創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(671)バーンバックさんとDDB(22)

(承前)


バーンバッグ 「政治の領域にはいる場合は信念に基づかねばならない。
そうでないのはまやかしだ。社会に対する挑戦である。
間違った信念もあるかもしれない。
しかし、信念は率直に示そう。不健全なことではない」


■適切なコミッション・システム


:もう一つの問題、コミッション・システムについて、いい仕事を
した代理店は間接的に利益を受けるが、直接的な報酬についていえば、
月並みな仕事をしている代理店と同じであるのは不公平だといわれて
いますが。

バーンバッグ これについては、きわめて不謹慎な発言をしましょう。
DDBは、広告主にとって大変なお買得品だと思っています。
広告主のDDBに対する支払いは、ほかの代理店に対するのと同様
15%でよいのですから。
これがコミッション・システムのやり方ですが、私はそれでよいと思
います。
DDBの歴史を見れば、DDBが成長できたのは、現在のクライアン
トの扱い高の増加によることがわかりますから、これでよいと思うわ
けです。
クライアントの売上増に比例して、クライアントの広告予算もふえて
きました。

:間接的に利益があったわけですね。


バーンバッグ 間接的に、そうです。
しかし、このためにこそ15%のコミッションは適切だと思うのです。
広告予算がふえれば、それに比例して広告代理店の利益もふえます。
大型化した広告予算のコミッションは、広告主の企業成長に貢献した
代理店が当然受け取るべきものだと思います。


以下、明日
このコンテンツ構成には若手コピーライターの安田慎一さんと菊池小百合さん
プロデューサーの転法輪 篤さんのご助力をいただいています。


補足DDBのクリエイティブ・ピープルは、ノー・コミッションの公共広告にも積極的に志願している。ぼくの親しくしていたパーカー夫人は、自分もガンから生還しているので、アメリカ対ガン協会のPRプロジェクトを志願していた。

乳がんの早期発見につながる自己検診のすすめ。
アナウンスは、女性がシャワーのついでに乳房にさわり、異常を発見することは、みだらな行為でもなんでもない---と、自己簡易検診をすすめる。



ジョン・ウェインの独白「自分は数年前に体調がおかしかったが、チェック(検査結果)を知るのが怖くて病院へ行かなかった。妻があまりにもすすめるので、チェックを受けたら肺ガンだった。いまは、こうして元気に撮影している。おかしいと感じたら、あなたも早期にチェックをうけなさい。さらにお願いする。対ガン協会へチェック(寄付金の小切手)を送ってください」


挿入されている映画の画面は『大いなる追跡』。映画会社、出演者、スタッフの合意の上でのもの。


A/D Bill Taubin
C/W Lore Parker
P/D Justine Crasto

2本のフィルムは、パーカー夫人からの贈り物。




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