創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(74)モービルの安全運転キャンペーン(25)

観れば内容が了解できる前の2本--- [恋とドライブ][時速60マイル]とは異なり、この [700人の交通死]はアナウンスを聞かないと、なにを訴えようとしていているか、咄嗟には理解できないところがある。その意味では、明快さが特徴のDDB制作のTV-CMの中では、脳性小児麻痺協会の公共広告 [生まれたよに似ている。もっとも、アナウンスを聞いてしまうと、映像の衝撃力がジーンとこたえてくる。脳性小児麻痺のをアッパーカットとすると、これは強烈なボディブローに似ている。

YouTube ↓ (モノクロ)

【訳文】700人の死体が並んでいるハイウェイをカメラがなめていく。やがて、死体はムクムクと起き上がり、散っていく。
<アナウンサー>アーケンでは、去年1年間で700人以上の交通事故による死者をだしました。
700人以上もです。
この問題を解決するために、各人が事故防止対策を真剣に考えなければならないのです。
去年のクリスマス休暇に、700人のPTAが集まり、交通事故に対する人びとの関心を高めるためのデモンストレーションを、ハイウェイで実行しました。
効果は? ありました。
正月休暇の死亡数がクリスマス休暇のそれの30%も減ったのです。
私どもは、オイルとガソリンを売るのが商売です。
Mobil あなたに生きていていただきたい。


参照
モービルの「あなたに生きていていただきたい」キャンペーン(123456789101112131415161718192021222324


担当アートディレクター---レン・シローイッツ氏のスピーチ(123456