創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(479)米国ガン協会キャンペーン

『DDBニュース』のバックナンバー、1972年6月号をめくっていたら、毎号のように載っている「受賞作品の紹介欄」に、[ジョン・ウェイン]が米国ガン協会の公共広告へ志願出演したものがANDYの第1位賞を得たとあった。


アートディレクター: ビル・トウビン氏 AD Mr. Bill Taubin
コピーライター: ロール・パーカーさん CW Mrs.Lore Parker
プロデューサー: ジャスティン・カストー氏  Producer Mr.Justine Casto


パーカー夫人が「私もそうだけど、ジョン・ウェインさんもガンから生還したので、出演を快諾してくれたのよ」といってフィルムをくれた。
いや、無料出演したのは、ジョン・ウェインだけではない、『大追跡』の画面に出ている共演者や馬、監督ほかのスタッフも映画会社もOKということで完成した。


ジョン・ウェインの独白「自分は数年前に体調がおかしかったが、チェックを受けるのが怖くて病院へ行かなかった。妻があまりにもすすめるので、チャェックを受けたらガンだった。いまは、こうして元気に撮影している。おかしいと感じたら、あなたも早期にチェックをうけなさい。さらにお願いする。ガン協会へチェック(寄付金の小切手)を送ってください」


「チェック」を2重の意味にかけたCMで、寄付要請の多い公共広告のなかでは、視聴者に最優先に選ばれたはずとは、パーカー夫人の弁。




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