創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(411)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるビートル・シリーズ(108)

手書きのホディ・コピーというのは珍しい。
広告の手本集といわれているJulian.L.Watkins選”THE 100 GREATEST ADVERTISEMENTS 1852-1958"にも1点も採用されていない。
だからマンガーノ/ピッキリーロのDDBチームが試みたのであろう。
欧米人は19世紀中ごろからタイプライター文字になじんできている。
われわれ日本人一般にワープロ文字が日常化したのは、ほんのここ15年ほどであるが、すでに手書き文字は珍しくなっている。
この広告は、37年前にそこを衝いた。


雑記右の図版は拙著『ワープロ書斎術』(講談社現代新書 1985.03.20)10年間に18刷、刷られた。年賀状の宛名はワープロで---とすすめたが、ぼくはいまは手書きに戻した。


初紹介




やっぱりカブト虫になりました。


'68年に、VWを下取りにだした。
 だけど、アメリカ車はどれも故障ばかり。
  部品代とかお金をつぎこまされるんで、
   もう、うんざり。で、
    '73型カブト虫に戻ったってわけ。
    デビッド・ダンジグ
    N.Y.ローチェスター
    (追伸;彼女もカブト虫にきめたとさ)



               言ってみればスタイルが問題だったの。
               でもよかったのはスタイルだけ。
               最初の1,2ヶ月だけで4回も立ち往生。
               だから、またフォルクスワーゲンにしたの。
               (予算は3〜4000ドルほどあったんだけど、
               他の車は、とても買う気になれなかったわ)
               キャシー・デイバー Calif.マウントビュー               


    金まわりもよくなったんで、カブト虫よりもすこし羽振りのいいのに
    変えてみることにしたんですよ。ところが向きを変えるたびに、他の
    邪魔にならないようにしなけりぁならない。これじゃあ意味なし、
    やってられない。だから、また、フォルクスワーゲンにしたんです。
    イリアム・D・オーライト
    Pa. フィラデルフィア



C/W マイク・マンガーノ
A/D チャーリー・ビッキリーロ
"The NEWYORKER" 1973.10.01



They got the bug again.






C/W Mike Mangano
A/D Charlie Piccirillo

"The NEWYORKER" 1973.10.01