創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(422)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるビートル・シリーズ(補1)


慙愧です。[ニューヨーカー・アーカイブ]の1963年分に6点の見逃しがありました。
atsushi さんが、前後の年とくらべ、すこし売り上げはのびているの出稿が少なすぎないか...と気づき、同年の18,000ページを総チェックしてくださったのです。
このアーカイブは、ぼくとatsushi さんの2人で第1次総点検の上でたちあげました。
にもかかわらず、1963年だけ、逢魔ヶ刻(あうまヶどき)にはまったように見逃しがありました。
逢魔ヶ刻って、ほんとうにあるんですねえ。
これこそ、宮部みゆきさんものだわ。



改良至難な形だってあるんです。


雌鶏に訊くまでもありませんよ。
タマゴ以上に横能的な形をデザインすることはできません。
そこで、私たちも、フォルクスワーゲン・セダンを、そっくりタマゴに似せてつくったのです。
でも、私たちがそれで満足したなんて、早のみこみしないでください。
(実際の話、フォルクスワーゲンは、3,000回近くも変えられているのです)。
ところが、さすがに、その基本的なデザインを変えることはできませんでした。
タマゴのように、それは、中味に対する、完ぺきなパッケージであるからです。
そこで、私たちは、努力を内部に注ぎました。
ガソリン消費はそのままで力を上げること。ロー・ギアをシンクロメッシュにすること。ヒーターを改良することなどです。
その結果、私たちのバッケージは、おとな4人とその荷物を運ぶのにレギュラー・ガソリンでリッターあたり13km走り、タイヤは64,000kmも保つようになりました。
もちろん、私たちは外観も少し変えました。
たとえば、プッシュ・ボタン式のドア把手がそうです。
タマゴ以上といえますね。


C/W 不明
A/D 不明
紹介もれ
"The NEWYORLER" 1963.04.13



Some shapes are hard to improve on.


Ask any hen.
You just can't design a more functional shape for an egg.
And we figure the same is true of the Volkswagen Sedan.
Don't think we haven't tried.
(As a matter of fact, the Volkswagen's been changed nearly 3,000 times.)
But we can't improve our basic design.
Like the egg, it's the right kind of package for what goes inside.
So that's where most of our energy goes.
To get more power without using more gas. To put synchromesh on first gear. To improve the heater. That kind of thing.
As a result, our package carries four adults, and their luggage, at about 32 miles to a gallon of regular gas and 40,000 miles to a set of tires.
We've made a few external changes, of course. Such as push-button doorknobs.
Which is one up on the egg.