創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

02-11 産業界におけるペア・チームの採用

リー氏は、ペア・チームを「男と女のような関係」と表現していますが、ソニー厚木工場の小林茂工場長も、新しい組織づくりの最小単位としてのペア・システムを採用されて成功された人ですが、
 「チームとしての組織づくりの重要なポイントになるのが、ペア・システムというものである。ペアとは、夫婦のように協力関係にある二人の組合せをいっている」(注・小林茂著『創造的経営』マネジメントセンター出版部刊)
と書いておられます。
 要するに、仕事を進めて行く場合に、二人の人間が互いに協力関係にはいるということであるわけです。
 「こういうペアの特長は、夫婦とひとしく、一方が不調であれば他方がそれをカバーするというように、おたがいが相手を激励しあい、補足し合う関係である。これこそ、チームワークの基本である。チームワークの原理をオン・ザ・ジョップで会得するには、ペアがいちばんよい。これが三人になると、だいぶむずかしくなる」(前掲書)
 しかし、ソニーのペア・チームとDDBのペア・チームの根本的な違いは、ソニーが日常的な業務管理をもペア・チームの責任としているに対して、DDBは、製品ごとあるいはアカウントごとにペア・チームを組む点です。つまり、DDBのペア・チームはプロジェクトごとのチームといってもよいでしょう。