創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(136)レオン・メドウ氏とのインタヴュー(5)

    (Mr. Leon Meadow Vice-President, Administrator Copy Dept. DDB

6分間は5分より長く、10分より短い、1時間の10分の1です、読むのは6分。しかしいつか、この道草について60分考えることになります。あるいは6日間…


レオン・メドウ氏とのインタヴュー
(1)(2)(3)(4)

好きな自作は、ベター・ヴィジョン協会とフランス政府観光局

chuukyuu「ベター・ヴィジョン協会のキャンペーンを書いていらっしゃいましたね? あれ、好きです」
メドウ「あれは、もう、書いていません。あの協会は、もう、広告をやっていないのです。あの組織の内部にいろいろ問題がありましてね、存在はしているのですが、活動は以前ほど活発ではないのです」
chuukyuu「これまでにお創りになったものの中で、とりわけのお気に入りは?」
メドウ「そうですね、気に入っているのものの一つは、ベター・ヴィジョン協会、もう一つは、フランス政府観光局のものです」
chuukyuu「それぞれをお創りになった時のエピソードや、お好きだおっしゃるわけをお話しください」
メドウ「ベター・ヴィジョン協会では、とくに、少女の異常な目を写した、あの写真です。
気に入っているわけは、賞をとったからではなくて、世間のたくさんの親たちが、私に手紙を書いてくれたのです。書いてあるのは、あの広告のおかげで自分たちの子どもにもあのように目に障害があるということに気づいて、医者へ行って手術をした結果、現在では子どもの視力が正常になったという、感謝の言葉でした。
私にとって、これ以上の高価な報酬、喜びはなかったですね」

メドウ氏がもっとも気にいっている自作の一つにあげたベター・ヴィジョン協会のキャンペーンの広告



アン・フリンの両親がこの写真の使用を許可したのは、なぜでしょう?

理由は2つあります。
(1) 適切な手当てを受けた彼女は、いまではすっかりよくなっていること。
(2) フリン家の問題は(あなたもご存じのように)すべての子どもの目の問題につながっていること。
すべての親ごさんに、アンほどひどくはないとしても、目の障害のことを知っていただきたいと思ったのです。それは発見しにくいことです。あるいは、さほど重要とみなされないで見過ごされがちです。
ご注意ください。お子さんが3歳になる前に目の専門的な検眼を受けさせてごらんなさい。学校にあがって初めてやるというんではなくて---その後は年に一度ずつ。
とりわけ、このことをお忘れく。ほとんどの目の問題は予告なしに迫ってきます。しかし、徴候はあります。あなたに即刻の行動をうながすつぎのような徴候です。
1 しつっこく頭を傾ける。
2 過度に眉を寄せたり、ひどく斜視する。
3 過度に目をこする。
4 片方の目を閉じたり伏せたりする。
5 本を目に近づけすぎる。
6 読んだあと、頭痛を訴える。
7 普通よりもまばたきの回数が多い。
8 目の動きを異常に繰り返す。


Why did Anne Fiynn's parents allow us to use this picture?

There are two reasons.
First---because Anne has now had proper treatmentt, and everything is fine.
Second---because the Flynns are deeply concerned (and you can understand why) with the seeing problems of all children.
They want parents to know about trouble signs that aren't as obvious as Anne's. That go undetected. Or may be overlooked because they don't seen very important.
Play it safe. See that your child gets a professional eye examination before age three. Certainly, before first starting school. And once a year thereafter.
Above all, remember this. Most vison problem begin without any waring. But there are some sign, such as the following that call for your immediate action.
1. Persistent tilting of head.
2. Excessive frowningor squinting.
3. Excessive rubbing of eyes.
4. Shutting or covering one eye.
5. Holds books tooclose to eyes.
6. Headaches after reading.
7. More blinking than usual.
8. Unusual repeated eye movements.


(つづく)


【参考】
ベター・ヴィジョン協会の広告 Advertisements for Better Vision Institute
(1) (追補)