創造と環境

コピーライター西尾忠久の1960年代を中心としたアメリカ広告のアーカイブ

(101)いわゆる「DDBルック」を語る(了)

     前DDBクリエイティブ・マネジメント・スーパバイザー ポーラ・グリーン
     (1969年退社 グリーン・ドロマッチ社をDDBの隣のビルに設立)


『MC』誌1969年6月号の記事、ご当人の了解をとって拙編DDBドキュメント』 (誠文堂新光社 ブレーンブックス 1970.11.10)に翻訳・掲載したものです。


<<いわゆる「DDBルック」を語る(1)

広告で重要なのは、たった一つのファクト


問い「広告代理店業界では、業界紙や産業広告と消費者向け広告との違いについて、翌読んだり、聞いたりしますが、自分の仕事をわきまえた、ずばぬけたコピーライターにとって、そういった違いは存在すると思いますか?
業界向け広告は、技量の劣ったライターに書かせてかけばいいとおかんがえですか?」


グリーン「いいえ。業界向け広告も読んでくれるのが人間である以上、誠実にして尊敬に扱わなければならないと思います。違った意味での消費者を対象にしているのですから。
もちろん話しかけ方は違わなければなりませんが、『もっと利益を早くあげろ!』といつもいうからといって、知的に低いものをつくっていいというこにはなりません。業界の人びとも、何か面白いことが起こらないと。あなたが書くものにあきあきしてしまうこともありえます。
業界向け広告が恐ろしいものになってしまわないように、もっと誠実に扱わなければいけません。そしてこれは、いやな仕事てせはなく、大きな挑戦です。
業界向け広告づくりは決して楽ではありません。いわゆる---業界向け広告らしく扱われるべきではないのです」


問い「業界向け広告は、違った方向ではいい仕事をしています。賞品に関してのより多くの事実、詳細説明が提供されています。けれど、本質的には、人びとに向かって話かけているのでしょう?」


グリーン「ええ。でも何かを意味している事実のフレームワークの中に入れなければならないのです。
1ページの中に1,000近い事実をリスト・アップすることはできますが、でも、それだけでは十分でないと思います。ファクトをカタログ化して書き込みきます。でも捜しているものをすでに知っていればいいのですが、売るというのだったら、どこかにポイントを置かなければならないと思うのです。
ファクトは、何かそれ以上のものをさしているべきです。リスト全体が重要なのではないのですからね。特に気に入っているわけではない仕事や、特に関心のがあるわけではない意見、自分の好みにあわない問題などを書く場合でも、こんなにいやな仕事をとりあげても、どうやったらそれを自分の力ですばらしいものにすることができるか、と考えて挑戦すれば、とても面白い仕事になることが多いのです。趣旨はまったく気に入らないものでも、自分の好きな表現を使っていうのですからね」


Would you belive Avis is No.1 1/2?


エイビスは1.5位って
信じられますか?


マナーどおりに言うと、私たちはまだ2位です。
しかし4年間、一所懸命にやった甲斐あって、1位との差を約半分に縮め、
数字的には1.556位です(最近の主要26空港の統計より)。
トップに接近するとどんなことが起こるでしょう。人はさらに努力するのです。
たとえば、アーニー・フートのように。
期限切れの州外免許証をお持ちのお客さまが来店された時のことです。アーニーは、免許試験のため、お客さまをハイウエイ・パトロールまでお連れしました。お客さまは免許証を取得され、ピッカピッカのプリマスの新車で出発されました。
私たちのスタッフがスコアを伸ばしていることは明白です。
もう優勝旗の匂いを嗅ぎとっています。

           (訳:梅地沙史 & chuukyuu)


hy No.1 has to do something about Avis:


No.1がエイビスにこだわっている
その理由(わけ)---


最近、No.1の広告が大きく変わってきたことにお気づきのはずです。
ノー天気な男がクルマに飛び降りている広告をやめました。
それに代えて、エイビスの強がりキャンペーンへの対抗編というのを出してきています。
なぜでしょう?
No.1はレンタカーのシェアを減らしりつつあります。
エイビスのシェアは伸びています(最近の主要26空港の統計です)。
「もっとしっかりやります」キャンペーンは着実に成果をあげています。
洗浄ずみのプリマス、満タンのガソリン、そして笑顔で迎えられたとき、あなたはNo.1のお客さまがエイビスへ移りつつあることを確信なさるでしょう。
その潮流は明らかです。
この調子で努力していけば、1970年、エイビスはNo.1になっているでしょう

           (訳:梅地沙史 & chuukyuu)



コピーをポーラ・グリーンから引き継いだエイビスのクリエイティブチーム。左端:ヘルムート・クローン氏 中&右:ヘルツバーン、エーツ氏(ともにコピーライター)


これまでにアーカイブしたエイビス・キャンペーン
[DDBの広告]エイビス(01) (02) (03) (04) (05) (06) (07)


 【chuukyuuからお礼を一ト言】 


きょうのブログが、休みなしの---202日目です。かなりな、強行軍でした。ほぼ4冊分の既自著をアップしました。多くの若いクリエイターたちのボランティアもいただきました---入力、翻訳、システム設計---。
コメントトラックバックもたくさんいただいています。感激的です。


これからは、自分の老力がついていけるように、もうすこしペースを落として進みます。さらに、さらに、ご支援くださいますよう。


【chuukyuuからのお願い】

エイビスのNo.2キャンペーンで、すぐ上の7日間の[これまでにアーカイブしたエイビス・キャンペーン]と、今回11日にわたる[いわゆる「DDBルック」を語る]に引用したエイビスの広告のうち、あなたが「これがいい!」「これ、面白かった」「あれは痛快だった」とお感じになったのを1〜2点、コメント欄へあげてくださいませんか。


よろしくお願いします。