創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(489)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるシーヴァス・リーガルのシリーズ(54)


おもわず、「うまいなあ」とつぶやいてしまいます。


いえ、特別な言いまわしではなく、さりとて気どっているわけでもありません。


ちょっと高めのスコッチなんで、おもわず、栓をきつくしめる---それだけのことなんですが、共感します。


それでいて、製品から1cmも遊離していないし、情緒に訴えてもいないんです。



他のスコッチより栓を開けにくいように思えるのは、
他のスコッチよりきつく栓をしめている
からなんでしょうな。


C/W
A/D
"The NEWYORKER" 1970.02.14

例による、けち坊シリーズの盲点を衝(つ)いたアイデアですが、じつは、もう一つの目的があったのです。


26)← クリック 「またもや、シーヴァス・リーガルのボトルを変えた マヌケは、誰?」の広告主をマヌケ呼ばわりした広告を覚えていらっしゃいますか?


コルク式だった栓(せん)を、ねじり式のキャップに変えたという告知でした。世界的なワイン愛飲の影響でコルクの供給が間に合わなくなり、粗悪な品質のものが出回り、割れて瓶の口部をふさぐこともふえたのかもしれません。ワインなら1日で飲んでしまうから、つまったコルクを瓶の中へ落とし、細目網濾(こ)し器で濾せばすみます。


しかし、1週間〜?ヶ月間は飲むシーヴァスだと、ユーザーからの苦情もかなりしつこかったのではないでしょうか。そこで、ねじ式キャップに変更。


というわけで、このけち坊ものが加わったのではないでしょうか。






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