創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(670)バーンバックさんとDDB(21)

(承前)


バーンバック -----金の力によってある候補者が有利になるというの
はおかしいです。
キャンベーンに使う金額を均一にするような措置が必要ですね。


■大切なのは、金じゃなく信念


:4A(全米広告業協会)は政治的アカウントは非営利主義あるいは
それに準じた基準で引き受けるぺきだとの態度を表明すべきなので
しょうか?


バーンバック たぶん、そうすべきでしょうね。
私がいえることは、DDBは金儲けはしなかったということです。
時間、神経、その他いろいろ消耗しました。
私があのキャンべーンに参画することに決めたのは、あのいまわしい
ヒトラーでさえも、ゲッぺルスの見事なコミュニケーション技術にた
よらざるを得なかったと悟ったからです。
そして私は、このように意見を表明しました---
"相手方がその手でくるなら、われわれも信念に従って動こう。


政治の領域にはいる場合は、信念に基づかねばならない。
そうでないのはまやかしだ。


社会に対する挑戦である。
間違った信念もあるかもしれない。
しかし、信念は率直に示そう。
不健全なことではない"


以下、明日
このコンテンツ構成には若手コピーライターの安田慎一さんと菊池小百合さん
プロデューサーの転法輪 篤さんのご助力をいただいています。


補足DDBのクリエイティブ・ピーブルは、政治広告はともかく、issue ad(意見広告)には積極的に参加している。
引例はデビッド・ライダー(C/W)とスポック博士自身による文章、レン・シローイッツ(A/D)によるSANE---核使用規制全国委員会の広告


スポック博士は憂慮しています


もし、あなたがスポック博士の本で子どもを育てたことがおありなら、博士があまり小さなことにはこだわらない方だということをご存じと思います。
博士は、勤め先のオハイオ大学から、大気圏内核実験の再開について、つぎのようなメッセージを送ってきました。
「私は憂慮しています。
過去の実験の影響だけでなく、果てしない将来の実験の見込みについてもです。
実験が重なるにつれて、子どもにたいする悪影響もふえます…米国でも、世界の国々でも。
こんなことをする権利がいったい誰にあるというのでしょう。
そんなことは政府に考えさせろ、という人もいるでしょう。その人たちは政府がこれまでの歴史の中で犯した悲劇的な大間違いのことを忘れているのです。
また、よりすぐれた軍備が問題を解決してくれるという人もいます。その人たちは正義の強さを信じている人びとを軽蔑します。
その人たちは、あのかよわい理想主義たちが鉄の布となってインドからイギリス人を追い出したことを忘れているのです。
どの道をとっても、危険はあります。もし、将来に横たわる大きな危険をすこしでも少なくする希望があるならば、私はあえて今日の危険をとります。
もし、私が将来、何かの誤算で滅ぼされることがあるなら、私は、幻の要塞に座ってなすすべもなくただ敵を非難している時よりも、世界の協力を求めるリーダーシップをとっている時に殺されたいとおもいます。
モラルの問題としても、私はすべての国民が自分自身の考えを持つ権利だけでなく責任も持っていると信じます。

                 医学博士 ベンジャミン・スポック」


スポック博士は、核使用規制全国委員会のスポンサーになりました。
以下、SANE(核使用規制全国委員会)が何を表すかという簡単な説明とほかのスポンサーを列記。


参照】]デビッド・ライダー氏とのインタビュー
(12)




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