創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(142)フォルクスワーゲンの広告(54)

"ugly" シリーズの真打ち的な作品。再登場ですが---


不恰好ですが、運んでってくれますよね




It's ugly, but it gets you there.


このプログでは、自己PRは控えているつもりですが、アポロ11号がでると、つい。


読売新聞1969年7月21日夕刊


ぼくたちのチームが打ったホームランです。
当時、銀行は大蔵省の意向を受けて、1回全3段以上の新聞スペースを使えないことになっていました。
でも、1ページ広告の衝撃力をやってみたかった。3ヶ月ほどまえに、アポロ11号の月面着陸時間が公表されました。夕刊締め切り前でした。
その日の夕刊1面は---と予想し、ひそかに紙面どりの手配をしましたが、内容を漏らすわけにはゆきません。
新聞社の広告局の人って、ある面、情報蜂ですからね。けっきょく隠密裡に手配できたのは、読売新聞だけでした。
もちろん、不成功だったときの差し替え原稿も用意しました。
コピーライター人生で、たった1回訪れた、夢のようなチャンス---ものにできました。
企画に乗ってくださった、当時の富士銀行の担当部課のかたがたの勇気とご努力に感謝しています。
だって、3ヶ月も前からわかっている、夕刊一面全部を飾るに違いない地球的な慶事って、そうそう、あるものではありませんから。