創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(55)ジョン・ノブル氏とのインタヴュー(4)

  Mr. John Noble
  Vic-President, Copy supervisor Doyle Dane Bernbach Inc.
  (DDB 副社長兼コピースーパバイザー)

DDBの広告の特長は、人と人との話し合いのスタイル

ChuukyuuVWの広告をつくるにあたって、あなたはどのようにアイデアを展開させて行くのか、教えてください。どんなところからアイデアが生まれるのかとか、どうやって実行に移すのかといったことを---」
ノブル「あなたが何かを考えだす時と同じです。常に止むことはありません。オフィスにおいてはもちろんですが、夜はベッドに入る直前まで、朝はベッドから起き出すその時からです。もし、こういうことができないようでしたら、この世界にいるべきではありません」
ChuukyuuVWは、DDBのおかげて今のようになったと考えるべきだと思いますか?」
ノブル「ええ、そう思います。そして同様に、DDBVWのお世話になっているのです」
ChuukyuuDDBで働いていらっしゃって、どんな利益を受けていますか?」
ノブル「まったく利己的じゃない人びとといっしょに働いているということです。5年前にぼくがここへやってきた時、誰も『生活の秘密』をかくすなんてことをしませんでした。人びとは喜んでその経験を語ってくれました。ですから、いま、ぼくのグループに新しいコピーライターが入ってくると、ぼくが入ってきた時に彼らがしてくれてのと同じことをしようと努めています。この暖かさは、ぼくたちの広告にあらわれてくる暖かさというものと大いに関係があるものだと思います。
VWが打ち勝たねばならなかったヒットラーと第2次大戦はちょっとやそっとでは倒れないものでしたよね。でも、ぼくたちはそれをやったのです」
Chuukyuu「もしあなたが、DDB以外の広告会社でVWの仕事をすることになったとしたら、DDBでしてきたのと同じようにすばらしい広告がつくれると思いますか?」
ノブル「もし、その雰囲気が同じならできるとおもいます。でも、そういうことがありうるかどうかは疑わしいですね、非常に多くの人びとがDDBを去って行きましたが、またすぐに戻りたいと言ってきました。要は人間です。もし、鼻もちならない奴だったら、その仕事もいやなものになります」


ジョン・ノブル氏とのインタビュー
(1)(2)(3)(4)(了)


DDBのみごとなコピーライターたちとの単独インタヴュー(既掲出分)
デビッド・ライダー氏とのインタヴュー
(1)(2) 
ロバート・レブンソン氏とのインタヴュー
(1)(2) (3)(追補)
ロン・ローゼンフェルド氏とのインタビュー
(1)(2)(3)(4)(5)(了)
フィリス・ロビンソン夫人とのインタヴュー
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