創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

[6分間の道草](909)ベスト・セレクション(99)

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オーバックス(「ハイ・ファションをロー・プライスで」が経営方針で、衣料品中心の廉価がうりのマンハッタン34丁目ほか州南部にチェーン店展開しているデパート)の新聞広告。
(オーバックスはDDBの創業以来のクライアント)


聞いたところによると、バリ・コレを高額で購入したアメリカの高級デパートは、ニューヨーク港で仮に税関を通過させてコピー、すぐ戻し、カナダあたりへセカンド・プライスで売ってしまうから「ハイ・ファションをロー・プライスで」が実現できるのだとか。
実際に目にしたわけではないので、確答できませんが。




木曜日に、オーバックスでご覧ください。  (1959年)
オーバックス史上最大の輸入コレクション! パリ、ロンドン、イタリア、マドリッドからの最高の
ファッションのすべて! デザイナーさえ驚いた完全なコピー……時間をかけてできたホンモノ! 
その仕上りのすばらしさ、すてきなお値段をご覧になれば、待っただけのことはあると、きっと思っ
てくださるはず! 木曜日の1時、当店のすてきなファッションショーをご覧ください。


火曜日夜10時30分より7チャネルをご覧ください。 (1960年)

オーバックスがTVで30分間、世界でいちばんスリリングなフッション番組をお送りします。
マギー・マックネリーの解説でパリとイタリアの「オートクチュ−ル1960」です。
木曜日にオーバックスヘいらしてお求めください。
パリの最新ファッションを売りに出します。オートクチュールで、最新流行のシルエットや一流デザイナーの作品をお見せします……違うのはお値段だけ! 早目にオーバックヘいらしてください……そして1時15分のファッション・ショーまでおとどまりください。

パリ、オーバックスを侵略。 (抄訳)


でも、それも3月18日木曜日までのことです。4日間というのは、そう長いあいだではありませんよ。

1965.03.14 ニューヨーク・タイムス