創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(37)VWビートルの広告(9)

VWの広告の歴史の中で、これは、特別に記憶される一つになるでしょう。
あなたは、ここで見た、アイデアの凄さと勇気について、今日、誰かに話したくなるはずだからです。



とくにお見せるものはありません。
'62年型フォルクスワーゲンはいままでと同じ。


'62年型のフォルクスワーゲンにお乗りになっても、これが最新型とはどなたもお気づきにならないでしょう。
(ひょっとすると、目ざといご近所の人は、'61年型にくらべてテール・ライトが少し大きめになっているのに気づくかも知れませんが、変わったといえば、とくにこの部分だけ)。
なにもかも'61年型そっくり、もちろんお値段も1,595ドルすえ置きです。
外はとにかく、内はずいぶん変わっています。時間と努力をタップリ使った改良です。
'62年型VWは、いっそう静かに走ります。新しいクラッチとブレーキを採用しました(新しいステアリング回りの部品も同様)。すべて手入れはご無用です。ヒーターの温風が前と後から出て車内をくまなく暖めます。
そのほかにも、実に24ヶ所も改良されています。
その一つはガソリン・ゲージがついたこと。
ガンコ派の人たちの中には、スポーツ・カー的なところがなくなったと、コボす人があるかも知れませんが、ガソリン・ゲージは予想外に便利なものです。ガソリン・タンクがいっぱいか、空っぽかを知らせてくれるだけでなく、これが'62年型の象徴でもあります。
1962年はフォルクスワーゲンの歴史の中では、大変化の年となるかも知れません。




No point showing the '62 Volkswagen. It still looks the same.


No head will turn when you drive a '62 Volkswagen home.
(Maybe on eagle-eyed neighbor will notice that we've made the tail lights a little bigger. But that's the only clue.)
Everything is right where we left it in '61. Including price: $1,595.*
Inside is another story.
We've put all our effort into improvements that matter.
The '62 VW runs more quietly. there are new cluch and brake cables las well as new steering parts) that never need maintenance, Heater outlets front and rear for more even heating. Easier braking.
And 24 more.
One change is literally a gasser.
We've added a gas gauge. Our first.
A few die-hards may think we've stolen some of the VW's sporting flavor. But the gas gauge may be more useful than you'd imagine. It will not only tell you whether your tank is E or F; it will prove you're driving a '62,
It could make 1962 go down in VW history as the year of the big change,


これには、もう一つ、別の見出しとボディコピーのがあります。
「’62年型の新車をお目にかけようと思いましだが、売れてしまってありません」
でも、外観はこれまでのものとほとんど変わりません---といったものです。


もっとVWビートルにお会いになれます。

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