(393)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるビートル・シリーズ(90)
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注意深く、ボディ・コピーの訳文直下のクリエイター・クレジットに目をとめている人は気がついていると思うが、この作品は、コピーはDDBのC/W第3世代ともいえるジョン・ノブル氏、A/Dは第4世代のボブ・クーパーマン氏であることを知ろう。
DDB流の人材養成法の一つをこのクレジットに見る。
ノブル氏はそれまでDDBのA/D第3世代のロイ・グレイス氏と組んでビートルの広告をつくり、数々の賞をとりまくっていた(広告賞をとることをDDBは社として薦めている)。
ロイとジョンが完全に一人前に育ったとみると、チームを分け、次世代の若手(年齢ではない。開花時期である)とチーム替えする。
そこのところを理解し、チーム替えの実例を学んでもらうためのクレジットのリサーチで、そのために、わざわざ、大きな時間をさいている。
リサーチのソースは3つ。
1は、30年分買いそろえていた『ニューヨークADC年鑑』---某所へ全冊寄贈したら、ボヤで水をかぶって半分以上が廃棄されたらしい。
2は、隔月刊『アートディレクション』誌。これに作品がとりあげられるのをクリエイターたちは心待ちしていた。(じつは、米国の話は結構という不遜な声々を耳にしたとき、全部クズ屋にだした)
当時の日本で1.をそろえていたのは榊原 健氏とぼくだけだったのだが、榊原氏の消息をツイッターで求めたが不発!
2.をもっていそうなのは、関西で活躍していた福田成美氏だが、連絡がとれていない。ご存じの方コメント欄へご一報を。
3.は、10年分の月刊『DDBニュース』。きょうのクレジットはこれによっている。
「ロバは死んだらおしまい、つぶしがききませんでのう」
3年前、ミズーリ州ドラに住むヒンズリー家では、ある決心をするのに迷っていました。
新しいロバを買うべきか。
中古のかぶと虫に出費すべきか。
一家は両者の可能性を比較検討しました。
第一の問題---地元オサーク丘陵地等のきびしい冬です。温血動物のロバにはきつい。しかし空冷式のVWにはさほどきつくない。
次---この競争者同士の食習慣。まぐさ対ガソリン。
ヒンズリー氏はいいました。「私は1ドルのガソリンで130km以上の距離を走り、はるかに速く目的地に着いた」
さらに、一家の山小屋へ行く道の問題。
荷車を引くロバや、従来の自動車では、泥道に足をとられ、着くまでに何時間もかかっていたのです。
またロバには雨露をしのぐ小屋が要りますが、かぶと虫には不要。<かぶと虫は1日中外に出しっぱなしにしておいても平気、色も全然さめません>
最後に、継続の点も考えねばなりません。ロバは倒れたらそれでおしまい、残念だがつぶしがきかない。
しかしかぶと虫は、万一倒れても大丈夫。ヒンズリー家にはわずか7リッターの距離のところにフォルクスワーゲンのディーラーがあるのですから。
C/W ジョン・ノブル
A/D ボブ・クーパーマン"The NEWYORKER" 1971.07.10
"LIFE" 1971.07.02, 1971.10.08
The beetle's ads series with "NEWYORkER's archive" (79)
"It was the only thing to do after the mule died."
Three years bock, the Hinsleys of Dora, Missouri, hod Q tough decision to make.
To buy a new mule.
Or invest in a used bug.
They weighed the two possibilities.
First there was the problem of the bitter Ozark winters. Tough on a warmblooded mule. Not so tough on on aircooled VW.
Then, what about the eating habits of the two contenders? Hoy vs. gasoline.
As Mr. Hinsley puts it: "I get over eighty miles out of a dollar's worth of gas and I get where I wont to go a lot quicker."
Then there's the rood leading to their cobin. Many a mule pulling a wagon and many a conventional automobile has spent many on hour stuck in the mud.
As for shelter, a mule needs a born. A bug doesn't. "It just sets out there all day and the point job looks near as good as the day we got it."
Finally, there was maintenance to think about. When a mule breaks down, there's only one thing to do: Shoot it.
But if and when their bug breaks down, the Hinsleys have a Volkswagen dealer only two gallons away.
C/W John Noble
A/D Bob Kuperman"The NEWYORKER" 1971.07.10
"LIFE" 1971.07.02, 1971.10.08