（201)［ビートルの広告］（103）

『クルマの広告』という珍奇な絵本を昨年末に出したことは、このブログで再三再四アナウンスさせていただきました。フォルクスワーゲン･かぶと虫---いまはファンのあいだで、親愛の情をこめて「オールド･ビートル」と呼ばれている歴史的名車の一つです。あ、間違えた---クルマの広告の歴史的名作シリーズ。その多くを収録したのが『クルマの広告』本です。本には適切な値段と紙数という制限があります。１７年間にわたるシリーズ中のいくつかの広告を積み残しました。解説文で書き残したこともあります。そう、あの広告の狙いは、ビートルを注文してから実際にデリヴァリーされてオーナーの手にとどくまでの４ヶ月のあいだ、「ぼくの選択は間違ってなかった」と、信じきらすためのものであったということ。もう一つは、名だたる自動車王国であった（過去形）の米国で、ビートルは少数派--１車種で、当初３％以下のマーケット･シェアだったために採りえた訴求手法だったこと。もちろん、あのキャンペーンが大成功して以後は、マーケット･シェアの大小に関係なく、採用しても有効なケースがあることが知れました。
結論。きょうやるのは、『クルマの広告』に積み残した広告の１０ヶばかりを選んで紹介することです。それも、これまでいろんな形でこのブログにアップしたものから順番に---という形で。手っ取り早く告白します。今日は、これから静岡で[鬼平クラス]の講義です。ゆっくりとしてられないんです。ごめんなさい。