創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(222)[ビートルの広告](123)


"testmonial ad" (証言広告または推薦広告)の一種です。この場合は専門誌の試乗記の引用。第三者の証言でその製品の利点を納得・信用してもらいます。証言者は、有名で信頼できる人物、機関がいいことはもちろんです。有名であっても、タレントの信頼度はそんなに高いとはおもいませんが---。日本では、そこのところは大目に見すぎているような気がします。とはいえネットの普及で、情報の流通・伝播の形態が変化し、いまでは有名人よりも無名の多数、あるいはネット界で信頼度が高い人、もしくは身近な信頼のおける人の無償の推薦のほうが有効になりつつあるようですね(このブログも知的無償のプレゼントではあるんですが---)



「この車には、見劣りするところが一つもない」

       ---ロード&トラック誌の結論---


『ロード&トラック』誌の記者たちは、すごい外国車にしょっちゅう試乗しています。
彼らが試乗して公表した結論は、「フォルクスワーゲンの出来上がりは信じられないぐらいだ」でした。私たちは、これを貴重な贈り物として受けとりました。
おわかりですか。彼らは「この値段にしては」とはいわなかったんです。まさに「信じられない」---ピリオド---です。
正直いって、私たちは驚きませんでした。
一つの基本形を、15年間も改良<精練しつづけてきたのですから、もし、不要なものがある---とでもいわれれば牽驚いたでしょうね。
フォルクスワーゲンの部品は、すべてぴったり嵌合するし、車は事実、気密なのです。
もし、あなたがVWをバラバラにしてご覧になれば、内部も外装も完全に塗装されていることを発見なさるでしょう (それも1回や2回ではなく4重塗装なんです)。
私たちは、フロント・ドアと同じようにグラブ・コンパートメント・ドアもちゃんとしています。
組み立ての終わったエソジンは、すえつけ以前に馴らされます。また。ウインドシールドもすべて点検します。
『ロード&トラック』誌は「あらゆる点で、VWはすはらしい---というひと言でいいつくされる」と結んでいます。
まさに、いいつくしています。




"Not a trace of shabbiness can be found anywhere on the car,"
     says Road & Track Magazine.


The editors of Road & Track get to drive some pretty exotic cars.
So when they come out and say that "The Volkswagen's finish is unbelievable," we take it as quite a compliment.
Mind you, they didn't say, "At the price." Just "unbelievable." Period.
Frankly, we're not surprised.
After 15 years of improving and refining our one basic model, the surprise would be if it were anything less.
Volkswagen parts fit so well, the car is practically airtight.
If you stripped a VW to the skin, you'd find it completely painted, inside and out.
(And not with one coat or two. Four.)
We put as much effort into the glove compartment door as the front door.
We run-in every last engine before it's installed; we check every windshield.
Road & Track wound up by saying, "Over-all, the VW is so good, it leaves us a bit short of:anything to say." Enough said.