創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

[6分間の道草](902)ベスト・セレクション(92)

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DDBの自社広告を、つづけています。
そのあと、このブログをやめてもいい。


  
米国VW社とDDBが広告取引きに関する契約を取り交わしたのは1959年4月でした。
それから2年もたたないで、DDBは次のような自社広告を『ライフ』誌に掲載しました。多大の経済的功績による報償として媒体側が誌面を提供したのでしょう。
DDBはその誌面を自社広告につかいました。プレステイジ・クライアントとなったVWに敬意を表し、VWの広告を主賓席に招待して---。


あなたが車をつくっていたとして、こんな広告をお出しになりますか?


ほとんどの自動車メーカー---というよりも、この場合は、ほとんどの広告主---は、こんな広告には近寄ろうとしません。
フォルクスワーゲンは、そうは考えなかったのです。
彼らは、工場での検査についての話を人びとが読み、そして信じるようにするための、かなり驚くべき要素をこの広告が持っているとの私たちの考えに、同意したのです。
単なるトリックやギミックではない、話そのものから何かがにじみ出てくること。
ご覧のとおり、その何かを、私たちは出すことができました。
この広告の成功とは別に---それから全般的なフォルクスワーゲンの広告とも別に---こういう考え方もあるのです。
正しいアイデアを持つ広告代理店は、正しいクライアントを引きつけるものだと。


エスカイヤ』1963年6月号

引例の"Lemon" と見出しがきまった経緯と訳文はクリック




If you made cars, would you run this ad?


Most car makers---most advertisers, for that matter---wouldn't go near an ad like this.
Too negative. Too daring.
Volkswagen didn't think so.
They agreed with us it would take something pretty startling to get poeple to read---and believe---a story on factory inspection.
Not just a trick or gimmick. But something coming out of the story itself.
As you can see, we came up with that something.
Apart from the ad's siccess---and the saccess of Volkswagen advertising in general---there's another point here.
An advertising agency with the right ideas attracts the right clients.
Doyle Dane Bernbach Inc.


Esquire, June, 1963


Ads Series for VW beetle on[New Yorker's Archives](An index)←click [ニョーヨーカー・アーカイブ]によるVWビートル・シリーズ(総索引) ←クリック


追記: 2012年1月1日と2日に、VWオールド・ビートルのシリーズ184作品の総索引をアップします。