創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(642)[ニューヨーカー・アーカイブ]を基にエイビス・シリーズ(33)

この4月23日---つまり4ヶ月前に掲載したものを再掲載しています。
このところ、エイビスの出稿、変ですね?


エイビス側になにかが起こっているのか?
DDB側に異変があるのか?
ハーツがやっと反撃に転じてきたというのに---。


ほかの雑誌媒体では、2ヶ目のような新しい原稿も出稿されているのに、ね。


この年、ニューヨークへ行っていたか、パスポートの記録をしらべてみなくちゃ。




エイビスの車が出払っていたら、
私たちの競争相手からでも
車を調達します。


私たちは気取ってなんかいられません。2位なんですもの。
私たちは同業者中(1位も含めて)に問いかけます。
あなたにお回しできる車を持っているところなら相手かまわず。
空港で、金庫に鍵をかけてでも、競争相手のところへ手当てに行きますよ。
じっさい、あちこちで、頻繁に、見かけていらっしゃるのが、私たちのぴっかぴかのプリマスだとお知りになったら、きっとお驚きになります。
国内では、総計35,000台を常備しています。
ですから、すべてのエイビス車が出払ってしまうなんてこと、滅多にはありませんがね。
(予約をお入れいただいておけば、ご安心です)。
また、私たちの競争相手の車がまわされるご懸念もないわけです。
このことは、エイビスのお客さまにとっていいことであり、それは競争相手も心得ています。
競争相手にはチャンスですからね。


C/W ジャック・ディロン Jack Dillon
A/D ヘルムート・クローン Helmut Krone
"The NEWYORKER" 1966.08.27, 1966.04.23


"The NEWYORKER"ではなく、他の雑誌媒体に掲載されたエイビスの広告。
赤は、エイビスのコーポレイト・カラー(企業が象徴として採用している色)




エイビスは、より大きな軍団に
攻撃されています。


私たちの強敵手の一つは、「エイビスの強がり広告もどき」というのを連載しています。やりたいなら、やらせておきましょう。
でも、これだけはいっておかなくちゃぁ。向こうの大きさ、そして、エイビスが可愛らしいほど小さいって印象づけていることを。
最近、先方さん、あんまりかっこつけてられないみたい。
私たちが差をどんどん縮めてますからね。
先方さんの軍団は、トラック込みで104,000台。こちらは7万1,000台。
この数字についてつけ加えますと、プリムスのすてきな新車はまだ加えていません。
No.1は、私たちがどこまで追いあげてきているかを知ってるはずです。
私たちがかつての小軍団のままだとしたら、あんな広告を連載するはずがありませんもの。


C/W ジャック・ディロン Jack Dillon
A/D ヘルムート・クローン Helmut Krone


日本でいう「判官びいき」と似たような言葉が
アメリカにもあるんでしょうね、「負け犬びいき」?