創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(168)ジュディ・プロタス女史とのインタヴュー(了)

          DDB 副社長兼コピー・スーパバイザー

バーンバックさんの助言の中でもっとも印象に残った


chuukyuuバーンバックさんがあなたに与えたアドバイスの中で,印象に残っているものをあげてくださいませんか?」


プロタスバーンバックさんが言った言葉の中でもっとも記憶に残っていて、もっとも評価しているのは、[信頼性]についての言葉です。
バーンバックさんは、まず扱う商品の健全なセリング・ポイントを見つけ、それからそれにもとづいた新鮮で刺激的な広告をつくる---ただし信頼性のあるものでなければならないと信じていました。バーンバックさんがよく使う一つのたとえ話は、逆立ちしている男の写真が載っている誌面の話です。
単に注意をひきつけるためにのみ、男が逆立ちするのなら、それはトリック以外の何物でもない。そうではなく、ポケットから何も落ちてこない男性のスーツを売るために逆立ちさせたのなら、あなたは刺激的な広告をつくっていることになり、同時にその製品を売っていることになる---そういった話です」


ジュディ・プロタス女史とのインタヴュー(1)(2)(3)(4)(了)


chuukyuu付記】
バーンバックさんの広告の[信頼性]についての逆立ち写真は、ポケットの小銭が落ちないときにのみ---説に対して、茶目ッ気の多いDDBのクリエイターたちは、ほかにも使えるときがあると、知恵をしぼります。

まず、シローイッツAD。
私たちはかぶと虫を殺すことがあるのでしょうか?
全文は、
>>『VWビートルの広告キャンペーン

2番手は、ピッキリーロAD。
彼のためならこんなこともやります。
(大意)子どもたちとグルになって、いろいろ乱暴な遊びをやっては、丈夫な生地を選んでいます。(オーバックス子ども用品売場)

DDBを辞めたジョージ・ロイス氏も。
シルフ・スキンは下から始めて上を完成しました。