創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

03-47 自由と給料と地位

ついでにパーカー夫人に質問してみました。


chuukyuu「よい雰囲気を持った代理店とはどういう代理店のことか、大体わかりました。『制度つきの自由』のほかに、何かあるとすれば…」
パーカー「給料ね。それと地位。肩書を与えることも必要ね。
昔のDDBは、給料がすごく安かったのよ。というのは、たくさんの人がDDBで働きたがったでしょ。で『DDBで好きでくるんだから…』ってことで、給料が安かったの。それでもDDBがいいって人にだけいてもらう主義でした。ほんとよ。食べて行くのがやっと…ってほどの、ギリギリの給料だったわ(笑)。給料を下げてDDBに移ってきた人もいたわよ。
でも、ここで仕事のやり方を覚えると、給料に不満を持って出て行った優秀な人も、たくさんいました。
これが問題になって、改善されて、現在では、ほかと同じくらい…、そう、平均なみになりました。昔ほど悪くはないというところまで、やっときたって感じ。
でも、DDBの人々は、給料の良し悪しを『雰囲気』とは別ものだって考えていますよ」


働く人間にとって、給料と地位も、環境と共に重要な条件であることは、DDBに限らず、自明のことでした。