログで再三再四アナウンスずみです。 同書には、カラー・ページが16ページあり、15点の広告を収録しました(1点が見開き作品だったのです)。そもそも、1…

(201)[ビートルの広告](103)

『クルマの広告』という珍奇な絵本を昨年末に出したことは、このブログで再三再四アナウンスさせていただきました。フォルクスワーゲン・かぶと虫---いまはファンのあいだで、親愛の情をこめて「オールド・ビートル 」と呼ばれている歴史的名車の一つです。あ…

(200)[ビートルの広告](102)

テレビでは、世界各国とも、相変らずクイズ番組が盛んのようだが、米国で最も隆盛だったのは1970年代でしょう。ヴェトナム戦争介入による人びとの嫌気と虚脱感をそらすための、安易で一見知的を装った無責任な娯楽でした。 VW広告制作チームがそれに便乗し…

(199)[ビートルの広告](101)

昨日、急騰のアクセスは、広告βさんからの人たちと書きましたが、ほかにも★でおなじみの einen さんのところからの方々、mochikazu さん経由の人たちもかなりの数にのぼっています。お礼かたがた---。男の子なら、宿題なんかおっぽり投げ、何時間もかけて不…

(198)[ビートルの広告](100)

奇蹟は2日つづきました。あと5日つづいたら『旧約・創世記』の再現---なとど、ふざけたいほどの嬉しさなのです。ページ・ヴューが一昨6日(1,008)を7日は上まわり、1,064! 記録更新! 昨日のkawasaki さんのコメントで、要因の大きい部分は新しい友 …

(197)[ビートルの広告](99)

驚異の現象の突発です。このブログです。昨6日のページ・ヴューが1,008(一昨5日は502、一昨々4日275)、ユニーク(人数)のアクセスが365(一昨5日は248人、一昨々4日126人)とどちらも過去最高の数字。もちろん、これまで支えてきてくださっ…

(196)[ビートルの広告](98)

ビートル広告の「レギュラー・レイアウト」というのか「オーソドックス・スタイル」と呼ぶのか、見慣れた上2/3がイラストレイション(写真や絵)、下1/3にヘッドラインとボディコピー---へ戻ります。ヘッドラインの訳は、素直にいくなら「珍しい写真」ですが、ち…

(195)[ビートルの広告](97)

シャトー・ラフイット・ロスチャイルド---知る人ぞ知る、ボルドーの極上の貴酒。存在することは知ってはいても、口にしたことのある人は、まあ、そうは多くないでしょう、ロールスやキャデのオーナーならともかく、ビートルのオーナーは、手がだせるワインの中…

(194)[ビートルの広告](96)

個人の動向と組織の変貌を関連づけて語るのは、好きではないし、おいそれとすべきでないとも思っています。特別な場合をのけて---。DDBの例でいうと、バーンバックさんの死。VWのキャンペーンにとってのヘルムート・クローン氏の退社(1969年)。クローン氏…

(193)[ビートルの広告](95)

「ビートルは変わりました」シリーズ。もちろん、広告のスタイルだけ。知的で、忙しすぎる現代人には、簡潔に、視覚的に、話しかけます。 なぜかって? 36ヶ月/80,000km保証 ロールス・ロイス 24ヶ月/38,400km保証 フォルクスワーゲン 12ヶ月…

(192)[ビートルの広告](94)

「フォルクスワーゲンは変わりました」と外見は同じ車体の写真を掲げたのは40年前のこと。今日の「ビートルは変わりました」は、広告のスタイル。 人は、富者も貧者もひとしく1日24時間しか所有していません。その時間を、テレビ、新聞、雑誌、映画、ケイ…

(191)[ビートルの広告](93)

明けまして、おめでとうございます。 ことしも、ごいっしょに愉しんでくださいますように---。 昨年末、拙編著『クルマの広告』(ロング新書 2008.12.10)を編みました。これまでのビートル関連の4冊とくらべて、より分かりやすく(?)、より充実しており…

(190)フォルクスワーゲンの広告(92)

今年一年、このブログを、盆も正月もなしで、一日として休むことなくつづけられたのは、あなたのご精読に支えられたからです。あつくおん礼を申しあげます。とりわけ、★を献じて励ましてくださったことに。おかげで、拙編著『クルマの広告』も上梓できました…

(189)フォルクスワーゲンの広告(91)

製品の全貌を見せないで、製品を語るという、凄腕のクリエイティビティ・シリーズ---第32弾。この切り口は、とりあえず終了。 32点ってことは、17年間つづいたキャンペーン中、年に2点弱ってこと。 「被写体、どうやって造った?」 「もっと大きな画…

(188)フォルクスワーゲンの広告(90)

製品の全貌を見せないで、製品を語るという、凄腕のクリエイティビティ・シリーズ---第31弾。滅多にお目にかかれない腹部をそっくり。「どうやって撮影?」 「腹部も珍妙---まったく!」 「funnyをVW語化」 「逆説得法=ツバメ返し」とお感じになったら、…

(187)フォルクスワーゲンの広告(89)

製品の全貌を見せないで、製品を語るという、凄腕のクリエイティビティ・シリーズ---第30弾。ガソリン高騰は、オーナー・ドライバーの30数年來の悩みの一つ。「乗りつづけるか、やめるべきか」 「モミジ・マークの後期高齢者?」 「引き金」 「ちょっと…

(186)フォルクスワーゲンの広告(88)

製品の全貌を見せないで、製品を語るという、凄腕のクリエイティビティ・シリーズ---第29弾。ガソリン高騰は、忘れたころにやってくるのですね。30数年前にもあったのです。リッター200円近くまでになり、やがて100円台にさがりましたが、今度は世…

(185)フォルクスワーゲンの広告(87)

製品の全貌を見せないで、製品を語るという、凄腕のクリエイティビティ・シリーズ---第28弾。ごく初期のもので、VWディーラーはどの部品も在庫(を義務づけられている)---サービス網の完備と(資源と家計の)節約志向を視覚的に訴求。「一目了解」 「絵…

(184)フォルクスワーゲンの広告(86)

製品の全貌を見せないで、製品を語るという、凄腕のクリエイティビティ・シリーズ---第26弾、第27弾は空白。単色カラー(じつは4色)とグイレ・マスの違い。もちろん、ヘッドラインとボディ・コピーは異なる。ヘルムート・クローン氏の打ち明け秘話は、…

(183)フォルクスワーゲンの広告(85)

土・日サービス ---日本はおろか、米国でも公開されることのなかった---つまり、クライアントのVW側がガンとして掲載を承知しなかった、俗にいう「ボツ原稿」。クリエイターの一人---ヘルムート・クローン氏は死ぬまで「愛着のある、すばらしい作品なんだ…

(182)フォルクスワーゲンの広告(84)

きょうのは、製品じゃなく、工場敷地の全貌を見せないで、企業の姿勢を語るという、凄腕のクリエイティビティ---第25弾。土・日サービス---この2日間はアクセスが激減するので、見た人の勝ち。ほんとうは、経営者向き。 アメリカ産の新種植物 U.S.A.に来…