（225)［ビートルの広告］（126）

右ページのいっぱいを空白にし、空気がふんだんにあることを感じさせて、「空気を使いきることはない」、ビートルにかぎっての直訳風に「空気の外に走り出ることはない」とダブル･ミーニングめいたテキストにしています。
見開きのスペース取りをしておきながら、コピーの分量は各ブロック６行ずつ---いっていることは空冷式エンジンの長所のみ。
「空白がもったいない」---なんて、どこやらの広告部長みたいなことは言わないで。
クルマ嫌いの広告部長ドノには、義理チョコよりも『クルマの広告』（ロング新書）を贈ってあげましょう。

空冷エンジンの長所の一つ:

吸う｡
吐く｡
フォルクスワーゲンのエンジンが､こうして冷やされることをご存じですね｡
水は不要です｡
大きなファンが冷たい空気をエンジンに送り込み、送り出します｡
スピードを上げると､それにつれて送風力も上がります｡そこで､エンジンは静かに､冷静に､落ちつきを保ちます｡
暑い日やすごい交通マヒの中を１日中､一寸刻みの運転をしても大丈夫です｡これは楽しいことじゃありませんが､沸騰に悩むことを思ったら
マシでしょう｡

あなたは空気を使い果たすことはなし。

水抜きやラジエーターの春の洗瀬の心配もしないですみます｡ラジエータがないんですから。
ホースのことも｡
ウｫーター･ポンプのことも｡
錆のことも｡
冬期の不凍液の注入も。冷却水用パイプが破裂する心配もありません｡
毎年､秋冬に､あなたがご自分のフォルクスワーゲン･エンジンに何か特別の恩恵を受けている､と少しでもお感じになりましたら､それを大いに活用
してください｡まず、ひとまわり運転して､空気を使い果たしてみてください。

One nice thing about an air-cooled engine:

Inhale.
Exhale.
Now you know exactly how the Volkswagan engine is cooled. With air.
Water has nothing to do with it.
A big fan swooshes cool air through the engine and swooshes it out again.
The faster you go, the bigger the swoosh. So the engine stays calm, cool and collected.
Or you can inch along all day in hot and heavy traffic. You may not enjoy it, but at least you won't have toworry
about boiling over.

You never run out of air.

You also won't hove any worries about draining or nushing the radiator in spring. There is no radiator.
Or hoses.
Or water pump.
Or rust,
And so there are no worries about anti-freeze in the fall or cracked blocks in the winter.
If you feel that you owe your Volkswagen's engine a little something special every spring and fall, you can do
this much:
Just run it once around the block and lei it air itself out.

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