創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(521)TCCでのスピーチで映写するCD(その5)

この予告と呼びかけも明日で終わるのだが、それにしても、CDの予約がいままでのところ、お一人(前回の予告お一人を加えると計お2人)とは---!

『アド・エイジ』誌による20世紀のキャンペーンのベスト10のうち2キャンペーン(首位のVWビートルは明日アップ)も入っているし、ぼくをしていわしむれば、シーヴァス・リーガルは、トリスの「人間らしくやりたいな」と並んで、ベスト10入りするほどのものなんだが。お歳暮代わりにわかりの悪い上役、もっとアイデアをもとめているクライアントヘ、知的お歳暮として贈るってテもありそうだけど。

ま、ご同意いただけないものは、仕方がない。目線の高低はその人の体験の程度によるんだから。


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パート4Best 10 ads of Mobil that chuukyuu chose that chuukyuu chose



こんどの連休、どこでお過ごしに?


23,000人の方はここでお過ごしになるかも。この連休、くれぐれも安全運転を。


ビル あなたに生きていていただきたい。




Where are you spending the Holiday?

23,000 drivers and passengers will spend it here. Drive carefully this weekend.

Mobil We want you to live.

【社告広告】


                      1966年1月25日


この国にお住みの方々へ。

昨年、5万人もの同朋が道路上で命をおとしました。
私たちは、これはなんとかしなきゃあと思ったのです。
どれだけのことが私たちにできるかは、私たちにもわかりませんが、やってみなくちゃあということだはわかっています。
そこで私たちは、わが社の広告費を安全運転の呼びかけに使うことにしました。
生き残るため確実なヒントをお教えしましょう。
しかも、しつこく。
わかりきったことであろうとなかろうとおかまいなしに、 五体満足でいられることならなんでも書くつもりです。
私たちは、小言幸兵衛に徹するつもりです。
あなたが、車を弾丸を装填した銃のように扱うように、叱ったリ、嘆願したりするつもりです。
それで、1人の命でも助かれば、甲斐があったというものです。
ガソリンやオイルを売っているのだから、それだけの道義的責任を感じなきやあと思い、そうすることにしたのです。私たちは、皆さんに生きていていただきたいのです。                モービル




January 25,1966


Dear Americans:
About 50,000 of us crashed to death on the roads last year.
We want to do something about it.
We don't know how much we can help, but we know we have to try.
We plan to use our advertising dollars to talk about safe driving.
To give solid hints about surviving.
To drum it in.
To tell you some obvious and some not-so-obvious things we can all do to stay in one piece.
We want to be professional nuisances.
We will nag you and plead with you to treat your car as if it were loaded.
If only one person is helped, that's good enough for us.
We feel that there is a moral responsibility that goes along with selling gasoline and oil, and we mean to live up to it.
We want you to live.
Mobil


レーンを変えないでいればよかったのです。

 
ビルはあなたに生きていていただきたい




They should have stayed in the lane they were in.

A Not-so-subtle remeinder for driving safty on the Memorial Day weekend from the Mobil Oil Corporation.

Mobil We want you to live


キャンペーンの解説;

モービル・オイルは、1966年から1971年1月までの5年間、「私たちは、あなたに生きていて欲しい」という安全運転キャンペーンを行った。 新聞・雑誌への種々のPR広告、そして4本のテレビ・コマーシャル。予算はおよそ850万ドル(当時の換算率で約3億円)。印刷媒体向けは、紙面の3分の2以上を劇的な写真にあて、文章がバランスよく配置されている。
出稿は、祝日などの連休前に集中的に行われた。内容のいくつかを紹介すると、勤労者の日(Labor Day)の前に掲載されたのは、カーブした坂道での追い越しの危険性を訴えたもので、見出しは「前の車のドライバーが後の車のドライバーを殺すには?」答えは、「徐行」。もっとも強烈だったのは墓石の写真に「誰だって、感謝祭の日のお母さんの手料理には遅れたくはないんですがね」と添えたの。
モービルは、自動車が増え始めた1923年から1927年にも、安全運転キャンペーンをやっている。


The Mobil Oil Corporation began its driver-safety "we want you to live" campaign in 1966. During the first five-year period, through January 1971, it ran some SO different public-relations ads in newspapers and magazines and four television commercials, at a combined cost of about 58.5 million. These dramatic advertisements featured a large photo which took up two-thirds of the space; the copy, or text, occupied the balance.
Some of these advertisements were scheduled to run just before long holiday weekeneds. One that appeared before Labor Day showed a line of cars driving up a hill on a curve. The second car was about to pass. The headline asked "How is the driver of the first car going to kill the driver of the second car?' The answer that began the body copy was, "By driving too slowly."
Perhaps the most dramatic of the series showed a tombstone in a cemetery for a man "who didn't want to spoil his mother's Thanksgiving dinner by beinglate." The stone bore the date, November 26, 1970 Thanksgiving Day.
Socony, Mobil's predCl;essor company, ran a similar safe-driving campaign from 1923 to 1927, in the days when automobiles were just beginning to multiply.


これは合成(トリック)写真です。
気でも違わなければ、10階建てのビルから車ごと飛び降りたりする人がいるわけはありません。
もっとも、もの好きな人もいるかも知れませんがね。
私たちが言いたいのは、もし時速60マイル(約100km)で車を運転していて、何かにぶつかったとしたら、10階建てのビルから飛びおりるのとまったく同じ結果を招く、ということなのです。それに、まったく同じ場所にも、つれていってくれます。死体置場へね。
私たち、モービルは、時速10マイルから15マイルでの運転をおすすめしているのではありません。
もし皆さんが、そうなさったとしても、なんにもならない---というのが悲しい現実です。ひどい運転は、悲惨な事故をひきおこすのです。それだけのことです。
ですから、その気があるなら、このことだけは覚えておいてください。スピードに関係なく頭を使って運転しないと、頭そのものをなくしてしまう可能性が十分だということです。
私たちの確たる主張はこうです。
私たちの仕事は、ガソリンとオイルを売ること。私たちは、世界でいちばんよい製品を製造していると思っています。そして、皆さんに私たちの製品を楽しく利用していただくよう万全の努力を惜しまないつもりです。
Mobil 私たちは、あなたに生きていていただきたい。




This is a trick picture.
Nobody is crazy enough to drive off a 10-story building.
Or are they?
The fact is, if you hit something when your car is doing 60 miles an hour, it's exactly the same as driving off a 10-story building, And it will get you to exactly the same place: the morgue.
We at Mobil don't expect you to drive atl0.or 15.miles an hour all the time.
The sad truth is, it wouldn't help if you did. Bad driving makes bad accidents. Period.
So if you remember anything, remember this: "you don't use your head at any speed, you're liable to lose it at any speed.
We have a vested interest in telling you this: Our business is selling gasoline and oil. We think we make the best products in the world, and we want to do everything we can to make sure that you'll be around to enjoy them.

Mobil We want you to live.


アナウンサー】このデモンストレーションはモービルの実験です。

私たちは、10階建てのビルの屋上に車を運び上げ、そこから落としてスーパーポイントをつかもうとしているのです。

時速60マイル(約100km)で車を走らせ、何かにぶつかった状態は、このように車を落としたのとまったく同じなのです。


(嘆き悲しむ人々)。


スピードを出して車を運転する時、こういうことも起こりうるということを思い出してください。

60マイルで走る場合、停止するためには366フィート(約100m)必要です。

ですら366フィートあれば事故は防げます。でなければ-----ご覧のとおりです。

私たちの仕事はガソリンとオイルを売ることです。ただ、私たちが望むのは、常に必要な停止距離をもっていてほしいということです。


Mobil 私たちは、あなたに生きていていただきたいのです。


「ひどく緊張した時、ドライブがほぐしてくれます」

どれほど多くのドライバーが、その緊張ほぐしとやらのために毎日死亡しているか、誰も知りません。緊張は血圧の検査でわかるのですが、死亡してしまったドライバーの血圧は計りようがありません。また、死亡したドライバーの呼吸からでは緊張の有無を調べることもできません。
ですから、緊張による自動車事故はほかの原因による事故よりも多くのドライバーが死亡したり、不具になったりする<不法運転>という名の下に埋葬されなければなりません。
(1965年にはドライバーだけでなく5,000人以上の子供が自動卓事故で死亡しました)
そして、この自動車事故の最も悲しむべき要素は、2トン分のトランキライザー代わりに自動卓をお使いになるということです。まったく効き目がないことなのに。
それは、あなたの紫張を引延ばすだけなのです。肉体を使う運動の方がドライブより早く緊張をやわらげてくれます。その効果結も長続きします。

長めの散歩をなさってごらんなさい。子どもの自転車を修理してごらんなさい。地下室を掃除してごらんなさい。車を洗ってごらんなさい。芝を刈ってごらんなさい。奥さんと一緒にくつろいでごらんなさい。

これらの運動やその他もろもろの運動の方がドライブよりも効果が高く、しかも効き目が早いのです。なかには、もっと楽しいものもあります。
とにかく、すべてドライブより安全です。
もちろん、あなたが緊張していてドライブを差し控えている時はわれわれモービルとしても、いつもより少な目のガソリンとオイルをお頒けすることにします。ですから、お互いに常に明日があるということこなります。
明日も、その次も---


ビルはあなたに生きていていただきたい。




"When I'm all tensed up, driving relaxes me."

Nobody knows how many drivers are kille every day by tension is usually diagnosed by checking blood pressure. And dead drivers, naturally, don't have any.
Nor can tension ever be detected on a dead driver's breath.
So car crashes caused bJl tension have to be buried under the heading of "Improper Driving"---which every hour kills and maims more drivers than any other cause. (And not oniy drivers.
ln 1965, automobile accidents killed over 5,000 children.)
And the saddest part about it all is that using your car as a 2-ton tranquilizer doesn't even work very well.It actually prolongs your suffrings. Physical exercise works faster than driving. And lasts longer.Take a long walk. Fix the kids bike. Clean up the basement. Wash the car. Mow the lawn. Make up with your wife.
All of these and a million other exercises work belter and faster than driving. Some are even more fun. All of them are safer.
Of course, if you stay away from driving when you're keyed up, we at Mobil many sell a little less gasoline and oil today. But then, for both of us, there would always be tomorrow.And tomorrow. And tomorrow.

Mobil We want you to live.



運転している時のあなたが、本当のあなたです。


10分間、ある男の後について走れば、あなたは恐らくその男を雇うか、首にするか、その男と結婚するか、離婚するか、あるいは、そのまま続けるかということについて決定がくだせる筈です。
そして、あなたの後について走っている男についても、同様のことがいえるのです。
運転は私たちの中にある最上のものよりも最悪のものを明らかにするようです。
私たちは親友にさえ言えをいような秘密を見知らぬ人に暴露していることに怒るのです。あるいは私たち自身で認めているのです。
それがまず第-の段階ですね?
私たちはキーを入れる前に、自分自身をよく見つめて、もっと良くなれるんだということを認めるべきです。
ドライバーとしてだけではなく、人間として。
私たちは、変b者や精神異常者のことを話しているのではありません。ふだん車にのっている普通の人の話をしているのです。
あなたは、事故の大部分が、今まで事故を起こしたこともなく、ひかえ目なスピードで走っている、慣れたドライバーに起こるということを知るべきです。
事実、死亡者をだした事故のうち3/4以上は、家から10km以内の乾いた良い道路で起こっているのです。
前月この種の事故で、37,000人以上もの死者を出しました。57,000余の多くの死者は、自分勝手なドライバーによって死なさされたのでしょうか? それとも無作法をドライバーによって? あるいは、エレベーターやスーパーマーケットの中で人を押したお しのけたりするドライバーによって?  あるいは、ドアを大きな音をさせて閉めたり、人の顔にたばこの煙を吹きかけるようなドライバーによってでしょうか?
わかりません。実地検証では、平常の礼儀作法のことには一言もふれませんから。


ビルは、あなたに生きていていただきたい。




You drive like the man you really are.


Drive behind a man for ten minutes and you can probably decided whether to hire him, fire him, marry him, divorce him or have him put away.
And it follows that he who follows you can make the same decisions.
Driving seems to bring out the worst in us more often than best.
We reveal secrets to strangers that we wouldn't tell to our best friends. Or even admit to ourselves.
So that's the first step, isn't it?
Before we fum the key, we ought to take a good , deep look into ourselves and admit that we could be better.
Not only as drivers. As people.
We are not talking about screwballs or maniacs. We are talking about everyday people doing everyday driving.
So, it's important for you to know that the great majority of accidents happen to our experienced drivers, travelling at moderate speeds, who never had an accident before.
Indeed, more than three-quarters of car fatalities occur on nice, dry roads within 25 miles of home.
Three-quarters of car fatalities last year added up to more than 37,000 dead people.
How many of the 37,000-plus deaths were caused by the piggish drivers? The rude ones? The ones who push and shove in elevators and supermarkets? The ones who are either slamming doors or blowing cigar smoke in your face?
We'll neither know. Autopsies don't tell us anything bout common courtesy.
We do know that driving is a chance for the good guys of the world to win for a change. Simply by setting a decent example.
The man who says " After you" is more likely to get where he's going than one who says " Nuts to you." "Nice guys may finish last. But they finish."
We at Mobil are not amateur psychiatrists or amateur preachers.
We are professional sellers of gasoline and oil. We see all kinds of people in our business and we want to keep seeing them.
Respectfully, we urge every driver on the road to take that good. deep look inside himself before the coroner dose it for him.


Mobil We want you to live.
Mobil



ハイウェイ
睡魔
それを覚ます方法


ハイウェイの最悪事態はなにも事件がおきないということ。クルマで走って走って、走り続けているうちに、放心状態に陥いっていく。なにも注意する必要がなさそうなのでつい気を許してしまう。
こんな----事故のない時こそ事故は起きやすいのです。
困ったことは、頭をはっきりさせておくのがとても難しいということ。それだけになお頭をはっきりさせておくことは大事ともいえます。17の簡単な方法を以下に。
1. 窓を開けはなして、新鮮な空気を顔に当てる方法。爽快です。
2. 最低2時間に1回、クルマを駐車場に寄せて止まる方法。ただし、ごまかしはダメ。クルマから出て(たとえ雨でもです)クルマの周囲を22、3回まわし)ましょう。
3. ラジオで嫌いな音楽を聴く方法。オペラ・ファンならロックンロールを。逆ならそのように。それも少しうるさ目にかける。
4. なにかを気に病む方法。交通事故よりはガンの方がいいでしょう。
5. コーヒー沸かしを携帯する方法。クルマをとめても飲めない場合を考えて。
6. 百万ドルの使い道を考える方法。
7. 時々座り直す方法。上下、または前後に。
8. ポテト・チップスかプレッツェルみたいな音のする食べ物を買って、バリバリやる方法
9. 1時間ぐらいスーパー・ハイウェイを外れてわき道をゆく方法。美しい田園風景がひろがっています。それにうまくいけば通行料金を払わなくてすむかもしれない。
10. ちっぽけを料金受取所が集める金額を数えあげて怒る方法。
11. 独立宣言書をどの程度暗誦できるか、大声でやってみる方法。
12. 雨なら、ラジオがコマーシャルを流すたびにワイパーのスピードを変える方法。忙しすぎますか? それでは一度おきに。
13. 前を行くクルマが急停車したり、タイヤがパンクしたらどうするか? 自分のクルマがパンクしたら? と考える方法。役に立ちます。
14. ガソリン・スタンドに寄って、スタンドマンに話しかけてもらう方法。日を覚ましたいんだといって。
15. 棒チョコをポリポリやる方法。ウエストが気にならなければ2本どうぞ。
16. 警笛を鳴らす方法。本気で、時に冗談で。騒音は効き目があります。
17. もう17条ぐらい目覚まし法を考えて、ご自分で試してみなさい。


モービル(住所略)にお知らせ下さってもけっこうです。それをテーマに別の広告を出しますから。モービルがこうした広告を出す理由はいくつかあります。
一つには、みなさんに全国27,000店のモービル・スタンドに立ち寄って、ガソリンやオイルを買ってもらいたいということ。
当社の製品と従業員にはきっとご満足がいくはずです。しかし、いまは、みなさんがガソリンやオイルをお買い上げになろうとなるまいと、とにかくみなさんのお役に立ちたいのです。


ビルはあなたに生きていていただきたい




Highway
Hypnosis
and how to snap out of it.


One of the worst things that happens on the highway is that nothing happens.
You just drive and drive and drive and drive and drive yourself into a trance.
You become less alert because there seems to be less to be alert about.
And just then-when nothing is happening-anything can happen.
Unfortunately, it's very hard to get unstupefied. The trick is not to get stupefied in the first place.
Here are 17 simple ways to do it.
1 Keep a window open. Let the the fresh air hit your face, it will do you good.
2 Pull into s rest area and stop at least every two hours. Don't cheat. Get out (even if it's raining)and walk around the car, a few times.
3 PLay music you don't like on your radio. If you're an opera fan, play rock'n'roll. And vice versa. And a little too loud.
4 Worry about something. An ulcer is better than an accidet.
5 Take a thermos of coffee in case you can't get some when you stop.
6. Figure out what you'd do with a million dollars.
7. Change the position of your seat every now and then. Up and down, back and forth.
8. Buy some noisy food like potato chips or pretzels. Munch.
9 Take a side road instead of a superhighway for an hour or so. There's a lot of beautiful country out there. And with any luck, you may beat a toll.
10. Try to add up all the money they take in at one little toll booth. Get angry.
11. See how much of the Declaration of independence you can recite out loud.
12. If it's raining, change the speed of your windshield wipers every time you hear a commercial on the radio. Too often? O.K. Every other time.
13. Imagine what you would do if the car in front of you stopped short or had a blowout. Or if you had a blowout. It's good practice.
14. Pull into a service station and ask the attendant to talk you. Tell him you want to wake up.
15. eat a chocolate bar for the quick energy. If you're not worried about your waistline, have two.
16. Blow your horn at something, real or imagined. Noise helps.
17. Dream up 17 more ways to stay alert and use them on yourself. Or send to at Mobil. 150 East 42nd Street. New York .N.Y.l0017. and we'll make up another ad on the subject.


We at Mobil are running these advertisements for several reasons:
One is that we hope you'll llal we hope you'. stop in for gasoline and oil at any of the 27.000 Mobil stations across the country. We think that you'll be pleased with our products and with the people who sell them.
But above all, we want to be helpful, whether or not you stop in for gasoline or this time.
We want to do all we can to make sure you'll be around to try us next time.
Mobil We want you to live.

 



アメリカン・ルーレット(米国的賭け)


あなたをアメリカン・ルーレットに引きこむのは、それがとてもポーカー的だからです。
勝ち目を見るまで、やめられない。
あなたが今、40歳なら、あと人生はまだ31年あります。 31年というのは1,600万分にあたります。
だから、1分の勝ちをとるために、あなたの命をかけるとすると、あなたは実際には、1,600万に一つの勝ち目を待っていることになるのです。
お金を張ったら、そんな賭けをするでしょうか?
もちろん、アメリカン・ルーレットにはここで1分、あそこで1分というほかに、おいしいこともあるでしょう。
下にその特典を2,3あげてみました。得られるものと失うものとを比べてみてください。そうすれば、この魅力あるゲームが実際にはどんなものであるかがおわかりになるでしょう。


賭け 得点 負け
いちゃつきながら運転 スリルは増大 命がけ
飲酒運転 気持リラックス 命がけ
眠いまま運転 男らしさ証明 命がけ
信号待ちの後
真先にとび出す
勝利感 命がけ
センター・ラインを
はみ出ての追い越し
道路の王様気分 命がけ
坊主タイヤで
あと1ヶ月走行
得るものなし 命がけ


さあ、このゲームを続ける理由が見つかりましたか? これは、あなたがせっかく得たものをとっておくこすらできないゲームなんですよ。あなたは一度その賭けにノックアウトされた瞬間、たった一つのものを永遠に失わなければならないのです。
あなたにギャンブルの習慣があることと、私たちのビジネスとは無縁ともいえましょう。しかし、モービルでは、あなたに生きていていただくためにガソリンとオイルをお売りしているのです。そして、アメリカン・ルーレットのようなよくないもののためにお客さまがいなくなるのをただと立って見ているというのは難しいことです。少なくとも、そのゲームを壊そうともしないで、はね。

ビル  あなたに生きていていただきたい。 




American Roulette.


What sucks you into the game of American Roulette is that it seems so penny-ante,
Until you look at the odds:
If you're 40 years old, you have a life expectancy of 31 years to go, There are 16 million minutes in 31 years. So when you gamble with your life to gain a minute, you're actually giving odds of 16 million to 1.
Would you do that with money?
Of course, there are other prizes to be won, besides a minute here and a minute there, when you play American Roulette, We've listed afew of them below, Measure the possible gain against the possible loss and you'll see what a sucker's game it really is,


GAMBLE POSSIBLE
GAIN
POSSIBLE
LOSS
Necking and driving Added kicks Your life
A drink or two for the road A relexed feeling Your life
Refusing pull over when you are sleepy Proof of menhood Your life
First out of the parking lot Victory Your life
Bulling the slowpokes out of your lane King of the road Your life
Riding another month on bald tires Nothing Your life


Is there any point in continuing? This is a game where you can't even put away your winnings, You just have to lose once to be knocked out of the game for keeps.
Your gambling habits would normally be none of our business, But we at Mobil sell gasoline and oil for a living, and it's hard to just stand around losing customers to a shady operation like American Roulette. Without at least trying to break up the game.

Mobil We want you to live.


運転中に子どもの口をふさぐ、八つの安あがり法

子どもづれの運転は、そっちに気をとられがちです。
ひどいときには溝こ落っこちたり、木やほかの車につつこんだりします。
対策を講ずるなら出発前です。出発してからでは手遅れです。
以下は簡単にできる8つの方法です-----

(1) 出発前に10セント・ストアーへ行って手軽なおもゃ、絵本、マジック板、ゲームかパズルなどを買ってきます。それを別々に包んで順々に渡してやるんですね。
(2) いちばん大きい子をナビゲーターに仕立てるんです。いっしょに地図をあたったり、ルートをマークさせたり、道路標識や町名、川やおもしろそうなところを確認させましょう(あなたが方向オンチなら、とくに上策ですね)。
(3) 旅行のスクラップ・ブック係に子どもを任命しなさい。車を停めたら絵はがき、マッチ、メニュー、そのはか記念になるものを集めさせましょう。車に帰ってきた子どもたちに、それらをスクラップブックに整理させるのです。
(4) 「ガタン数え」というゲームをさせます。子どもたちに目をつむらせ、車が穴ぼこにガタンとおちる回数を勘定させるんです。(声を出して数えたら反則。口の中で勘定することと決めておきましょう)。
(5) 「ガタン数え」にあきたら、ほかのものを数えさせましょう。なんをだってかまいません。赤い車、青いの、パトカー、乗用車、女性が運転しているの---。適当にみつけてやらせるんですね。
(6) バスケットを持っていく法。靴の箱でもいいでしょう。中は糸巻き、ひも、虫めがね、パイプそうじゃなんか、がらくたをつめてかくんです。遊び方は、子どものほうで勝手に考えだしてくれますよ。
(7) 後部席に仮眠用のべットをつくってやりましょう。スーツケースを床に置いてシートと同じ高さにすれば、簡単につくれます(をにはともあれいつも使っている毛布とまくらだけは忘れないこと。
(8) だんまりっこ競争。だれがいちばん長く黙ってられるかを競います。


ほかに妙案がありましたら、教えてください。
(子どもを家に残しておくというのはダメ)ニューヨーク市42丁目東150番地、モービルあてか送ってください。つぎの広告で紹介させていただきましょう。
話はかわりますが、私たち、モービルの本業は、ガソリンとオイルを売ること。しかも今後ともずっとそうであるつもりです。
私たちが、あなたのお子さんにガソリンやオイルをお売りするようになるまで。

ビルは、あなたに生きていただきたい。




8 cheap ways to shut the kids up when you're driving.

orse than that, it can drive you into a ditch or a tree or head-on into another car.
The trick is to do something about it before you leave. Later may be too late.
Here are 8 possibitities:

1. Before you start out on a trip, go to the dime store and buy some soft toys, coloring books, magic slates, games or puzzles. Wrap them individuaIJy and give them out along the way.

2. Make the oldest kid the Navigator. Go over the map with him, mark the route, and let him watch for road signs, towns, rivers and places' of interest. (This is an especially good idea if you're not too good at it yourself.)

3. Have the kids keep a Scrap Book of the trip. When you stop, let them collect postcards, match covers, menus and other souvenirs. When they get back in the car, they can paste them in the Scrap Book.

4.Play a game called Count Bumps. The kids cover their eyes and count the bumps the car goes over. (Make a rule that they nave to count to themselves, not out loud.)

5. When they get tired of counting bumps, get them to count something else. Anything else. Red cars. Blue cars. Police cars. Stars. Women drivers. Anything. Anything.

6. Take along a Junk: Box. It can be a shoe box full of spools, string, a magnifying glass, pipe cleaners, any old things. The kids will make up their own games to play with the junk.

7. Make a bed in the back for naps. You can do this easily by putting suitcases on the floor to level with the seat. (Whatever you do, don't forget favorite blankets and pillows.)

8. Suggest a game of Keep Quiet. Whoever keeps quiet longest wins.

If you have some pet ways of your own (leaving the kids at home doesn't count), let us in on them. Send them to Mobil, 150 East 42nd Street, New York, N. Y. 10017 and maybe we'll pass them along in another ad.

Mobil We want you to live.


スリップ(スキッド)しながら、生き残って体験談を語るには---


サア大変 危機一髪!
この写其のようにクルマをころがしている時危いことになったら、切り抜ける万策はこう。
(1) ブレーキから足を離す。
(2) アクセルから足を離す。ただしゆっくりと。
(3) さて、次が肝心なところ。ハンドルを少し右に切る。つまり、クルマがスリップする前に向かっていた方向に切るのです。
ア、ダメダメ。少し切りすぎです。ほんの気持半分で十分。それくらい。さあクルマは元の状態に戻りかけています。
でもこんどは反対側こカーブしかけた。大丈夫。気を楽に。クルマを行きたい方向に戻しなさい。
まったく理屈通りのことです。
スリップしている間はクルマのハンドルを行きたい方向に切っていればよいのです。しかし、ゆっくりと。
とかく急激な動作は悪い結果を招きます。
以上の事さえ知っていれば、どんな危険に出会っても大丈夫かというと、残念ながらそうではありません。
ただ、苦境を脱することはできます。スリップだけで済み、それから起きる事故には見まわれずに済みます。
さあ、もう一度やってみて、身体を使って、まわりを気にしないで今すぐに。気が狂っていると思われたってかまいません。
(1) ブレーキから足を離す。
(2) アクセルから足を離す。
(3) 目的の方向にクルマのハンドルを切る。ゆっくりと。この辺のカンをよく呑みこむこと。もし、クルマの車首が左に曲りかけたら、ハンドルを心持ち右に切る。逆も同じ。これをクルマが元に戻るまで続けます。
モービル社がお願いしたのは、どうか天気の悪い日に、先ず、スリップしないように気をつけて運転して下さいということです。
しかし、クルマはスリップするもの、それならスリップを無事に切リ抜ける方法を心得ておくことです。
当社の製品を試す機会がなければ、永遠にその優秀性は分らず終わりになってしまうでしょうから。

ビル あなたに生きていていただきたい




How to skid and love to tell the tale.

Oh boy. Are you in trouble!
You're driving the car in this picture and you're up against it. This is what to do,
1. Take your foot off the brake.
2. Take your foot off the gas. Slowly.
3. Now this is touchy . Torn your wheels a little to the right, in other words, steer the back to the way you were going.
No, No, No. That's too much. Just touch. That's it. Now you're straightening out.
But now the car's going the other way, O.k. Easy does it. Turn in the direction you want the car to go.
It's the logical thing to do.
As long as you keep skidding, keep pointing the car where you want it to be. But do it gently. Anything sudden makes everything worse.
We wish we could say, that this method does works every time you get into trouble.
Unfortunately, it doesn't; no method does.
But it can get you out of a tough spot. And it can keep a skid from going out of control alltogether.
So let's try it again. Act it out. Right now, wherever you are. Never mind how silly you look.
1. Take your foot off the brake.
2. Take your foot off the gas.
3, Steerthe car back where you want it to go. Easy.
Easy. Get the feel of it. If the front of the car is going to the left, nudge it over to the right. And vice versa, until you straighten out.
We at Mobil hope that you'll drive csarefully enough in bad weather to keep from skidding in thre first place.
But skidding does happen.
And we want you to know how to handle a skid because you'll nrver find out how good our products are if you aren't here to try them,

Mobil
We want you to live.


死が2人を引き裂くまで


詩の中でなら、愛のために死ぬのは美しいことかも知れません。
しかし、車の中で愛のために死ぬのは、醜く愚かしいことなのです。
それなのに、車に乗ること自体にではなく、車の中での恋に夢中になっているカップルを、あなたはど
けだけ多く見てきたことか? あるいはあなたと自身が恋を楽しんできたことか? 死と肩を並べている生活に馴れっこになってしまったからでしょうか?
私たちは、若者を鋼鉄の山の中に埋葬することを暗黙のうちに認めている国民なのです。しかも、向こう見ずな若者だけでなく、純粋無垢な子どもたちまで。
だれもがこの事実に驚くばかりで、どうしていいか分からないでいるのです、しかも信じる信じないはともかく、15歳から25歳までの若者の死の筆頭は、自動車事故だというのに。
親たちは心配して、強に車のキーを採り上げます。保険会社も警戒し、高い保険料率を設定します。運転者のだれひとりとして思い止どませることができないのです。
(冷静な心をもった)統計学者でさえ、1970年には、毎年14,450人の若者が車の中で死んでいくいう数字を明らかにして警告を発しています。
もし、 毎年14,450人にのぼる若者が交通事故で死んでいくとしたら、これはベトナムでの若い犠牲者数をはるかに上回ることになるのです。
私たちが国に納めている税金は、小児マヒ一掃のためだけにしか使われていないということなのでしょう?
あるいはジフテリア天然痘を根絶するための医学のためだけに?
ハイウェイでの若い犠牲者を出さない社会とは、いったいどんなものなのでしょうか?
これこそ現在の米国がかかえている大きな問題なのです。
信じられないことですが。
若者はベスト・ドライバーであるべきです。悪質ドライバーではなく。
彼らは、鋭い視覚、すばやい反射神経をもち、細かく神経を配れるのです。多分、車の性能にも、より精通してるはずです。
だからなんだというのです。
彼らは大パカ者で勉強できないというのですか? 利口すぎて、分かりきったルールに従うことなどできないというのですか? 自信過剰になるのでしょうか? なさすぎるのでしょうか? あるいは、単に未熟な若者だからなのでしらょうか?
手遅れの事態を招く前に、思慮分別をわきまえた若者になってもらうにはどうすればいいのでしょうか?
よりよい運転者になってもらうために、学校に講座を設けてみっちりと教育するというのも一つの方法です。放課後でも、作業が終わってからでも、夏休みでもいいのです。
免許交付をきびしくする。悪質な運転者を罰するかわりに優良な運転者を表彰する。交通法規を全国統一する(現在は州によって異なっています)、ラジオ、テレビ、新聞を通じて交通問題をとりあげさる。独りよがりを少なくする。
以上は、私たちが提案するさほど厳しくない解決策の一例です。
若者に運転を止めさせることはできませんし、そうすべきでもありません。
安全運転技術を身につけた運転者という仮定の上に立って彼らを教えれば、それだけで彼らはそうなろうとするのです(この教え方は医学や法学に用いられているのに、なぜ、運転者教育には適用しないのでしょうか)。
私たちモービルは、宣教師でも教師でもありません。私たちは生活に必要なガソリンとオイルを売っていまのです。私たちは、あなたに可能性あるお客さまになっていただきたいのです。
今日のお客さまではなく、あすのお客さまに---。
私たちは、若者からお年寄りまですべての方々に、万人平等に与えられた明日を自分のものにしていただきたいだけなのです。


ビル あなたに生きていていただきたい。




Till death us do part.


It may be beautiful to die for love in a poem.
But it's ugly and stupid to die for love in a car.
Yet how many times have you seen (or been) a couple more interested in passion than in passing ? Too involved with living to worry about dying?
As a nation, we are allowing our young to be buried in tons of steel. And not only the reckless lovers---the just plain nice kids as well.
Everyone is alarmed about it. No one really knows what to do. And automobile accidents, believe it or not, continue to be the leadling cause of death among young people between 15 and 24 years of age.
Parents are alarmed and hand over the keys to the car anyway.
Insurance companies are alarmed and charge enormous rates which deter no one.
Even statisticians (who don't alarm easiIy) are alarmed enough to tell us that by 1970, 14,450 young adults will die in cars each year.
(Just to put those 14,450 young lives in perspective, that is far more than the number of young lives we have lost so far in Viet Nam.)
Is it for this that we spent our dimes and dollars to all but wipe out polio? Is it for this that medical science conquered diphtheria and smallpox?
What kind of society is it that keeps its youngsters alive only long enough to sacrifice them on the highway? .
Yet that is exactly what's happening. And it's incredible.
Young people should be the best drivers, not the worst.
They have the sharper eyes, the steadier nerves, the quicker reflexes. They probably even have the better understanding of how a car works;
So why?
Are they too dense to learn ? Too smart to obey the obvious rules? Too sure of themselves? Too un-sure? Or simply too young and immature?
How can we get them to be old enough to be wise enough before it's too late?
One way is by insisting on better driver training programs in school. Or after school. Or after work. Or during summers. By having stricter licensing requirements. By rewarding the good drivers instead of merely punishing the bad ones. By having uniform national driving laws (which don't exist today). By having radio and TV and the press deal more with the problem. By getting you to be less complacent.
Above all, by setting a decent example ourselves.
Nobody can stop young people from driving. And nobody should. Quite the contrary. The more exposed they become to sound driving techniques, the better they're going to be. (Doctors and lawyers "practice;" why not drivers?)
We at Mobil are not preachers or teachers. We sell gasoline and oil for a living and we want everyone to be a potential customer.
If not today, tomorrow. And we want everyone, young and old, to have his fair share of tomorrows.


Mobil We want you to live.




私たちは、ガソリンとオイルを売るのが商売で、恋に反対しているのではありませんが、ドライブのときには同時になさらないでください。

私たちは、あなたに生きていていただきたいのです。


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今月20日夕べにTCC(東京コピーライターズクラブ)の有志とのミーティングでおこなう[全米を吹きまくった1969〜'70年のクリエイティブ革命、広告革命---黄金の10年 Golden Decade---あれはなんだったのか---]その実態をあきらかにする、当時の6キャンペーンのなかからchuukyuuが厳選した作品を各10点ほど、CDに焼いたものをアップします。


20日当夜には、これを映写して1960年代を眼前に再現するとともに、そのCD(原文・和訳、エピソードつき)を特別限定頒布します。


持ち帰って社内でタタキ台になさったり、クライアントとの目線決めにも使えましょう。


当夜、懇談終了後に購入してお持ち帰りになりたい方は、このブログのコメント欄に、今月15日までに、ハンドル名(または本名)を書き込んで予約してください。



CDは、会場で代金(1000円)と引き換え。予約数しか、持参しません。

(メールで配信された招待状では、上記が伝わりにくいようなので、ぶしつけですが趣旨を書かせていただきました)


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会員の方で当日、ご出席になれない方で、CDをご希望の方は、当ブログ2009年10月25日(←年月日をクリックの末尾の追記にしたがってご予約ください。

なお、会員以外の方の受付は、数日後に当ブログに詳細を発表させていただきます。




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