創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

(656)バーンバックさんとDDB(7)

"Communication Arts" 1971年 新年号より (承前) バーンバック-----クライアントによくこういったものです。 「DDBをお使いになれば幸運が回ってきますよ。わが社にはツキがありますから」 chuukyuuのダジャレ。「星(スター)も揃っていますし」 ■優秀な…

(655)バーンバックさんとDDB(6)

"Communication Arts" 1971年 新年号より (承前) バーンバック-----おかしな会社でもありますが、全体的に見れば 愉快な、よく働く会社です。 ■社名がDDBとなったのは・・・・・・ Q:全く良好な結果ですね。 ところで、ドイル・デーン・バーンバックという社…

(654)バーンバックさんとDDB(5)

"Communication Arts" 1971年 新年号より (承前) バーンバック------「さあ大変だ。景気が悪くなったから、クライ アントに会ったらわれわれは[ハード・セル派]ですといおう」 この種のプレゼンテーションは、ごまかしというほかないですな。 ■DDB創立…

(653)バーンバックさんとDDB(4)

"Communication Arts" 1971年 新年号より (承前) バーンバッグ これからの10年間に、このようなクリエイティビティ の重要性が過小評価されることはないでしょう。 われわれが健全であるかぎり、その重要性は増すでしょう。 なぜなら、みんなが恐慌状態…

(652)バーンバックさんとDDB(3)

"Communication Arts" 1971年 新年号より (承前) バーンバック------安全第一のことなかれ主義は、なんら目新しさ のない、したがってインパクトのないアイデアを人に示すという意味で、 最も割高な方法だと思います。 もっとも、新鮮なアイデアであっても…

(651)バーンバックさんとDDB(2)

"Communication Arts" 1971年 新年号より (承前) バーンバック まずいアイデアを、いくらうまく細工してみても、 なんの効果もありません。 唯一の解決策はすぐれたクリエイティブなアイデアを考えだすことです。 Q:といっても簡単なことではありません…

(650)バーンバックさんとDDB(1)

つい最近、ひょっこりと、資料がでてきました。 アメリカの広告デザイン専門誌[Communication Arts (略称CA)]1971年新年号 のDDB特集の巻頭を飾った、コイン編集長がバーンバックさんをインタヴューした 記事の翻訳の抜刷りです。 当時の『ブレーン…

(532)[ニューヨーカー・アーカイブ]を基としたフランス政府観光局シリーズ(総索引)

目次代わり(2010.10.21〜2011.01.00) あなたが思わず、ヒザを打ったのを、2点でも5点でも、コメント欄で教えてください。 活用法 それぞれのヘッドライン(見出し)の前の(番号)←クリック でリンク。 1960年 (1) どちらの女性がこの素敵な城にふ…

(531)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(総索引)

http://d.hatena.ne.jp/chuukyuu/draft?epoch=1293581588 目次代わり (2010.10.21〜2011.01.23) あなたが思わず、ヒザを打ったのを、2点でも5点でも、コメント欄で教えてください。 活用法 それぞれのヘッドライン(見出し)の前の(番号)←クリック でリン…

(530)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(95)

・ まったく自信なし。S.0.S. はやばやと、見えなくなるって、まさか、これではないでしょうね。 C/W A/D "NewYorker" 1981,10.12 Disappears rather quickly, doesn't it. 画像はこれと似ているが、発想が異なったのが4年前の1977年に創られている。…

(529)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(94)

三三九度だったか、最初のベッド・インの寝酒だったか、花嫁の靴に酒を注いでのみあい、偕老同穴を誓うって習慣があったような。 ご存じ方、正しい作法をご教示のコメントをください。 どうして、シャンペンって、決めちゃってるの? C/W A/D "The NEWYORKER"…

(528)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(93)

「待てば海路の日和あり」では、DDB流ネガティブ・アプローチにならない。 忍耐に忍耐を重ねた末の、貰い泣き。 C/W A/D "The NEWYORKERk" 1981.06.15 Patience does have its rewards. [ニューヨーカー・アーカイブ]を基にエイビス・レンタカー・シリーズ…

(527)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(92)

・ 最初は「そう、それ、名案かも。」と意訳したが、DDBお得意のネガティブ・アプローチの妙味は blame (非難)にあると悟り、さらに強めた訳にしてみました。 誹謗する人なんか、いないとおもいますよ。 C/W A/D "The NEWYORKER" 1981.03.23 Who could bl…

(526)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(91)

・ フランダースの名犬が遭難者へ運んだのは「生命の水」---すなわち、ブランデーだったとおぼろげに記憶しているのだが。 これで、伝説が変わるかも。 あるいは、ベルギーのフランドル政庁からの抗議で、以後、とりやめかも。 (男の隠れ家に)身を隠したい…

(525)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(90)

・ atsushi さんが『ニューヨーカー・アーカイブ』からピックアップしてくださった1980年のシーヴァスの広告。 1980年は、これ1点のみ。 シーヴァスが待ってるから、家で呑(や)るさ。 C/W A/D "The NEWYORKER" 1980.12.01 I'll be home for Chivas. […

(524)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(89)

・アメリカでも上・中層ではワインが好まれ、ホーム・パーティにもスコッチにとって替わっていたのか、70年代後半から、シーヴァスの出稿が目にみえて減ってきた。 1979年の『ニューヨーカー』へは、これ1点きり。 しかし、訴求の質の高さは依然として保…

(523)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(88)

・ このシリーズ、atsushi さんのたいへんなご協力をえています。 それでも、最初の翻訳やチェック、英文おこし、画像や掲載日の確認、クリエイターのクレジット捜しなどで、1日分を仕上げるのに合計で3〜4時間以上かかっています。 100点で400時間…

(522)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(87)

この指摘には、おもわず、唸りました。 たしかに、長寿がすすめばすすむほど、おじいちゃんは健在です。 もっとも、呑(や)るおじいちゃんと、健康上のこともあり、禁酒もしくは少酒厳守中のおじいちゃんもいましょうが。 ぼくは寿量に達し、がくんと少酒に…

(521)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(86)

・ この写真で、シーヴァスの瓶の下にある書類が何なのか、アメリカに在住していてかなりの所得がないと、意味不明なのではないでしょうか。 不明のまま、訳をつけます。 ペナルティを払う立場にあったら、 それなりの見返りがあって当然でしょう。 C/W マイ…

(520)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(85)

・ 広告の究極の成果は、まず、少数の人びとの人生観(concept)を変えるところにあるのかもしれません。 でっかい車でちょっとの距離を行くのはバカげている、自転車でいい。 伝わるならモノクロでいい、カラーはぜいたく---というのも人生哲学の差です。 キ…

(519)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(84)

・ ハンドルつきのハーフ・ガロン入りのボトルの登場。 1ガロンは、アメリカでは3.7853リットル(USガロンともいう)。 イギリスでは、4.546リットル(imperial gallonともいう)---と辞書にありました。 英国製品だけど米国のメディアへの広告だから、USガロン…

(518)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(83)

・ キャンペーンの立ち上がりの2〜3年は、シーヴァスの"ライト"な由縁(わけ)を、たくさんの言葉を使って、繰り返し、繰り返し、述べていました。いわゆる、DDB風の説得広告でした。 数年で、ヘッドラインだけで言い尽くす広告に変わりました。一つの広…

(517)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(82)

・ よくまあ、製品が入ってない空のボトルを---と、クライアントの胸のうちを察してあげましょう。 「スコッチのことは、そちらが専門家だから、お任せしています。 広告のことは、DDBが専門家なのだから、お任せを」 空ボトルだから、印象に残るのです。 …

(516)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(81)

・ ギフト(gift)とプレゼント(present)は、どう使いわけるのか、いまだに知りません。前者は多くの人たちの定例的な行為、後者は個人的な心情のこもった贈りもの---と分けているのは、ぼくだけなんかなあ。 とにかく、シーヴァスは、喜ばれる贈り物として…

(515)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(80)

・ 目の前にドーンとクレードルを置いて、あの人を驚かせてやりましょう! (fuku33さん訳) シーヴァスの半ガロン用のクレードル---またの名は、シーヴァス党のために誕生したばかりのすてきなスタンド。 こんなのがあったらいいなぁと、どなたも待ちのぞん…

(514)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(79)

グッドデザイン賞もののクレードルですね。 30年ほど前、日本での独自デザインのシーヴァス半ガロン用のスタンドをもらいましたが、恥ずかしくなるようなデザインで、人前にだせませんでした。 スタンドの、この、コピー、日本酒の1升瓶にも似合いません…

(513)[ニューヨーカー・アーカイブ ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(78)

これと似たヴィジュアルはVWビートルのシリーズで見ました。 そう、VWビートルが総計で500万台を達成したとき、DDBが提案したのは、 「500万台目のVWビートルをお目にかけようと思いましたが、売れてしまったのです」←クリック なにもない紙…

(512)[ニューヨーカー・アーカイブ ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(77)

・おそらく、シーヴァス側の強い要請があるんでしょうね。 最初に任せたとき、 「広告のことは、広告の専門家のDDBに」 と釘をさされていても、こういう口あたりのいいコピーを一回示されたら、「あれがいい」といいそう。 3年前の(65)と同じ原稿です…

(511)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(76)

・ 『ニューヨーカー』の読者の何パーセントが『ウォール街ジャーナル』を手にしているかは不明だが、この新聞の存在を知らない読者は、かぎりなく0に近いと思う。 これ以上にいい思いをさせてくれる投資、 他に思い浮かびますか? C/W A/D "The NEWYORKER" …

(510)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(75)

・20世紀を代表する不朽の名作広告の一つ。ベスト10には間違いなく入るでしょう。 人によっては、VWビートルの”Think small." "Lemon." エイビス・レンタカーの "We are No.2." と肩を並べるとも。 アドマンとして、この広告を知らないで広告を語っているの…