創造と環境

コピーライター西尾忠久の1960年代を中心としたアメリカ広告のアーカイブ

[6分間の道草](556)DDBの秘密兵器---小道具づくり屋さん

ぼくの30代はヒッピーとサイケデリック・アートの全盛でした。
サンフランシスコのヒッピー・タウンで直径30cmのビニール製の原色のヒッピー・フラワーをしこたま買い込んできて、愛車の黒のVWビートルにところきらわずに貼り、表参道を乗りまわしたものだから、かなり目立ちました。


パーカー夫人はそのことを知っていて、あるとき、エナメルでヒッピー・フラワーを描いた掌サイズのビートルのミニチュアを「小道具師のジョーに描いてもらったのよ」と呉れました。


DDBにジョーという小道具係がいたことはそれで知ったのですが、こんど、資料庫から出てきた『DDBニュース』で、ジョーの全貌がわかりました。
こういう人材がいて、クリエイティブ・チームは自由に発想をとばすことが可能なんですね。うらやましい。


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on "DDB NEWS”May issue, 1968


DDBを縁の下で支えている男


ジョー・アレグューはいろんな物を手づくりします。
どんな次元のものでも。
プラスチックの角氷から箱や玩具。木製の物はもとより、粘土づくりの物から、あなたが知らない材質のものまで。
ジョーは、12年間(1968年現在)DDBにいますが、入ったのは販促部のスケッチャーとしてでした。
彼は、自分の手で作るのが好きだったので、あれこれ頼まれるとみんな作ってしまっていたので、諺にいう「変てこなものは何でも持ってこられ、ぼくの机が終着駅でした」
ほんと、なんでも作ってのけたのです。
いまでは「DDBの支柱を作る男」としてアート部に属しています。
ジョーのほとんどの作品は、ロング・アイランドのAmityvilleの自宅の仕事場で作られます。そこに各種の工具や機械類がそろっているからです。
作品、見ますか?

私たちは毎年、石膏づくりから始める必要なしです。


私たちはこれで、基本の同じVWを、とても長い間つくり続けているので、もうすっかり飽きてしまっているとお考えかもしれません。
しかし事実は、私たちはまだ研究を続けているのです。
私たちは、どうすれは最高の車に仕上げることができるかを研究してきました。また、どうすれば各部品をぴったりと合わせることができるかも研究してきました。この車は、実際に気密なのです。
ですから、私たちは、車の働きをよくするためには、非常に多くの時間をかけます。
今年は、ブレーキがより効率よくなりました。ヒーターのほか、20ばかりのものもよくなりました。
新しい部品をつくる時に私たちは、それが古い年式のものにも合うようにつくろうと努めます。ですから、VWが永久に走り続けるのを妨げうる何ものもないのです。また、外観が永久に新しくあることを妨げうる何ものもありません。
毎年、石膏づくりから始めるのだと、こうはいきません。
たった今、現在の型のよじれを伸ばしたかと思うと、すぐにまた、次のよじれに当面しなければならないのです。
来年型のための大変更の「大宣伝」ぐらい、私たちにとって理解できないものはありません。
あの人たちは、今年のは自慢のものじゃないのでしょうか ?


ガソリン病が続くようなら---


フォルクスワーゲンをためしましょう。
VWはガソリン問題解決に大きな効力があります -- すばらしく低燃費なので。
また頭痛も和らげます。オイルはクォートでなくパイントしか必要ありません。さらに不凍液も不要。
それに新車輸入時の神経のいらいらも和らげます。フォルクスワーゲン・オーナー総括保証は、どんな車もおよばぬほどの看護をします--- 病気中でも、健康時でも。
フォルクスワーゲンは本当にほとんどの車が治せない問題も治します。
なんなら2台お持ちになっては。


"Time" February27, 1973



たくさん運ぶ? それなら、箱だね。

まず、何席かシートを。    後ろへ行けるように通路を。
                            
天井にサンルーフを。     窓? 結果23、ドア5
                            
塗装をほどこして、と。  結局、VWステーション・ワゴンになりました。

この氷もジョーのプラスチック製? まさか---



シーヴァス・リーガルでもてなす時には、急に
氷の大盤振るまいなりませんか?


1969.4.19 『ニューヨーカー』



ハンド・ソーで原型を削りだす



仕事中のジョー