創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

日本経済新聞社



松下武史 クリエイティブ・ディレクター/コピーライター
1983年AET入社、1995年独立後7年、株式会社CPUを設立。現在は再びフリーに戻りクリエイティブ・ディレクターとして活躍する傍ら、若手クリエイターや営業職および宣伝担当向けの研修セミナーでの講義等、多方面にその活躍の場を拡げている。


柴野雅一 AET制作本部長/クリエイティブ・ディレクター
1988年AET入社、2005年より制作本部長就任。入社当時より松下氏とともに日本経済新聞社の広告展開に携わる。




S:ぼくたちの日経の仕事で、多くの人たちの目にとまっているのは、電飾広告だけど…。


M:電飾広告って、地下鉄の駅のホームの向こう側、つまり線路側の壁に設けられている、内側から照らしている大きな窓のポスター…。


S:そう。1年に2回、貼りかえるから、1つの図柄が6カ月間は見られている。


M:それだけに、日経のセールス・イメージを代表している…。このところ、ずっと女性モデルが登場しているから、キャリア・ウーマンに強く訴えていることは、きちんと受けとってもらっているようだ。


S:キャリア・ウーマンだけに訴えているわけではないけれど、最大限の受け手を意識する表現としては、こうなってしまう。


M:それにしても、20年間、アート=コピーのコンビネーションがつづいた。


S:双方が、コピーを出したり、ヴィジュアルのアイデアを出しあったからだね。


M:そう、タイトルどおり、「われわれの仕事」っていえる。それもね、僕なんかは西尾さんから教わったコピー・プラットフォームっていう仮説の立て方があって、まず商品の特徴を掴んで、それをターゲットのベネフィット(利便)に置き換えるっていうやり方。これって、ブランディングだなんだって最近ミミタコで言われてる部分の方法論と全く同じ。


S:クライアントの話で言うと、これも西尾さんが言った話なんだけど「良い広告、つまり良いOutputのためには、良いInputをすることだ」って。これってつまり「良い広告には、良いオリエンが不可欠」ってことでしょ。


M:表現で説得するのがわれわれの仕事だから。


S:キャッチ大きく!(笑) なにせ「うちは言葉の会社だ」って、初めての会議で言われてからもうずっとトラウマ。


M:コピーの立場としてはいつもキャッチに何かアンサーのあるコピーを書こうと心がけてきた。人目を引くようなアテンションだけのキャッチじゃなく て、常に何かそこにソリューションがないといけない。だからキャッチなのかリードコピーなのかって言われたらかなり微妙。




【作品】
「ある日、日経は顔に出る。」
1995年


「こう見えても、日経は読んでいる。」
2001年


「仕事、好き。」
2006年