創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(466)シーヴァス・リーガルの広告(13)


ケチ坊 miser シリーズの第3弾!


中流以上の米国人はパーティ好きに見えます。
なんのかんのと理由をくっつけては集まって社交を楽しむのです。
社交---すなわち、気の利いた会話---パーティ・ジョークの主戦場です。
広告も、弾の一つとして使われます。
広告に、ユーモアがもとめられるユエンでもあります。
とりわけ、酒がでるパーティでは。
ユーモアは、社交の潤滑油でもあります。



それでも彼は、自分はシーヴァス党だと言う。


シーヴァス・リーガルを一杯ひっかけるたびに減りを確かめてているんでしたら、あまり楽しくはないはずですがね。
私たちのスコッチを買って飲むこと,それは好気嫌(expansive)になるためのはず。
高価(expensive)だから? 違いありません。
シーヴァス・リーガルはほとんどのスコッチと比べて2ドルは高いです。
それより少ないお金では私たちのスコッチはお手にはいりません。
ストラシフラ・グレンリベットの12年ものですから。
ほんとうのシーヴァス党にとっては、これが人生における一つの条件なんです。
だから1杯・・・・2杯・・・・と数えません。
幸せを数えるのです。


1965.2.27 『ニューヨーカー』




一つだけボディコピーが無いのも寂しいですね。(hiroysato)


And he calls himself
a Chivas drinker.


If you count every dram of Chivas Regal,
you're probably not having a very good time.
Buying our Scotch, and drinking it, should be
an expansive gesture.
Expensive?
Rather. Chivas Regal costs $2 more than most
other Scotches. But you can't pay less and get
whiskey like ours. Strathisla-Glenlivet,
aged 12 long years
To real Chivas drinkers this is an con-
dition of life. So they don't count drams.
They count their blessings.


February 27, 1965 The New Yorker


(英文コピーはhiroysato さんに補っていただきました)


パーティで、シーヴァス
リーガルを出す
のだったら、
まず、自分のグラス
から注ぐように
心がけて。


それもす早くやることが肝心。
お客様があっという間にシーヴァス・リーガルに群がり寄ってくるからです。
いま、目の前にあったと思う間もなく姿を消してしまいます。
だからこんな結論も出てしまうというもの---
シーヴァス・リーガルより売れているスコッチは数多いけれど、
人気の点ではシーヴァスに及ぶべくもない。
値段は2ドルしか安くないのに。
しかし、この2ドルの壁はとてももろいようです。
この壁をくずしてしまうと、たいていの人がまったく新しいタイプの
スコッチ党に心変わりしてしまいます。
でもいたしかたないでしょう。なにせシーヴァス・リーガルは、
12年ものですから。
ハイランドのグレンリベット地方の第一級のウイスキーでできていて。
招待客にこのことを説明してみませんか?
今後招待された家に<シーバスが待っているやもしれず。


1964.12.5 『ニューヨーカー』




If you're serving
Chivas Regal
at a party,
better pour
your own glass
first.


And you'd better be quick about It.
Because guests have a way of homing in on Chivas Regal very swiftly.
First you see it, then you don't.
Which leads us to this conclusion:
Although a lot of Scotches are bigger sellers than Chivas Regal is, maybe they aren't as popular.
They just cost two dollars less.
Those two dollars seem to be quite a stumble block. And that's a sham, because once somebody shane, becallseonce so,melody stumbles over it, he turns into a whole new kind of Scotch-drinker.
Well he may. Chivas Regal is 12 years old.
Prize whiskies from the Glenlivet region of the Highlands go into it.
Why not mention all this to your guestst?
So when you visit them, there may be some Chivas waiting.


December 5, 1964 The New Yorker

5月30日に掲載ずみ分の再掲示です。



他のスコッチより栓を開けにくいように
思えるのは、
他のスコッチよりきつく栓をしめている
からなんでしょうな。


1970.2.14 『ニューヨーカー』


またもや
シーヴァス・リーガルの
ボトルを変えた
マヌケは
誰?


前と同じ人。
今度は何をやらかした?
コルク栓をネジせんに。
前は、何をしたんだっけ?
ボトルをグリーンから透明に変えたんだ。
あれは、妙案だった。今回もきっとこれもいいんだろう。
開けやすくなった。
だけどコルク栓は好きだったな。
どうって言えないけど、とにかく好きだった。
わざわざ騒ぎを起こすこともあるまいに。
ま、いいさ。前と同じストラシスラ・グレンリベットのみごとな12年ものウイスキー
できている限り。
まさかそれも変えようってんじゃないだろうな?
まさか! やっこさん、そこまでマヌケじゃあるまい。


1966.7.16 『ニューヨーカー』

art director Bert Steinhauser
copywriter  Robert P. Smith




What idiot
changed the
Chivas Regal
bottle
again?


The same one vho did it before.
What's he done this time?
He's replaced the cork with a scrcw-top.
Oh. What did he do last time?
Changed the bottle from green to clear.
Vell, that was a good move. Maybe he's right this time, too. It's easier to open.
I kind of liked the cork, though. I know it didn't any good, but I like it.
Is it worth making a fuss about?
I guess not, as long as the whisky's made with that same wonderful 12-year-old Strathisla-Glenlivet.
He isn't going to change that?
Are you kidding? What kind of idiot do you think he is?


July 16, 1966 The New Yorker