創造と環境

コピーライター西尾忠久の1960年代を中心としたアメリカ広告のアーカイブ

西尾忠久を偲ぶ会(3)

『西尾忠久を偲ぶ会』の展示内容紹介、第3弾です。


今回のブロックは『世界の有名品』。
1975年ごろから1985年ごろまで、おそらくこの頃が一番執筆量が多かった時期ではないでしょうか。多い時は月に70本も原稿を書いたそうです。


『ルイ・ヴィトン』『世界の有名品』シリーズなど、西尾の著書や、掲載誌のファイル


最初は、陶器や磁器に興味が湧いたと聞いています。ヨーロッパ各地の工房を取材し、実際に購入し、記事を書いていました。
それらの経験が企画として結実し世に出たのが『キリン ビアマグ コレクション』です。


後列より2列が『キリン ビアマグ コレクション』と『キリン コレクターズグラス』。


前列はサン・ルイのペーパー・ウェイト



『キリン ビアマグ コレクション』は、キリンビールの発売開始100周年に向けて、10年前(1979年)から始まった企画でした。
窯元にオリジナルのビアマグを数量限定で作ってもらい、形状はオリジナルのものを作り、パターンは各窯元の伝統的なものを配することにしました。オーダーの数量を製作後は、モールド(原形)をこわしてしまうため、その年にしか手に入らない稀少性の高い商品でした。
100周年までの予定が、好評のため、その後20年近く続くことになります。
"The New Yorker"にも広告が掲載されており(1979年12月24日号)、アメリカでも頒布されていたようです。


もう一つ展示したのは、本ブログで今年6月に西尾によって紹介されていた「サン・ルイのペーパー・ウェイト」です。
その魅力は実物を見てもらうのが一番、と常々言っていたので7つだけ西尾家からお借りし、展示することができました。
会場にいらっしゃれなかった方のために、アップ画像をいくつかご用意いたしました。画像をクリックすると大きく見ることができます。
その製作過程などは、西尾が解説していますのでぜひご覧ください。










世界の有名品


ニューヨークを中心に、アメリカ各地、ヨーロッパを取材していた時期、取材先の人たちから自宅でのパーティーに呼ばれることが少なくありませんでした。


家を訪問すると、その家の奥様が部屋のなかを詳しく案内してくれました。
リビングの陶器・磁器、ダイニングの食器類やテーブルクロス、ナプキン、寝室のリネン類などについて、嬉しそうに話してくれました。そのときに知ったのが装飾様式(スタイル)でした。また、そのスタイルに合わせて家の中の商品を揃えてくれるホーム・デコレーターという職業があることも知りました。
そのなかで世界の有名品に興味を持っていったのではないでしょうか。


取材はほとんどが現地に赴き、工房を訪れました。広告を作っていたときと同じように、会社のトップと工場を見なければその会社のことは理解することはできないという信念からでした。


次回は『ミステリー小説のデータベース』のブロックです。


文責:転法輪 篤