創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(101)フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンの広告(27)

この広告もカラーです(カラーの分の見方は下記の【おすすめ】に)---。2つばかりの内輪ばなしを。”Mrs.Wells”は、あの、メリー・ウェルズさんが、まだDDB在職中だったことを思い出してください。2つは、ボディ・コピーの組み---達人ヘルムート・クローン氏がカミソリの刃で苦心してつくった未亡人(ウィドー---段落末尾の空き)がまったく無視されています。「天才児、ジョージ・ロイスの奴ッ!」クローン氏のつぶやきが聞こえてきませんか? 達人は達人を知る?

おすすめ】この広告をカラーでご覧になりたい時は[ここをクリック]、現われたサイトの左端のオレンジ枠から[STATION WAGON]→[year]→「1959」をお選びになってください。


ルフレッド・ウェルズ夫人、友人、乳母、6人の子どもたちと
セント・バーナードは、一層賢い行き方を見つけました!


「これは実にセンスのいい、初めてのステーション・ワゴンです」

セント・バーナード犬のジャックを含めて10人(「バーナードは犬じゃなくって家族の1員なのよ」とウェルズ夫人は主張します)が、フォルクスワーゲン・ステーション・ワゴンにゆったりと乗れます。その上、ビーチ・チェア、ピクニック・バスケットやビーチ・テソトを入れるだけの広さがたっぷりあります。(たいていの人は、VWステーション・ワゴンが、在来のワゴンより車長が4フィートも短いのを知ると驚きます。にもかかわらず最大のワゴソよりも収容力が大きく、しかも数百ドル安くて、ガソリン代やオイル代も少なくてすみます。) すべてのカー・バフが知っているように、ドライブは楽しいものです。このウェルズ夫人型は、スライドするサン・ルーフを持っているので、すばらしく涼しく風通しがいいのです。





Mrs. Alfred Wells, friend, Manny, 6 children,
and St,Bernard have found a smarter way to go!


"This is the first station wagon that really makes sense"


Ten people, including Jack the St.Bernard (who is really more of a person than a dog, insist Mrs. Wells) ride easily in the Volkswagen Station Wagon/. And there is still a sizable amount of space for beach chairs, picnic baskets, a striped umbrella,et cetra.(Most people are astonihed to discover that the VW Station Wagon is a good four feet shorter than conventional wagon, yet holds more than largest station wagon. It also costs hundreds of dollars less and saves lots of money on gas and oil too.) A sheer delight to drive, as all car buffs know. The Well's model has a sliding sun roof-makes marvelously cool.

いまなら、5歳の女の子だって「コンピュータ・グラフィックね。フン!」といいますが、49年前の35歳の善良な主婦は「カラー写真のリタッチもなかなかやるものね」とはいいませんから、左右2枚のカラー写真を30分ばかり見比べたことでしょう。

(種あかし---寸分違わないポーズは、先に左の写真を撮っておいて、右のサン-ルーフ部にはめこみ)