(302) [クリエイティブの核心](7) by Bill Bernbach
きょうのバーンバックさんの提案こそが、このブログのコア(核心)を衝いている。ノーベル賞さわぎは一段落したが、マスコミは、受賞者の個人的努力とか外面的な人柄は伝えたが、あの人たちが置かれたクリエイティブな環境(組織の雰囲気、クリエイティブを支えるボスと仲間たち)については、ついに突っ込まなかった。このブログは、個人の努力とは別に、クリエイティビティを発揮させる環境について事例をあげて警鐘を鳴らしている。マネージメントにもアクセスほしいとおもいつつ---。
ヤードレーの小さなレッド・ローズを一びんあなたにお届けするのに、私たちは、かぐわしい赤バラの花びらを3,000枚もつみとりました!
We picked 3,000 fragrant red rose petals to make one small bottle of Yardley Red Roses Cologne for you!
【chuukyuuのひとり言】上の広告の表現と似ているが、じつは、アフター・シェービング・ローションのほうが先に目についた。40数年前、ぼくはこの双刃で鬚を剃っていたので、ゾッとした。以後、片刃のになっても、ローションを使いつづけている。ヤードレーを探した時期もあった。365日という時間をこれだけの双刃で見せられたのにコロっと参った。
1年に365回も剃るんですから、お肌は傷つくかもしれません。
あなたが、毎日、ヒゲをお剃りになれば、肌は、顔を何回も走るカミソリの刃によって痛めつけられることになります。炎症が着実に発生します。これが、ヤードレーのアフター・シェービング・ローションのようなよいローションが、現実になぜ必要かという理由です。この炎症を防ぎ、カミソリの刃で傷つけられた肌の痛みをやわらげるため、ヤードレーの純良で、豊かな有効成分が必要です。ヤードレーの特別な治療作用が、傷や荒れに働きかけます。そして。その刺激のない殺菌剤が病気の起こるスキを決して与えません。ヒゲ剃りのあとにアフター・シェービング・ローションを---これが鉄則です。いつもヤードレーをお使いになれば、肌を整え、ヒゲ剃りあとの回復を早めます。ですから、ヤードレーが、快適で、元気のでるような感じをもっているからといって、1度つけただけでだまされないでください。あなたの肌がこの良質で、健康的な調整効果をほんとうに必要としているのです。アフター・シェービング・ローションをゼイタク品だなどという人は、毎日ヒゲを剃らなくてもよかった人です! 特別敏感な肌の持主に:ヤードレーの新しい、ヒリヒリしない、べトつかない、テンダー・スキン・シェービング・ローションをを、おためしください。
365 shaves a year may be building up a skin problem for you.
ボディ・コピーは、元の原稿が見つかるまで、お待ちください。(これは、複写からのもの)
「クリエイティブの核心」
ウィリアム・バーンバック氏 (坂本登 訳)
AAAA(全米広告代理業協会) 1971年 年次総会スピーチより
クリエイターには
エディターが必要
2年性ど前に、私の親友で大手代理店の社長と2人でクリエイティブ・マンの養成法を話し合ったことがある。
彼は最近有名なコピーライターをスカウトし、彼の作業を楽しみにしていた。しかし、結果は彼の予想どおりにならなかった。
それから1年ほどたったころ、あるパーティで彼と会った。彼はパーティ客を押し分けて、頭を振って、はやく話したい様子で近づいてきた。そして彼は私に言った。
「ビル、ウチにきたコピーライターを覚えてるかい?」
私が「覚えてるよ」というと、彼は続けてこういった。
「あれは終わっちゃったよ。もっときびしく見ないといかんな。君のいったとおりになったよ」
私は、なんで私のいったとおりになったのかわからずに彼の顔をぼんやりながめていると、彼は話を続けた。
「ああいうすぐれたクリエイターは、エディターが必要なんじゃないのかね。前の環境から変わると、前と同じように仕事をすることができないんだ。あまりに感受性が強くて新しい環境に耐えられなくなる」
これはマネジメントについての教訓である。
花を移植しただけでは前と同じような美しきを期待することはできない。
クリエイティブ・マンを批判するつもりはない。
トーマス・ウルフのような偉大なクリエイターすら、ものわかりのよいエディターの指導が必要だったのだから、現代のクリエイティブ・マンも当然そのような手助けが必要なのである。
マーケティング管理着はコミュニケーションの世界には数字を越えた要素があるということを理解できるまで鍛練を積まねばならない。
コピー・プラットフォームだけでは十分でないのである。広告の中に調査マンやマーケティング担当者の指摘する内容を盛り込んだだけでは十分でないのである。数字ばかりのいわば死んだ事実に生命を吹き込む何かが必要なのである。同じアイデアでも、ある人の手にかかれば死んでしまうし、またある人の手にかかれば、魔法にかかったように生きもするのである。
そこが違うのである。マーケティング管理者が、コピーライターやアートディレクタ-の仕事はこういうものと割り切って考えているだけではどうしようもない、目に見えない技術があるのである。
【chuukyuuアナウンス】
明日は、いよいよ、
クリエイティビティを育てるには