創造と環境

コピーライター西尾忠久の1960年代を中心としたアメリカ広告のアーカイブ

西尾忠久を偲ぶ会(4)

『西尾忠久を偲ぶ会』の展示内容、第4弾です。
今回は「少年時代〜三洋電機」「広告」「世界の有名品」に続き、「ミステリー小説」のブロックです。


ミステリー小説のデータベースを元に作られた書籍や、ミステリー小説に出てくる料理やお店を紹介した書籍、ワープロに関する著書を展示。手前にあるファイルは、ミステリー小説データベースの「EAT」カテゴリーの第1巻。


データベースの元原稿である文庫本。データベースに入力した箇所に線引や、フセンが貼ってあるのですが、そのまま展示し、偲ぶ会ではご参列いただいた方に自由にお持ち帰りいただきました。
会場では200冊程度ご用意したのですが、自宅の書庫には5,000冊ほどありました。




ミステリー小説データベース


調べ事があってイアン・フレミングの『007シリーズ』を再読したとき「このスパイ作家が英国物産PR部長とでも呼びたいほど多量に英国製品や老舗やレストランを実名で小説のなかに忍びこませていることに気がついた」とミステリー小説のデータベースを作るきっかけについて語っています。


実在する銘柄や地名を収集していけば、世の中の潮流が見えてくるのではないか、また自身の海外取材経験も生かせるのではないかと考えたようです。
最初は5×3インチのカードを使っていましたが、1万枚を超えたカードの管理に悩んでいたところ、友人がパソコンのシステムを導入することを薦めてくれました。昭和62(1987)年の春、ミステリー小説に出てくる森羅万象のデータベース構築が始まりました。


「食(EAT)」「衣(WEAR)」「住(LIVE)」「場所(PLACE)」「乗り物と機器(VEHICLE)」「人・団体・動植物(PERSON)」「銘柄(TRADE)」の7部門ごとにそれぞれ1,000近くの項目を立て、約10年間更新し続けたそのデータは、27万レコードに上りました。




ミステリー小説データベースの内容を簡単にご説明します。画像はクリックすると大きく見られます。




左:『メグレ警視シリーズ メグレたてつく』ジョルジュ・シムノン 河出書房新社 p.35に「コニャック」の表記
右:データベースのプリントアウト。「著者、出版社、書名タイトル、ページ数、項目ID、項目、入力日、データID」で、1レコード。該当箇所のデータは、「Simenon/G 河出書房 メグレたてつく 035 1121 コニャック 91/08/19 16524」となっています。


紹介した森羅万象データベースのほかに、「著者名、題名、訳者名、刊行年順、版元別」のデータベースや「連作もののキャラクター・プロフィール」のデータベースも作っていたようです。


次回は『史実から探る鬼平犯科帳』のブロックです。


文責:転法輪 篤