創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(552)上げ底政治家の本音を見る

グレーの部分を手で隠してごらんなさい。
どんなに若返るか、おわかりですね。


<写真のグレーの部分を手で覆って若返らせてください。黒髪のほうを覆って老けさせてごらんなさい>
若い/老ける/若い/老ける/若い/老ける/若い/老ける/若い/老ける…手を移動させるたびにこうなるのです。これであることが証されます。グレーの髪はあなたを老けて見せ、黒髪は若く見せるのです。(以下略)


on 『DDB NEWS』October issue, 1966


髪染め剤グレイト・デイが提唱した「そっちの半分、こっちの半分 どっちが本物?」ゲームがはやってます。
ダラスでは、『タイムズ・ヘラルド』紙の風刺漫画家が当地出身のジョンソン大統領の本当の年齢(保守性)を漫画で皮肉りました。


コロラドでは、『デンバー・ポスト』の記者が、グレイト・デイの広告のモデルの写真を示して、女性たちがどっちを好むかインタビュー。 若い側が好まれました。


グレイト・デイのシリーズのコピーはロン・ローゼンフェルド、A/Dはアラン・ビュイトカントで、ともにブルックリン・ハイツ育ち。その町では、彼らの若いころ、コーヒーを賭けた「年齢カット」ゲームが流行っていたんだそうです。
2人は、「使用前・使用後」という伝統的な広告技法を刷新して使うことにしました。


グレイト・デイのアカウントがDDBへきたのは1964年ですが、そのころ、男性が白髪を染めることに強い抵抗感がありました。でもアカウント担当のマイク・アナスタスはいいます。「当社の調査部によると、関心度はすごく高かったから、市場は有望視された」
テスト・マーケットはフロリダ州ジャクソンビルで行われましたが、保守的な男性も抵抗なくドラッグ・ストアで入手しました。この結果をえて、全国展開の幕が6月10日に切っておとされたのです。コマーシャルは、より齢取った男性、より若い男性、自由職業人、ホワイトカラー、ブルーカラー、その他……さまざまな層に語りかけました。


その結果、いまでは、世界の---というより、中国、韓国、日本の政治家が「ハーフ&ハーフ」ゲームのモデルにふさわしくなっている。。
日本ではとりあえず、亀井○香大臣センセにモデルをお願いしてみたいなあ。撮影時には、クセの大股びらきだけはやめていただきたい、製品の品位を落とすからと。