創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(640)[ニューヨーカー・アーカイブ]を基にエイビス・シリーズ(32)

ハーツが広告代理店を、新進のカール・アリー社に変え、新しいキャンペーンを準備中にも、
エイビスは、これでもかと、挑戦的な姿勢をくずしません。


マジソン街はもとより、業界ニュースをもれ知ったヤンキースたちも興味津々で
ハーツの出方を見守っていました。


対岸の火事は大きいほど面白い---です。



私たちは、世界中で
一所懸命にやっています。


この広告で、レンタカー業界における私たちの負け犬のイメージはこわれてしまうかもしれません。
でもエイビスは38ヵ国で営業している・・・ということを秘密にしておけなかったのです。
私たちは依然として2位です。そしてやっぱり1位は私たちに勝っています。ということは、つまり、私たちがニースでお貸しするシムカは、ニューアークでお貸ししているブリマスと同じぐらいきちんとしているということ。
たしかに、エイビスのバッチを各国語に翻訳するときは大ごとでした。「私たちはもっと一生懸命やります」という意味に最も近いドイツ語は、「自然に頑張ってしまいます」となります。イタリア語では、「もっとたくさん、召してもっとよくやってみせます」
いずれも、いずれも。外国におけるエイビスの扱い店を忙しくたちまわらすのに十分な訳にはなっています。自分にもっと働くよう強いる(スペイン語の意味)と書いたバッチをつけていれば、自然と自分からそうしなければならない気分になってくるものです。
この中のどれかお気に召したのがおありでしたら、エイビスにいらしてください。車にご用はなくっても。


C/W ダビッド・ハーツブロン David Herzbron
A/D ヘルムート・クローン Helmut Krone
"The NEWYPRKER" 1966.06.11 1966.02.19

こちらは、『ニューヨーカー』ではなく、他の雑誌媒体に掲載された広告です。



エイビスは1.5位だって
信じられますか?


マナーどおりに言うと、私たちはまだ2位です。
しかし4年間、一所懸命にやった甲斐あって、1位との差を約半分に縮め、数字的には1.556位です(最近の主要26空港の統計より)。
トップに接近するとどんなことが起こるでしょう。人はさらに努力するのです。
たとえば、アーニー・フートのように。
期限切れの州外免許証をお持ちのお客さまが来店された時のことです。アーニーは、免許試験のため、お客さまをハイウェイ・パトロールまでお連れしました。お客さまは免許証を取得され、ピッカピカのプリマスの新車で出発されました。
私たちのスタッフがスコアを伸ばしていることは明白です。
もう優勝旗の匂いを嗅ぎとっています。