創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(624)[ニューヨーカー・アーカイブ]を基にエイビス・シリーズ(16)


「レンタカー広告規制」を提案

 
タウンゼント社長は、「2位」キャンペーンの成功例をひっさげ、1964年夏、「レンタカー広告規制」の実施を働きかけました。


この規制は、賃貸料と借用時間などを明示する義務と同時に、競争会社の値段、サービス、品質について直接比較することを禁じ、さらに、すべての競争社よりも自社の賃貸料が安いという表示をすることを規制しようとするものです。


これには、ディスカウント・レンタカー会社(エコノカー杜やアレキサンダー・レンタル自動車部など)が猛反対をしました。


しかし、世間の良識は、またもやエイビスに味方してしまったのです。
でも、こうした提案は、業界首位ハーツがやらなければならないことですよね。
エイビスは、業界浄化の面でも、ハーツを追い抜く見識を示したのです。



エイビスは、このビジネスの将来性と
ゴルフクラブの入会資格を手にしたい
青年を求めています。


私たちは、いまだにレンタカー業界ではNo.2です。しかし、新人を採用しなければ間に合わないくらい成長をつづけています。
ビジネス界で賭けてみる価値があると思っている人物をご存じでしたら、私たちが人を求めていると声をかけてみてください。
当初は、カウンターの裏側で仕事を覚えていただきます。
赤いエイビス・ジャケット着用も条件の一つです。
カレッジ卒は、問いません。
灰皿の吸殻を捨てるために、手を汚すこともありましょうし、フォード車を洗うことも。
でも、いずれ市とか地区マネジャーに昇進します。
あるいは社長へ(社長も、この広告を了解ずみです)。
私たちは、今日の青年に求めすぎているでしょうか?
1人ぐらいは求人できるでしょう。
いや、きっと、2人は見つけられると信じています。


C/W エド・ヴァレンティ Ed Valenti
A/D ヘルムート・クローン Helmut Krone
"The NEWYORKER" 1964.11.14

楽屋ばなし】ヘルムート・クローンは、この広告が気にいらなかったようです。
エイビス側からの要請でつくったからかもしれません。
理由は、リクルーティングの広告なんか、一般誌でやるべきではない、と。
でも、おもしろい語り口だとおもうんですが。