(83)『5人の広告作家』あとがき
ここに、東京コピーライターズ・クラブ編『5人の広告作家』と題し、1966年3月25日に誠文堂新光社から出版された1冊の、貴重な本がある。
「あとがき」を転記すると---刊行の経緯がわかる。
東京コピーライターズ・クラブの中堅会員たちでインフォーマルに組織している≪AWA≫の会の諸君に、せっかく集まるのだったら、週刊『アド・エイジ』誌に載っているデニス・ヒギンス(Denis Higgins)の会見記の輪読会でもやってみては---と助言した。
『アド・エイジ』誌には1965年3月15日号のデビッド・オグルビー氏を皮切りに、ジョージ・グリビン氏(3月22日号)、ウィリアム・バーンバツク氏(4月5日号)、レオ・バーネット氏(4月12日号)、ロッサー・リーブス氏(4月19日号)という順序で連載された。その時の通しタイトルは「○○○氏、広告の書き方を語る」となっていた。
そして、≪AWA≫の諸君の輪読会が進んでいる旨を誠文堂新光社の須永和親氏に伝えたところ、単行本にまとめて出してもいいとの答えをいただいたので、東京コピーライターズ・クラブの事業の一つにするよう、会の決議をとった。
そうこうしているうちに、本国で単行本になったので、それを底本としてそれぞれの担当者に改訳してもらった。同時に、アメリカの広告事情に明るくない人たちのためにと、5人の偉大な広告作家たちについての若干の解説を、クラブのシニア会員に付してもらった。
付録の<コピーライターの歴史>は、この機会だからと思い立って、私がまとめた。
ここに≪AWA≫の会の諸君の氏名を列記して、その労を多とするとともに、輪読会の会場をお世話くださった日本能率協会の高野正之氏に感謝の意を表したい。同会および氏のご理解がなかったら、この本も陽の目をみなかったかもしれない。
≪AWA≫の会の諸君(50音順・敬称略)
赤井恒和、秋山晶、秋山好郎、朝倉勇、糸田時夫、岡田耕、柿沼利昭、梶原正弘、金内一郎、木本和秀、国枝卓、久保丹、栗田晃、小池一子、小島厚生、清水啓一郎、鈴木康行、田中亨、中島啓雄、西部山敏子、浜本正信、星谷明、八木一郎、吉山晴彦、渡辺蔚。(その他の協力者)菊川淳子、高見俊一、滝川嘉子、秦順士
目次
ウィリアム・バーンバック chyuukyuu・訳
William Bernbach
解説「バーンバックとDDB」chyuukyuu
レオ・バーネット 菊川淳子・訳
Leo Burnet
解説「広告は信仰である」 志垣芳生
ジョージ・グリビン 秦 順士・訳
George Gribvin
解説「Y&Rと経営哲学」 近藤 朔
デビッド・オグルビー 清水啓一郎・訳
David Ogilby
解説「オグルビーの97ヶ条」chyuukyuu
ロッサー・リーブス 岡田 耕・訳
Rosser Reeves
解説「テッド・ベイツ社の哲学」 上野壮夫
この中から、個人的に許しをもらっていた、バーンバック氏の会見記を数回に分けて転載。