創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(641)[ニューヨーカー・アーカイブ]を基にエイビス・シリーズ(番外3)


ハーツがやった---というより、カール・アリー広告代理店がつくったTVコマーシャルを1本、紹介しましょう。


カール・アリー社を取材したときにもらった現物はもう、手元にありませんが、コマ割りでも充分、できあがりを想像できましょう。

(アナ)「ハーツには、もっと一所懸命にやりますといっている競争相手があります。それしかいえないような。
(風船から空気が抜け始める)


お客さまに、[お貸しする車がたくさん用意してあります]なんていえないんです。No.1の半分の数しか車がないんですから。
いかに便利かってこともいえないんです。No.1のサービス・ステーションの半分の数にも及ばないのですから。
値段だって、No.1と同じ料金ですからね。
だから、もっと一所懸命にやります、なんて大決心をしたのです。
灰皿をきれいにしたり、お客さまが望みそうなあらゆるサービスに努めたり。


ハーツは、それを、とても気の毒に思います。
こんなことを大衆の面前でいわなければならないと思うと。
(空気が抜けきる音)
でも、こうしなければならなかったのです。


ハーツで、フォードの新車をお借りください。
私たちはNo.1なのです。