創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(1101)ベスト・セレクション(296)ジャマイカ(33)

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ジャマイカ観光局・広告シリーズ(33)


ジャマイカにおけるイギリス文化の影響を紹介した今回の作品。
イギリスの国技であるクリケットは、ジャマイカの国技でもあり、
サッカーもとても人気があるそうです。
ジャマイカと言えば「レゲエ」を連想される方も多いでしょう。
この作品が作られた1966年では、生まれるか生まれないかの時期ではないでしょうか。
以前紹介したスカのアップテンポなそのリズムは、
1962年の独立による国民たちの気持ちの高揚が影響していると言われています。


ジャマイカには、
英国式の牧草地、住まい、
マナーが存在します。
イギリス訛りの人も、
ちらほら。


いつもジャマイカの英国度には驚かされます。賑やかで美しい砂浜から10マイル程離れた農村へ足を運べば、ゲーンズボロの絵画から飛び出したような景色がご覧になれます。そこでは、赤らんだ頬をした金髪の子供たちや血色の良い大人たちに出会えます。お気づきになると思いますが、肌の色も様々です。宿泊先にはビクトリアン・ホテルがございます(お値段もビクトリア級。)しかしジンジャーブレッド(英国伝統のケーキ)はジャマイカの青々とした飾り葉で飾り付けられています。
「英国風ワゴン」の貸し出しも可能です。優雅なティータイムをお過ごしください。英国的スポーツ・ライフも堪能しましょう。クリケット、競馬などプロの方と競い合えます。マミー・ベイのドラックス・ホールやキングスントンのサビーナ・パーク、キングストンのカイマナス・パークにおいて、招待試合を開催しております。
「チャント(cahn't)」「ラゥザー(rawther)」「ダーリング(dahling)」などは日常でよく耳にします。ですが、「ロング・パンツ」のことを「トール・トラウザー」と呼ぶのは英語ではありますが、イギリス英語ではありません。「リトル・ブラザー」を「リックル・ブレッダ」と言うのも誤解を招きます。また、ジャマイカでは英語だけが話されているわけではありません。「オチョ・リオス」(スペイン語)、「マル・デ・ストマッチ」(フランス語)「アキー」(アフリカ語)など様々な言語があります。ジャマイカの食料品店では中国語、ランドリーではシリア語すら見かけます。フリー・ポート・ショップで開かれる特価市では東インドの方だって参加します。
ジャマイカの生活における英国度がお分かりいただけたでしょうか(1962年8月6日[私たちでいう7月4日、独立記念日]まで300年かけてこの土地に根付いてきたのですから)今も残っていて当然ですよね。ジャマイカカリブ海のるつぼと呼べるかもしれません。
ジャマイカの外国観についてさらに詳しい情報をお求めの方は、お近くの旅行代理店または、ジャマイカ観光局までお問い合わせください。観光局所在地:ニューヨーク、ロサンゼルス、マイアミ、シカゴ、サンフランシスコ、トロント


C/W:
A/D:
Foto:


"The New Yorker" 1966.11.19
翻訳:佐藤汰さん東海大学 政治経済学部 経営学




We have English meadows,
English country houses,
English manners.
Some of us even think we have
English accents, mon.


Our Englishness will always surprise you.
You see countryside out of a Gainsborough painting.
Ten miles from the palmiest, sandiest, beachiest beach.
You see pink-cheeked blonde kids. Florid ex-major-generals.
Mixed with people in every color you can think of.
You can stay at a Victorian hotel (at Victorian prices, too).
But the gingerbread is laced with lush Jamaican greenery.
We have "waggons" for hire. Tea at four. Are very polite. And lead a teddibly English sporting life. We compete in polo matches, play cricket, race horses. At Drax Hall in Mammee Bay, at Sabina Park in Kingston, and at Caymanas Park in Kingston, respectively. And you're invited.
When we speak we often say "cahn't" or "rawther" or "dahling."
But we also say "tall trousers" for "long pants." Which is English, but not English English.
And "lickle bredda" for "little brother." English, corrupted.
And we use words that aren't English at all. Like "Ocho Rios" (Spanish), and "mal de stomach" (fractured French) and "ackee" (African) .
You'll find Chinese running our grocery stores. Syrians, our laundries. East Indians selling bargains in our Free Port Shops.
You see, even though we're quite English (they were here for 300 years --- until the Sixth of August 1962 became our Fourth of July), you might say we're the Caribbean Melting Pot.
For more about our foreign flavors, see your travel agent or Jamaica Tourist Board in New York. Los Angeles, Miami, Chicago, San Franciscoand Toronto.


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文責:転法輪 篤

(1100)ベスト・セレクション(295)ジャマイカ(32)

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ジャマイカ観光局・広告シリーズ(32)


先日、ジャマイカ政府観光局の日本事務所を訪れました。
突然の訪問にも関わらず、代表者自ら丁寧にご対応いただきました。


以前、西尾が


1965年には対前年比伸び率が39.6%と世界一の数字を示しました。
1966年には38万5,000人のアメリカ人を誘致する予定


と、著書『繁栄を確約する広告代理店DDB』(ブレーン別冊 1966.10.01)から
引用していましたが、この数字はアメリカ単体のものではなく、
観光客全体の数字だと思われます。
というのも今回、1960年代のアメリカからの観光客の推移を取り寄せたところ
下記の数値が送られてきました。
(前年比のパーセンテージは追加しました。)


1960 69,576
1961 66,177 95.1%
1962 67,473 102.0%
1963 69,354 102.8%
1964 83,080 119.8%
1965 123,809 149.0%
1966 158,160 127.8%
1967 169,620 107.3%
1968 186,887 110.2%
1969 197,401 105.6%


1964年からDDBによるジャマイカ観光委員会の広告シリーズは
本格的に始まりましたが、観光客全体としては「39.6%」でしたが、
アメリカ単体でみると「49.9%」増えています。
この広告がすべての理由ではないにしても驚くべき数値だと思います。


現在もほとんどがアメリカとカナダからの観光客で、
日本からの観光客は1万人に満たないそうです。
しかし、昨年ホームページも新たにリニューアルし、
いろいろなイベントの後援を通じてジャマイカをPRしていきたいとのことでした。
オリンピックのウサイン・ボルト選手の活躍も追い風になっているようです。


※ホームページにも使われていますが、事務所に貼っていたポスターにも、
 50年経った今も、ボブ・ゲイジ氏が作った「JAMAICA」のロゴが使用されていました。


>>ジャマイカ政府観光局


ジャマイカの坂道の途中では、
ほんの数シリングでフルーツが
お求めいただけます。
出店の正確な位置は
私どもも把握しておりません。


何が楽しいかって、フルーツ・スタンド自体が神出鬼没なところなんですよね。
道路横に、突如現れます。両手いっぱいにバナナを購入しても35セント。気さくな店主と雑談してみて下さい。ネイスベリー、オータニック、オタヘイト・アップルなど未知なるフルーツに出合えます。コロンブス並みの探究心をお持ちのあなたなら、他にもたくさんの未知に遭遇できるでしょう。
坂道に足を運び、「ジャーキング」を試食しましょう。玉ねぎ、ニンニク、唐辛子、オリーブ・オイルでマリネード漬けにしたロースト・ポークです。美味い!
海岸沿いの村では、広場でワイワイ歌って踊る祈祷者の集いがあり、青空教室では、子供だちがベンガルボダイジュの下に座り、何時間も夢中になって勉学に励みます。
ジャマイカの農園主は、「元気の源」を与えてくれます。彼の自宅へ連れて行ってもらうと、奥さんが、ラム・パンチを振舞ってくれます。素敵な昼下がりです。
ジャマイカ6,000マイル(約9500キロメートル)の道のりを楽しむ際には、99,000もの銃刀に関する規制があることを忘れないで下さい。交通規制よりも銃刀規制の方が厳しいのです。
いつも右側通行で車を走らせているあなた、ジャマイカは左側通行ですよ。これもお忘れなく。
道を尋ねるときにもルールがあります。「いい日ですね。」から会話に入らないと答えてもらえません。19世紀からのジャマイカの伝統です。カドリール・ダンスもそう。「さよなら」を言う際には「気を付けて、急がずに帰ってね。愛してるよ。」と付け加えた方が上品です。
ジャマイカのさよならの挨拶や道路交通法、レンタカーなどについて詳しい情報をお求めの方は、お近くの旅行代理店または、ジャマイカ観光局までお越しください。観光局所在地:ニューヨーク、サンフランシスコ、マイアミ、ロサンゼルス、シカゴ、トロント


C/W:
A/D:
Foto:


"The New Yorker" 1966.11.12
翻訳:佐藤汰さん東海大学 政治経済学部 経営学




In Jamaica's hills
you can stop and buy
a feast of fruit
for just a few shillings.
But we won't tell you
exactly where.


The fun is driving round a bend and finding a fruitstand unexpectedly.
Pull in. Look. Buy an armful of bananas for two-and-six (35¢). Chat with the proprietor. Discover naseberries, ortaniques otaheite apples.
You're Columbus in a Chevvie, And it's a kick.
Take a curve and come upon Jamaicans "jerking" pork-roasting a split-pig after marinating it in onions, garlic, hot pepper, olive oil. Stop. Sample. Mmmwah!
Coast into a village square and boom-boom there's a winging singing prayer meeting.
Pass an open-air school with scrubbed kids sitting at attention under a banyan tree.
Run out or gas. even.
You're likely to be rescued by a Jamaican planter who'd not only "fetch petrol" but take you home, introduce you to his wife, give you a rum punch and a fascinating afternoon.
There are 6,000 miles of good Jamaican road to explore and 99,000 license-carrying Jamaican horn-leaners. So there's plenty of noise but not much traffic.
Just remember the right side of the road is the left.
And when you ask directions. be sure to say "good day" first or you may not get an answer. Our country folk are very 19th Century. Still dance quadrilles. And have courtly manners. They say "walk good, cool breeze, peace and love" when they're just saying "good-bye."
For more about Jamaican farewells, road rules and rent-a-cars, see your travel agent or Jamaica Tourist Board in New York, San Francisco, Miami, Los Angeles, Chicago, Toronto.


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文責:転法輪 篤

(1099)ベスト・セレクション(294)ジャマイカ(31)

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ジャマイカ観光局・広告シリーズ(31)


2週間ぶりのジャマイカ広告・シリーズです。
イギリス英語が元になっているとはいっても、アメリカ人からすると
なぜそこに、そんな名前を付けたのだろうと、
不思議な感じがするのでしょう。
その雰囲気を日本語で表すのは至難の業。



この曲がり角にたどり着いたら、
バスに乗ることができます。
バスの名はロマンス。
ベティという名の
ビュイックもやってきます。
運転しますは、ビビアン。


ロマンスに乗り損なってもご安心ください。コンフィデンスやブルー・ダニューブ、ユダのライオンもやってきます。ジャマイカのバスには、ナンバーの代わりにそれぞれ名前が付いているのです。中でもビビアンとベティ・ザ・ビューイックは特別です。どんなに忙しくても、あなたをエイヴィスやハーツに連れて行ってくれます。
これら村についた名前は、カワイイか抽象的か、もしくは、イギリス英語に由来します(上の写真をご覧のとおり。)
みんな陽気になれる、バック・アップ(しっかりしろ!)。もしくは鮮やかになれるカット・スロート・ヒル(ノド切りの丘)。もしくは変わった感じのキャタドゥーパやクッキー・バー・ポイントなどがあります。
ジャマイカの女性には、バーナイス、リンネット、ルーレンスなど、代々受け継がれてきた呼び名があります。男性はウィンストン、エグリン、チャングなど。ウィンストン・チャングというのもいます。
ジャマイカのホテルの名前は海賊由来のものが多いです。フレンチマンズ・コーブ(ジャン・ラフィット)、モーガンズ・ハーバー(ヘンリー)。ジャスミンヒルやハイビスカス・ロッジなど花名由来のものや、ボニー・ビュー、ブルー・マウンテン・インなど、風光由来の宿もございます。
そこでは、ビーズィ・アイ・バーディーズやバンブーズなど、食べられないゆで卵のようなブービー・トラップ的カクテルもご用意しております(チャーリーという名のラム酒はここで製酒しております。)
ディップ・アンド・フォールバック(トロトロの魚類シチュー)もございます。味気が足りないと思ったら、ピッカペッカ・ソースを加えましょう。
ロード・ミー・ダン・ワードという名の救貧院では、運動靴や破れにくい靴下などを提供しております。
また、ジャマイカでのアツアツの飲み物には大抵「ティー」が付いています(コーヒー・ティー、ココア・ティーなど。)チュー・ウォーターだけは例外ですけどね。
レッド・ストライプというジャマイカ産のビールは警官隊の俗語です(警官隊の制服が語源です。)「気軽に一杯、レッド・ストライプ。」観光にいらっしゃったあなたを引き止める、うってつけの決め台詞です。
ジャマイカの遊興や名称についてさらに詳しい情報をお求めの方は、最寄の旅行代理店またはジャマイカ観光局までお問い合わせください。観光局所在地:ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、マイアミ、ロサンゼルス、トロント



C/W:
A/D:
Foto:


"The New Yorker" 1966.11.05
翻訳:佐藤汰さん 東海大学 政治経済学部 経営学




To get to this crossroads,
you can take a bus
named Romance.
Or you can hire
a Buick named Betty.
Operated by a
man named Vivian.


If you miss Romance, you catch Confidence or Blue Danube or Lion of Judah. Jamaica's country buses all run by names instead of numbers.
But there's only one Vivian and Betty the Buick. If they're busy, you go to Avis or Hertz.
The names of our villages run to cute, abstract or British (see picture above). They can also be cheery: Buck-Up. Or vivid: Cut Throat Hill. Or plain coo-coo: Catadupa, Cookie Bar Point.
Jamaican women have faraway-sounding names: Vernice, Linnet, Lurlene. Men are named Winston or Eglin or Chang. And sometimes Winston Chang.
We name hotels after pirates: Frenchman's Cove (Jean Lafitte), Morgan's Harbour (Henry). Or after flora: Jasmin Hill, Hibiscus Lodge. Or after the scenery: Bonnie View, Blue Mountain Inn.
At cocktails, we sip Beady-Eyed Birdies or Bamboozles (often made with a rum named Charley) as we nibble hard-boiled Booby Eggs.
We dine on Dip-and-Fall-Back (a runny fish stew). And when a dish needs seasoning, we douse it with Pickapeppa to pickitup.
We call the poorhouse the Lord-me-done-ward.
Sneakers are Hard Socks.
And almost any hot liquid is Tea (Coffee Tea, Cocoa Tea) except soup, which is Chew-Water.
Our beer is Red Stripe. It's slang for policeman, too (red stripe on trousers). So when we say "mon, you no careful de red stripe get you," we're pulling your leg in two directions.
For more of Jamaica's fun and names, see your local travel agent or Jamaica Tourist Board in New York, Chicago, San Francisco, Miami, Los Angeles, Toronto.


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文責:転法輪 篤

西尾忠久を偲ぶ会のご案内

去る7月28日に逝去しました 西尾忠久を偲ぶ会を 執り行うことと致しました
会場には 西尾の著書と本人の使用していた資料を一部展示する予定です


参加を希望される方は


●お名前
●郵便番号
●ご住所


を下記までメールまたはお電話を頂きたく存じます
会場のスペースの関係もございます
勝手ながら9月4日(火)までにご連絡を賜りたく存じます


9月中旬にご案内状をご送付致します
詳細の方ご確認ください


株式会社 アド・エンジニアーズ・オブ・トーキョー
西尾忠久を偲ぶ会実行委員会(担当 谷)


メールアドレス : info@aden.co.jp
お電話:03-3264-3841(平日 10:00〜17:00)

(1097・1098)ベスト・セレクション(292・293)ジャマイカ(29・30)

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ジャマイカ観光局・広告シリーズ(29・30)


翻訳してくださる方々がいつも困ってらっしゃるのが、固有名詞。
今回出てくるニューヨークの「アケダクト競馬場」も、そのひとつ。
本文には「Aqueduct」としか出てきません。


アケダクト競馬場は、マンハッタンから車で30分ほどの距離で、
JFK空港のすぐ近くにあります。
wikipediaによると、「ニューヨーカーたちの代表的な娯楽の場の1つ」に
なっているそうなので、ニューヨーカー誌やライフ誌の読者は
すぐにピンとくるのかもしれませんね。


もう一つ、調べていたわかったことがあります。
アメリカの競馬で「ジャマイカハンデキャップ」というレースが存在し、
1960年にはアケダクト競馬場で開催されています。
しかし、下記の広告が掲載された1966年にはこのレースは開催が
休止されていたそうで、これは偶然の一致かもしれません。


キングストン近郊にあるケイマナスパーク、
そこのジョッキー達の年齢は12歳から。
馬券は70セントから。
それでも身ぐるみ剥がされますよ。


ケイマナスは、大きな都市競馬場で私たちのの大都市から20km弱ですが、ニューヨークのアケダクト競馬場とは違いますよ。
そこに行くには、サトウキビの草原、収穫期にはタフィー(バターやナッツなどが入ったキャンディー)のような香りのただよう中へと車を走らせて行くのです。(競馬場はサトウキビ畑のど真ん中)そこではココナッツジュース売りが、ク―クナッツ・ワァタァ(ココナッツ・ウォーター)、と叫びながらヤシの実を木のてっぺんから切り落とし、なたを振り回しながら実の頭を切りとってストローを投げいれて「おにいさん、おねえさん、これ飲んだらキューっと冷えるよ」なんて言いながら手渡してくれるんです。カシューナッツ(ジャマイカ産)をつまんだりヤギのカレーライスを味わったり花で飾られたパドックぶらぶらしたり・・・、
世界一小柄、でもジョッキーとしては一流の彼女には脱帽。5シーリング(70セント)を彼女に賭ければ、片手にあふれるほどのコイン(3ドルほど)が儲かって、あなたは、王様の宮殿にいる気分。
競馬場まで行かなくても、街中の馬券売り場に行くのも一つの手。
競馬じゃなくても、日曜日の昼下がりに行はれるポロの試合は、賭け事に興味の無いあなたにうってつけ。
馬に乗ってみたいと思う御仁もいるでしょう。
大地主の所有する大草原での乗馬。(そんなひと時、あなたも気分は、“大地主”)
馬?興味が無いかもしれませんね。
クリケット、もしくはカジキやセイルフィッシイングはいかが?それとも海に潜ってモリ突き漁、でなければロバの背に揺られて山登り。そう、ロバです。
スポーツ、馬、釣り、ロバ、そのほか盛りだくさんについては、最寄の旅行会社、または、ニューヨーク、ロスアンジェルス、シカゴ、サンフランシスコ、マイアミ、トロントにあるジャマイカ観光局までお問い合わせください。


C/W:
A/D:
Foto:


"LIFE" 1966.10.28
"The New Yorker" 1966.10.29
翻訳:清水大




At Caymanas Park near
Kingston , the jockeys come as
young as 12. And the bets
start as low as 70¢.
You can still lose your shirt.


Caymanas is a big-city track 11 miles from our biggest city. But you'll never think you're at Aqueduct.
You drive in to it through fields of cane. (The track is in the middle of a sugar plantation.) And if you come at harvest, the air smells like taffy.
Coooooconut watta, shrieks a machete-swinging vendor as he lops the top off a coconut, pops in a straw and hands it to you. Mon, it cool you down , he says. Whether you're mon or wo-mon.
Snack on cashew nuts (they grow here), curried goat and rice.
Stroll the flowered paddock.
Gape at the world's teeniest bigtime jockeys.
Hand a 5-shilling (70¢) bet to a bet-runner and when he scoots back after the race with fistfuls (maybe 3 dollars) of your winnings, sit back and feel like a maharajah.
Maybe you'd rather only bet.
Then go to betting "parlours" in town and place your bets with "agents".
Maybe you'd rather only look at horses.
There's polo. Sunday afternoons.
Maybe you'd rather ride yourself.
You can. Usually over somebody's vast estate. (And you feel like somebody.)
Maybe you hate horses?
So catch a cricket match. Or a marlin . Or go spear-fishing. Or Sailfishing. Or climb a mountain. On foot. On a mule.
Yes, mon, mule.
For more about our sport, horsey, fishy, mulish or otherwise, see your travel agent or Jamaica Tourist Board in New York, Los Angeles, Chicago, San Francisco Miami, Toronto.


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文責:転法輪 篤

(1096・1105)ベスト・セレクション(291・300)ジャマイカ(28・37)

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ジャマイカ観光局・広告シリーズ(28・37)


先月、7月10日に西尾と筆談したときのメモが残っているので、少し紹介します。
ジャマイカ作品の文章構成について会話していたときのものです。
このとき、ブログの更新をお願いされました。
それまでは西尾本人が更新作業まで行なっていました。


ジャマイカは、ローゼンフェルドのポイント発見の面白さにあります。
コピーライターの目、アートディレクターの目、カメラマンの目の有機的な連動作用です。
これは誰が発見してもいい。共同体でつめていく新しい作業だったと思います。
これが個々の働きのようで、三人三様の発見の面白さ。
観光委員が用意したものの解釈もあるけど、ちょっと引いている。
その政府側を引いたところが面白いし、説得したところが更に面白い。


[参照]>>コピーライター、ロン・ローゼンフェルドとのインタビュー
 ※このインタビューで三人で三度ジャマイカへ取材に行っていることがわかります。


雨が降っても
だれも気に掛けません。
通り雨ですから、直ぐに止み、
むしろ、心地よいのです。
その上、傘は木に生えていますからね。


ジャマイカは、どうしてこんなに青々としていると思いますか。なぜ、こんなに緑に溢れているのでしょう?
傘に使う肉厚な葉の太いバナナの草木がどうやって育っているとお思いですか?
それは、太陽。そして雨のおかげです。
しかし、ジャマイカの雨は、すべてを分断してしまうような雨ではありません。ちょっと遮るだけです。
例えば、こんなふうに。
あなたがビーチにいるとしましょう。太陽の光を一杯に浴び、少しぐったりしてきました。時間は2時ごろ。ポツリポツリと雨が降り始めます。雲行きが怪しくなり急に雨が降り出します。
そこで、あなたは建物の中に入り、サッとシャワーを浴びて、ゆっくりとフルーツ・パンチを飲んだ後、散歩がてらビーチに戻ったころには、すっかりビーチは乾いていて、雨に濡れた花や灌木のいい香りが漂っています。
ね、気持ちいいでしょう。
だけど、ジャマイカでいつでも通り雨に遭遇できるとは限りません。
5、6、7、8週間と、長い日照りが続くことも多いのです。
でも、他にも水の恵みはあります。
ジャマイカは、周囲700kmを海に囲まれています。どっぷりと浸かれる海です。セイリング、シュノーケリング、何でもできます。
ジャマイカは、306本も川が流れています。歩いて渡ったり、魚釣りをしたり、カヌーを漕いだり、いかだ下りをしたり、ピクニックもできます。
ジャマイカは、滝も急流も池もあります。そして、ストレートで飲む、アルコール度75%の有名な水の恵みがあります。もちろんカクテルでも。 (五分の一に薄めたものはたった1ドル50セントでお持ち帰りできます。)また、強いお酒の後は、飲料用のピュアウォーターを飲むこともできます。水は、豊富にあります。蛇口をひねれば出てきますし、配管設備もしっかり整っています。52の良質なホテル、44のゲストハウス、128の貸コテージには、合わせて3,488のバスやシャワーが付いています。
実際のところ、ジャマイカに遊びに来る最大の理由は、すべて水の恵みに関係しています。
その他の理由については、ご利用の旅行代理店またはニューヨーク、マイアミ、サンフランシスコ、ロスアンゼルス、シカゴ、トロントのジャマイカ観光協会にお尋ねください。


C/W:
A/D:
Foto:


"LIFE" 1966.06.03
"The New Yorker" 1966.12.31
翻訳:木原夫人




When it rains,
nobody cares much.
Our showers are short
and sweet.
And umbrellas
grow on trees.


How do you think Jamaica gets so lush? So overgreen?
And how do you think we grow the plump banana plants that make the fat leaves that become the umbrellas we use?
Sun. And rain .
But our rain doesn't disrupt everything . It only interrupts.
It's like this.
You're on a beach. You've been soaking up sun and beginning to get limp. It's about 2:00. A trickle starts. A cloud bursts.
So you step inside, have a quick shower and a slow fruit punch and by the time you stroll back out, the beach is dry and the rained-on flowers and shrubs and trees have perfumed the air.
Mon, it make you feel so good.
You can't count on catching a Jamaican shower though.
Long dry spells are the usual thing. 5, 6, 7, 8 weeks at a time.
But there are other wetnesses.
There are 425 miles of sea around us. To drench yourself in. Sailing, snorkeling, you name it.
We have 306 rivers. For wading in, fishing in, canoeing up, rafting down, or picnicking by.
We have waterfalls, rapids. ponds, and a famous 150-proof wetness that you can take straight. Or mixed. (Or take home for only $1.50 a fifth.) Or chase with pure drinking water. We've plenty of that . From taps. And good plumbing. In 52 good hotels and 44 guesthouses and 128 rental cottages. With 3,488 showers and baths.
Actually, some of the best reasons to come to Jamaica are all wet.
For more reasons, see your travel agent or Jamaica Tourist Board in NewYork, Los Angeles, Miami, Chicago, San Francisco, and Toronto.


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文責:転法輪 篤

(1095・1103)ベスト・セレクション(290・298)ジャマイカ(27・35)

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ジャマイカ観光局・広告シリーズ(27・35)


ジャマイカマリンバ・ボックスの音色、
ぜひ聞いてみたいですね。
アフリカの「カリンバ」を大きくしたようなカタチで、
ペルー発祥の「カホン」のような演奏スタイルですね。
この辺りの楽器の変遷をたどるのも楽しそうです。


ジャマイカの伝統的なマリンバ・ボックスの響きを聴くまでは、
ジャマイカの奏でる音色を聴いたとは、言えないでしょうね。
マリンバ・ボックスはコントラバスに似た楽器です。
違うところは、その上に座って演奏することです。


マリンバ・ボックスの音は、マラカスやギターの音色と共に聴こえてきます。
ズーンとうねるように響き、重低音の利いたビートを刻みます。
しかし、バスとは異なり,弦ではなく調律された鍵盤を弾き、瓢箪型の箱の代わりに角ばった箱の中で共鳴します。それゆえに、低音が迫力がより増すようです。
その音は、ジャマイカのどんな場所でも流れています。
夜、テラスで食事をしている時に聴こえてきます。咲き誇るブーゲンビリアに囲まれて。すぐそばで、波がザーザーと打ち寄せています。ろうそくの明かりもと。ウェイターは、山盛りのお皿を忙しげに運んでいます。
気だるい、官能的な音楽が背後に低音でズーン・ズーンと響いています。
歌手たちの軽快で甘い歌声に合わせてズーンと躍動感あふれるビートを刻んでいるのが聴こえてきます。「男にとって、高価なものをねだる輝く目の女は厄介。欲しい、欲しい、欲しがっています」と。
フォックストロットの比較的アップ・テンポでの演奏が聴こえます。ルンバ、チャーチャ、ワトゥーシ、スカも聴こえてきます。
スカって何かって?ジャマイカ生まれの音楽で、楽器を激しく打ち鳴らし、頭を振って、時には、体を揺らし演奏する陽気で情熱的な音楽です。「スカ・ライブの夕べ」「スカ・マニア」と地域のダンス・パーティに強烈なポスターが誘っています。
ですが、私達の音楽のすべてが低音で唸るわけではありません。
ジャマイカオペラ座ではギルバートとサリバンの作品が上演されています。ジャマイカの子守歌、道路を掘る作業員の歌、そして動物の歌があります。
ピヨピヨとひな鳥が。チュチュチュと小鳥がさえずっています。サーモン嬢の野鳥保護区域では、毎日4時にモノマネ鳥がフィンチの鳴き声で夕食を催促するかのように鳴いています。
トゥートティート、トゥートティート。蛙が夜、笛を吹いています。まるでフルートの音色です。
私達ジャマイカ人の話し方でさえ歌を歌っているようです。「イズ レディー、ユー・レディー、オールレディー」の意味は「アー・ユー・レディー(準備はできてる?)」です。
ジャマイカのさえずりや意味不明の言葉についてもっと知りたい方は、ご利用の旅行代理店またはニューヨーク、マイアミ、サンフランシスコ、ロスアンゼルス、シカゴ、トロントのジャマイカ観光協会にお尋ねください。


C/W:
A/D:
Foto:


"LIFE" 1966.05.20
"The New Yorker" 1966.12.03


翻訳:木原夫人




You haven't heard Jamaica
until you've heard
Jamaica's marimba box.
It's like a bass fiddle.
Only we sit on it.


You usually hear the marimba box with maracas and a guitar.
It goes thoomp. It thoomps out the beat.
But differently from a bass. Tuned keys are plucked instead of strings, resounding in a boxy box instead of a curvy one. And the thoomp seems thoompier.
It accompanies almost everything in Jamaica .
Hear it as you dine on a night-time terrace. Masses of bougainvillea around you. Sea swishing nearby. Candlelight. Waiters padding about with heaped plates.
Lazy, sensual music is thoomping away in the background.
Hear it thoomping to our sweetvoiced swinging singers. "The shine eye girl is a trouble to a man, she want and she want and she want."
Hear it thoomping fox-trot. Rumba. Cha-cha, Watusi. Ska.
Ska? That's our own arm-flinging, head-jerking craziness. "A Night of Living Ska!", "Skamania!" screech the posters for local dances. And the thoomp is upbeat, wild, driving.
But not all our music thoomps.
There's Gilbert and Sullivan at the Jamaica Opera. And Jamaican lullabies. And road diggers' songs. And our animals' songs.
Cheep. Tweet. Mockingbirds, finches, singing for their supper at Miss Salmon's bird sanctuary every afternoon at 4:00.
Tooteet. Tooteet. Whistling frogs at night. They sound like flutes.
Even the way we speak is singsong. "Is ready, you ready, already?" means, are you ready? For more about our warbling and garbling, see your travel agent or Jamaica Tourist Board in NewYork, Miami, San Francisco, Los Angeles, Chicago, Toronto.


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文責:転法輪 篤