(171)大もの---ジョージ・ロイス氏(3)
Great art director Mr.George Lois
TVCMが創始された初期のころ、ハリウッド育ちの映画畑の人たちがCMづくりに動員されました。
その人たちは、映像制作には長けていても、モノを売るアイデアや熱意には不慣れでした。
その時、ジョージ・ロイスは、TVコマーシャルはアイデアさえあれば誰だってつくれるんだ---と、黒ケント紙1枚でつくってみせ、みんなをアッといわせました。
「ジョン、咳をしてるの
ビリーじゃなくって?」
「起きてって、
コルデーンを
飲ませてやれよ」
まっ黒い画面では、子どもの咳。
文字をなぞる男女のセリフ。
ぱっとベッドサイド・テーブル。
制作費のこともありますが、伝えたいことをきちんと伝える作法です。
これは47年前のことなのです。
まあ、コルデーンは、液状になった龍角散のみたいに、説明を要しない国民薬だったのでしょう。