(621)[ニューヨーカー・アーカイブ]を基にエイビス・シリーズ(13)
キャンペーンを傘下の営業拠点の人びとへ周知・徹底させるために、タウンゼント社長も自ら巡回に参加し、こんな説得まで行ったようです。
「皆さんご存じのとおり、当社は、13年ものあいだ、赤字つづきでした。
皆さんが、正当と思う賃金を支払われていない、また、正当に評価されないと感じるなら、それは赤字だったせいです。
このキャンペーンどおりに、もっと一所懸命にやれば、きっと報いられます」
そして、キャンペーンの最初の3,4点を示し、「いっしょにやろう」と励ましました。
一方、ハーツの従業員たちの落ち込みようといったら、なかったといいます。
【楽屋ばなし】1,Poughkeepsie は、P'kipsy と発音するのだそうです。けっこう、大きい市だと。
2.下(した。 しも じゃなく)のネタは、コピーライターがマイアミでのエイビス集会に参加したとき、主催者のジャック・ニューマンから聞いたと。つまり、名前の主。
エイビスは、パキプシーで
1位になりました。
そうしたら、もう、
苦情が舞いこんできました。
先日、ニューヨーク州のプキプシーの私たちの仲間が電話をかけてきて、「オレたち、1位になったぜ」といいました。
うぬぼれているなって感じを受けました。
それからというもの、このジャック・ニューマンのことを、気をつけていました。
そしたら、案の定、電球がきれたままにして失敗信号をともしました。ガソリン・タンクを空にしておくことまでやりました。
けれど、成功は彼をダメにしてはいませんでした。
そのサービスはまだ、キビキビしていて、彼が貸すフォードは、買い入れたときと同じぐらいビカビカです(2位のエイビスの連中がやっているように、32,000km以上走った車は使っていません)。
もし、プキプシーの市民から、これ以上苦情が舞いこんでくるようだったら、私たちは、もう少し自己満足の少ない人を採用しなければならないでしょう。
そんなわけだから、ジャック、気をつけることだね。
C/W ジョン・ウィザーズ John Withers
A/D ヘルムート・クローン Helmut Krone
"The NEWYORKER" 1964.07.11
【参考】
ポーラ・グリーン夫人とのインタヴュー(連結篇)←クリック(お時間があるときに)
【急告】
明日は、エイビス・シリーズを1日だけ休載し、季刊『AD STUDIES 夏号』((財)吉田秀雄記念事業団)に寄稿した[マディソン街の黄金の10年]をアップします。
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