創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

[息抜きタイム]](355)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるビートル・シリーズ(51)


この広告は、1965年2月21日号の『ニューヨーカー』に載りました。
シリーズ最初の広告は1959年8月1日号でした。ほぼ6年といえる間に40回の広告が打たれました。
その成果は、下の数字となって結実しています。もちろん、製品の品質、サービス網の充実なども大きかったとおもいます。

1959年    84,677台
1960年   112,027台
1961年   148,340台
1962年   167,019台
1963年   209,797台
1964年   251,809台
1965年   288,583台



フォルクスワーゲンになされば、こんなに不用な部品が出てきます。


VWは、ほかのどんな自動車よりも部品の数が少ないのです。それで十分なのですから。
後車輪へエンジンの力を伝えるドライブ・シャフトもいりません。
私たちの車のエンジンは後部に搭載されています (前進する時も牽引する時もです)。
ラジエターも不用なら、ウォーター・ポンプもホースも不用。なぜって、エンジンを冷やすのが水ではなく、空気だからです。
(VWを運転し始めのころは、不凍液や錆止め剤や、いろんなものが不用なので、さびしくお感じになるかもしれませんね。でももすぐに慣れますよ)。
VWが使っていない部品は、必要のない部品なのです (ガソリンの浪費も含めて、ね)。
これも1ガロン当り平均29マイルも走れる理由にあげていいでしょう。
しかも、あなたは、買わなかった部品については、絶対に修理なさる必要もないわけです。ですから、お金の浪費も防げるというわけです。
VWが、何年も何年も、こんなにたくさんの部品なしでどうして走りうるか、もう、おわかりになったでしょう。


C/W
A/D

"The NEWYORKER" 1965.02.21





You're missing a lot when you own a Volkswagen.


A VW has fewer parts than other cars because it needs fewer parts.
It doesn't need a drive shaft to transfer engine power to the rear wheels. Because
our car's engine is in back to start with (and to maintain traction with).
And it doesn't need a radiator, or a water pump, or hoses. Because the engine's cooled with air, not water.
(When you drive your first VW, you may miss pulting in antifreeze, rust inhibitors and whatnot. But you'll soon get used to it.)
The stuff a VW doesn't use, it doesn't have to haul(and waste gas on). Which is one reason it averages 29 mpg.
And the parts you don't buy, you'll never repair. So you can't waste money on that.
Now you know why you can drive a VW for years and years with a lot of parts missing.
And never miss them.


C/W
A/D

"The NEWYORKER" 1965.02.21