創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

03-05 市川教授の等価変換理論

続いて市川教授の創造理論として有名な「等価変換理論」(「創造」創刊号、『等価変換展開の理論の定義』)を紹介しましょう。 これには二つの理論体制があって、それが、単独もしくは相互に補足し合って成立するとされています。 第1理論(スタティックに定…

02-05ペア・チームの職務範囲

なぜこんな方式が採られるのかといえば、DDBのクリエイティブ・ワークは、コピーライターとアートディレクターによるペア・チーム制で進められるからです。 クリエイティブ作業が踏まねばならないほとんどの段階が、ペアで進行するのです。 パーカー夫人の言葉…

01-05バーンバック氏が語った経歴 

バーンバック氏に過去を語らせたただ一人のジャーナリストは、アド・エイジという専門雑誌のデニス・ヒギンズ記者です。問「バーンバックさん、あなたはどういうことから広告コピーを書くようになったのですか?」バーンバック「ええ、じつは私は、おおぜい…

(4)バーンバック氏、DDBの環境を語る(その1)

社内報『DDBニュース』1969年7月号に掲載された同誌編集長サンドラ・カール夫人とのインタヴューを、許可を得て『DDBドキュメント』(誠文堂新光社 1970.11.10)へ翻訳収録したものです。 DDBの20年来の広告哲学 問「DDBの成功以後、<クリエイティブ・エー…

(3)ベター・ヴィジョン協会キャンペーンの追補

6分間は5分より長く、10分より短い、1時間の10分の1です、読むのは6分。しかしいつか、この道草について60分考えることになります。あるいは6日間…[DDBの広告]ベター・ビジョン協会、で紹介した、ベター・ヴィジョン協会のキャンペーンについて、『DDBニュー…

03-04 イマジネーションの結晶化

1964年の大統領選挙の時、ジョンソン大統領のために『野菊と少女』という題で呼ばれて、政治広告の最高のテレビ・コマーシャルとされているフィルムをつくった、幹部コピーライターの(スタンリー)リー氏は、 「バーンバックさんが私に話してくれた助言…こ…

02-04 直接に担当者が指名される

しかし一方、監督者が実作をすれば、それだけ監督業務がおろそかになるのではないか…という疑問も残るでしょう。 DDBのクリエイティブ部門における監督業務はどうなっているのかを話す前に、クリエイティブ部門の組織を知っておきましょう。 クリエイティブ…

01-04 最初はブリタニカのために書いた

バーンバック氏のことを、大変なはにかみ屋さんと申しました。50幾歳の人をつかまえて、はにかみ屋さんというのも妙な言い方ですが、これはじつは、DDBのある幹部の表現なのです。「ビル(注・バーンバック氏の愛称)って、自分のこととなると、ほとんど話さ…

TIME誌に掲載したPR広告

[TIME]誌が、広告ビジネスで世話になっている広告代理店に1ページを提供して自社のPRさせたのです。 DDBのは、1969年10月3日号に載り、1400人の全従業員に配布されているのを目撃。 自著『DDBドキュメント』(誠文堂新光社 1970年11月10日刊)の巻頭に据え…