創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

(13)オーバックスの広告(10)

DDB創設からの第1号クライフントであるオーバックスの広告を、バーンバックさんのいう、「アイデアのある」表現例として、アイデア・スタイル・ブックの感覚で掲示しています。先日、この[ネガティブ・ウーマン]を見せたら、 「いま、写真はカラーだし、デジ…

03-22 「親愛なるロビンソン夫人様」

次に紹介する入社の例は、あるいは特殊すぎるかもしれません。 けれども、DDBの人材採用の一面を教えてくれます。 幹部コピーライターのパーカー夫人は、DDB創業直後、すなわちDDBがまだ小さかったころに運よく入社できた人ですが、秘書からコピーライターに…

02-22 「私たちの」アイデア

もう一度、パーカー夫人の講演にもどりましょう。 いよいよ、ペア・チームの会談が始まります。 創造の神秘的な時間の訪れが聞かれるかもしれません。 「さて、アートディレクターとコピーライターは、ちょうど2個のスポンジのように資料を十分吸収したうえ…

01-22 クライアントをゴルフ場で拾わない

さて、全く新しいタイプの広告代理店をつくろうとしたバーンバック氏は、クライアントと自分たちの間に明確な線を引きます。 そのことを、次の言葉が示しています。 「クライアントが私たちに基本ルールを与えることを私たちは決して許しません。 それはクラ…

(12)オーバックスの広告(9)

おとといは5月「母の日」を紹介したから、きょうは6月「父の日」を。 【訳文大意】子どもが生まれるのを期待しているお父さんに親切にしてあげて間もなく「父の日」です。今年は、世界中でいちばん忘れられちゃっている男性---子どもが生まれる日を待って…

03-21 「ほかの仕事でどうだろう?」

幹部コピーライターのリー氏が話してくれた彼の入社のいきさつは、ちょっと変わっていますが、サンプル作品による審査ということと、DDBのクリエイティブ部門のおもだった人たちが、才能のある人材を見つけ出すために、たえず関心を払っていることを暗示して…

02-21 2週間後にもどってきたら、スターだった

<<前項『VW(フォルクスワーゲン)に乗ってアメリカを見ようよ』クローン氏は、さらに言葉を続けて、驚くべき事実を打ち明けています。 「私は、VWについて、私たちは間違ったことをやっている、という感じを強く持っていました。 もちろん、3分の1の責…

01-21 原理をいうのは簡単だが…

私は、バーンバック氏と長い会話をかわしたこともなければ、氏の講演を聞いたこともありません。 十数回目のDDB訪問をしていたある日、全く予想外だったのですが、彼がフラリと部屋へはいってきたのです。 ただ、あいさつをしたかった、という理由だけで──。…

(11)オーバックスの広告(8)

少子化対策大臣が喜びそうな見出し---「エンタイトルド」野球で、打球がワンバンドでフェンスを越えたら「エンタイトルド2ベース」。2塁打の「資格が無条件で与えられた」こと。こちらは、夫やお姑さんから、「母の日」の贈り物を贈られる資格があるってこと…

(10)オーバックスの広告(7)

出たぱかり、茂木健一郎さん『脳と仮想 (新潮文庫)』(新潮文庫)は、「サンタクロースはほんとうにいるの?」と問う、5歳くらいの幼女の言葉から書き始められている。 つづいて、心は、1リットルほどしかない脳細胞の、1千億以上もあるニューロン(神経…

(9)オーバックスの広告(6)

おばあちゃまはお得意さん「嬉しいような、悲しいような」のキンさんギンさんこのかた、おばあちゃまがモデルの広告のくっきりした記憶がない。 おばあちゃまの〔原宿〕---巣鴨のとげ抜き地蔵・高岩寺の通りは、相変わらずの人出だし、高齢化マーケットはま…